キベリタテハ
子どもの頃、夏休みによく行った霧ヶ峰はチョウの宝庫だった。草原のそこここに東京では見られないヒョウモンチョウやタテハチョウが飛び交い、夢中になって追いかけまわしたものだ。そんな高原のチョウの中でも、花には止まらず頭上を素早く飛び去っていくキベリタテハは憧れのチョウで、高嶺の花ならぬ高嶺の蝶だった。色彩も他のタテハチョウと異なり、翅の表側は紫がかった濃褐色で外縁にはクリーム色の帯がある。その帯の内側には青い斑点が並んでいる。一目でそれとわかる美麗種だ。特に、羽化して間もない新鮮な個体は全体に色が濃くて美しい。
北海道に住むようになったら、家の壁に止まっていたりして、ぐっと身近なチョウになった。幼虫の食樹はダケカンバやシラカンバ、ドロノキ、オオバヤナギなどで、なるほどそれならあちこちにある。ただ、食樹が多い割には見かける数は多くない。タテハチョウ科タテハチョウ亜科。

2022年9月22日 北海道十勝地方
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