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2025年10月

2025/10/31

外国人労働者や移民について

 北海道新聞では日本に住む外国人への差別や排外主義について連載で取り上げている。北海道新聞の論調は、もっぱら外国人差別や排外主義への批判だ。もちろん私も、SNSなどで外国人に対する虚偽の情報を流して貶めたり、差別するような言動には怒りを覚えるし、同じ日本人として恥ずかしい。

 

 2019年の秋に信州に旅行したが、宿泊した松本のホテルではアジア系の若い女性がフロントで働いていたし、別のホテルでは中年の外国人女性が厨房で働いていた。また、上高地へのバスでは、やはりアジア系の外国人女性が日本語と英語で観光ガイドを務めていた。たとえ日本語がぎこちなく聞き取りづらくても、旅行者として彼女たちに嫌な感情は抱かないし、むしろ母国を離れ日本語を学んでまじめに働いていることに感心さえする。

 

 今や、外国人労働者は日本にとって重要な働き手だ。しかし、だからといって、外国人労働者や移民をどんどん増やすという政策に対しては賛同できない。日本が移民を受け入れようとするのは、少子高齢化で労働者人口が減っているからだ。少子高齢化社会になることなど、以前から分かっていたのにそのための対策はろくにしてこなかった。そして、実際に労働者不足になれば政策の失敗は棚に上げ、外国人に働いてもらって何とかしようという。こういう発想はあまりに虫がいいし、危機管理に対する意識が欠如している。

 

 日本は食料自給率がカロリーベースで40%にも満たない。化石燃料も輸入に頼っている。もし、これらの輸入が途絶えるようなことになれば、日本人はたちまち飢え、エネルギー不足で世の中が回らなくなるだろう。これだけとっても危機管理が全くできていない国だと言わざるを得ない。さらに、労働者まで外国人に頼った場合、自然災害や原発事故など何等かの事情で彼らが母国に戻ってしまえばたちまち労働者不足に陥る。食料もエネルギーも労働力も外国頼みとは、何というだらしのない国なのかと思うし、危機管理ゼロではないか。

 

 外国人に頼る前に、まずはできるだけ自国で何とかする道を考えるべきだろう。外国人労働者が必要だという理由に、経済成長を続けなければならないという前提がある。人口が減少しているのだから経済規模が縮小するのは当たり前なのに、それを受け入れることができずに経済成長し続けることが必要だという。大多数の人がこうした経済成長神話に縛られて発想の転換ができない。労働者が少ないのなら、それに見合った経済規模にするという発想も必要ではないか。そもそも資本主義はもう限界にきている。

 

 それから、元気な高齢者もそれなりにいるのではなかろうか。リタイアして家でやることがなく、テレビを見てだらだら過ごしているような人はそれなりにいそうだ。若い頃と同じように働くのは無理でも、時短とか週に2,3日くらい働くのなら、家でゴロゴロしているより生き生きとした生活ができるだろう。高齢になり旅行や趣味を楽しんでのんびりと暮らすのもいいが、元気なうちは適度に働くという選択も、人生を充実させることに役立つはずだ。

 

 参政党のように、日本人ファーストを掲げて移民政策に反対する人たちがいる一方で、移民反対は排外主義だとか差別だという人たちがいて両者が対立している。前者の人たちは、外国人が増えることによる治安の悪化も懸念している。そのあたりのことは何ともはっきりとは分からないが、どんどん増やしていけば、習慣や文化の違いで軋轢が生じることもあるかもしれない。特に、今のように外国人差別をする人が一定程度いることを考えると、トラブルも増えそうだ。かといって、後者の人たちのように、日本の都合で外国人労働者をどんどん増やし続けることには賛成しかねる。

 

 外国人差別はあってはならないが、かといって外国人を増やし続けるのも賛成しがたい。ただ、そういう意見があまり聞こえてこないのが不思議だ。

 

2025/10/29

ギンボシキヒメハマキ

 前翅は橙褐色で、全体に銀色の斑紋と黒褐色の細かい横線がある特徴的な模様をしている。前翅長は8mm前後。ハマキガ科ヒメハマキガ亜科。

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2024年7月9日 北海道十勝地方

 

2025/10/28

ウスクリイロヒメハマキ?

