「青い池」の不可解なオーバーツーリズム対策
今日の北海道新聞に、美瑛町にある「青い池」の駐車場利用税と宿泊税に関する記事が出ていた。美瑛町はオーバーツーリズム(観光公害)対策としてこれらの税の導入を目指しているのだが、町民に課税しない方針を転換して町民も課税対象にするという主旨の記事だ。
そもそもこの「青い池」は天然の湖沼ではない。美瑛川に造られた堰堤に水が溜まったものだ。水が青く見える理由はウィキペディアでは「この付近の湧水には水酸化アルミニウム (Al(OH)3)など、主に白色系の微粒子が含まれており、美瑛川本流の水と混ざることによって分散され一種のコロイドが生成される。水中に差し込んだ太陽光がコロイドの粒子と衝突散乱して水の吸収による青色の透過光が加わり、美しい青色に見えると言われている」と説明されている。
私もこの近くは何度か通ったことがあるが、そもそも人工の池など興味がないのでわざわざ見にいったことはない。しかし近年の観光客の増加によってゴミの増加や交通渋滞などのオーバーツーリズムによる問題が生じているという。SNSなどへの写真の投稿と拡散もオーバーツーリズムに拍車をかけているのだろう。その対策として駐車場利用税や宿泊税を導入し、その収入によってトイレの整備や渋滞対策、案内板の設置などに充てるとのこと。川をせき止めてできた人工の池の見学に駐車料金をとることだけでも驚きだが(私ならこれだけで行かない)、さらに利用税をとるという。駐車料金だけでもかなりの値段になるわけで、近隣の迷惑駐車が増えることにはならないのだろうか?
オーバーツーリズム対策というのなら、まず観光客の制限をするのが筋ではなかろうか? 来る人が多すぎるから「オーバー」が生じているのだ。たとえば駐車場の空きの有無や混雑状況をネットで確認できるようにしたり、道路に設置した電光掲示板で知らせるなどそんなに難しくないはずだ。近くの「道の駅」でも混雑状況を確認できるようにしたらいい。ところが「青い池」を観光地として宣伝してきた地元にとってはそういう発想にはならないらしい。観光客を制限してしまったら収入も減るということなのだろう。観光客を制限せずにオーバーツーリズム対策をしようとすること自体に無理がある。
上高地や乗鞍岳もマイカーを禁止することでオーバーツーリズム対策をしているが、そのようなやり方は交通渋滞を緩和することはできてもバスやタクシーでやってくる観光客を減らすことにはならない。結果、観光客が溢れ、ゴミは減らないしトイレ等の設備の管理にもお金がかかることになる。上高地のトイレは以前は無料で利用できたが、今は協力金を要求される。河童橋付近は観光客が溢れ、昔の面影はなくなってしまった。
「青い池」では秋から春にかけてライトアップまでして観光客を誘致している。もちろん冬は凍って雪が積もるので青い水など見られない。白い池にライトアップしてまで観光客を誘致するなど、私には馬鹿げているとしか思えない。そもそも人工の池であり昔は無かったものだ。それが人気スポットとなったことで観光地化を目論見、お金を落としてもらうことばかり考えるさもしさにちょっと辟易としてくる。
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