 ヒメハマキガの仲間は同定が難しい上、コウスクリイロヒメハマキという近縁種がおり、同定には全く自信がない。間違っていたら教えていただきたい。前翅長は約6mm。ハマキガ科ヒメハマキガ亜科。

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2025年8月15日 北海道十勝地方

 

2025/10/27

クローバヒメハマキ

 ヒメハマキガは似ているものが多くて同定が悩ましいグループ。幼虫はクローバーなどを食べる。前翅長は7mm前後。ハマキガ科ヒメハマキガ亜科。

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2024年8月24日北海道十勝地方

 

2025/10/26

キスジオビヒメハマキ

 くすんだ褐色の地にクリーム色の条とまだらの黒斑があるヒメハマキガの仲間。写真の個体は前翅長9mmくらい。ハマキガ科ヒメハマキガ亜科。

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2021年7月7日 北海道十勝地方

 

2025/10/25

ヘリオビヒメハマキ

 前翅は褐色で、中ほどに三角形の斑紋がある。クロサンカクモンヒメハマキというよく似た別種がいるが、クロサンカクモンヒメハマキは春に出現するのに対し、本種は夏から秋に出現するとのこと。写真の個体は前翅長約9mm。ハマキガ科ヒメハマキガ亜科。

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2025年8月12日 北海道十勝地方

 

2025/10/24

断捨離第二弾

 以前、一度は資料などの一部を廃棄した。しかし、まだまだあって何とかしなければならない。重い腰を上げて断捨離の第二弾を開始した。私も同居人も物を捨てられず何でもため込んでしまう性格だ。家が狭ければ適当なところで物を捨てざるを得ないが、広い上に子どもたちが使っていた部屋もあり、物がたまる一方だった。それにしても断捨離をしていると「よくもこんなにため込んだものだ」と自分でも呆れてしまう。もったいないからととっておいたものの大半はほぼ使わず、存在すら忘れているものもある。

 

 親が施設に入所し実家の片づけをしたときにつくづく感じたのだが、何でもため込んでしまうと残された子どもが実家の後始末をしなければならない。もちろん今はお金さえ出せば業者がやってくれるが、それでも残された物の中から貴重品や思い出の品などを選びださなければならないし、個人情報が含まれているものもできるだけ自分で処分しておきたい。そうすると、なかなか大変な作業を子どもにさせることになる。やはり、自分が動けなくなる前に、できるだけ物を減らしてすっきりさせておかなければならないと思う。

 

 私が住んでいるのは北海道の僻地ともいえる場所で、車は生活必需品だ。食料品などは生協で配達してもらえるが、車がないと医者に行くことができない。地元の町には内科のクリニックや歯科はあるものの、それ以外の診療科は車で一時間以上かけて通院しなければならない。医療機関にはなるべく行かないようにと思うが、そういうわけにいかないないこともある。たまにならともかく、遠方の医療機関に頻繁に通わなければならないようなことになれば、体力的にきつくなる。運転免許を返上したら移住するしかない。

 

 さらに、冬の除雪も歳とともにきつくなってきている。もし、夫婦のどちらかが要介護や入院ということになれば、今のところに住み続けるのは困難だ。そして、高齢者になれば、いつどのような病気や体調不良に襲われるか分からない。そんなわけで、そう遠くない将来に移住を考えているのだが、そのためには荷物を大幅に減らさざるを得ない。遅かれ早かれ断捨離をしなければならないのだ。そして、歳をとればとるほど体力が低下して断捨離や引っ越し自体が大変になってくる。

 

 断捨離をしていて思うのだが、物を捨てるというのはかなりエネルギーがいる作業だ。実家の片づけなら思い入れなどもあまりないが、自分のものだとそうはいかない。衣類や日用品はともかく、本や資料類となると一つひとつに思い出があるし、「これはとっておく」「これは処分」と、決断を下すだけでも気力がいる。

 

 特に、私の場合、長年自然保護に関わってきたので、その関連の資料などが大量にあった。それらを片づけていると、過去に自然保護団体の機関紙や雑誌などに書いた文章などが出てきたりする。書いたことすらすっかり忘れているものも多い。ごく一部だけは保存して、大多数は処分しているが、なんだか自分の過去の活動を消し去るようでちょっと寂しい。かといって、とっておいてもほぼ読み返すことはないのだけれど。

 

 自然保護関係の資料類の断捨離は大方終わったものの、まだまだ雑多なものが沢山あるし、一番大変なのは大量の本だ。これはもう、どうしても残しておきたいものだけ選び、あとは処分するしかないだろう。しかし、私にとって「本を捨てる」というのはかなり思い切りと気力がいる。

 

 そんなわけで、無理のない範囲で少しずつ進めている。断捨離が大方終われば、身も心もかなり軽くなりそうだ。

 

2025/10/22

リンゴコカクモンハマキ

 全体的に褐色で濃色の帯があるが、個体によっては不明瞭。幼虫は広食性で様々な広葉樹を食べるとのこと。前翅長は8mmくらい。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2025年8月16日 北海道十勝地方

 

2025/10/20

フタモンコハマキ

 前翅は網目模様があり、前縁に二つの褐色の斑紋がある。斑紋が特徴的なので分かりやすい。幼虫は枯葉を食べるとのこと。前翅長は7~8mmほど。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2024年8月6日 北海道十勝地方

 

2025/10/18

北海道民は原発事故から何を学んだのか?

 今日の北海道新聞に、「泊再稼働に賛成52%、反対34% 賛成の6割「電気料金安く」 道民意識調査」という記事が掲載された。北海道新聞社が独自に道民意識調査を行ったところ、過半数である52%が泊原発の再稼働に賛成という結果になったという。しかも、賛成する理由は電気料金が安くなるからが6割だというから、心底驚いた。福島の原発事故の教訓はどこへ行ったのだろう?

 

 福島の原発事故から14年以上が経ったが、福島第一原発の事故処理はいつ終わるかも分からない。放射能汚染は今も継続しているし、海の汚染も続いている。原発事故の処理に当たっている人たちは、今も被爆し続けているのだ。溶けた核燃料は手の付けようがない状態だ。ひとたび原発が過酷事故を起こしたなら、どんなことになるのかを福島第一原発は物語っている。もし、再び東北地方が大地震や大津波が襲われたなら、いったいどうなるのかと気が気でならない。チェルノブイリの原発事故では石棺にして何とか収束させた。しかし、福島は事故から14年経っても収束の見通しがたっていない。

 

 私たちは、福島の原発事故によって、原発の安全神話が完全に崩れ去ったことを思い知らされたはずだ。人のつくった原発に「絶対の安全性」などない。しかも、日本は地震大国、火山大国であり、頻繁に大地震が起きている。泊原発も活断層が指摘されているし、火山噴火で火山噴出物が到達する可能性も指摘されている。いくら安全対策を強化したとしても、直下で大地震が起きたり、火砕流などに襲われたらひとたまりもない。

 

 泊原発は日本海側に位置するが、ひとたび事故を起こしたら放射性物質は偏西風で運ばれて道内の広範囲を汚染するに違いない。人々が被爆するだけではなく、農地や畜産が壊滅的被害を受けるだろう。能登半島の地震の際も志賀原発は被害を受けている。詳しくはこちらで説明されている。福島の原発事故が私たちに教えたのは、原発事故は取返しのつかない放射能汚染を引き起こすことであり、このような事故を防ぐには廃止するしかない、ということだった。

 

 台湾は福島の事故をきっかけに原発廃止に舵を切ったというのに、道民はたった14年であの過酷事故のことも忘れてしまったのだろうか? 原発の停止で電気料金が値上げされたのは事実だとしても、それで安全を棚に上げて再稼働していいのか? しかも、再稼働したからといって値下げはたいして期待できない。北海道新聞の記事によれば、再稼働後に2回値下げをした関西電力の標準世帯の値下げ率は、2.7%と3.5%だという。2回合わせても6.2%下がったにすぎない。九州電両区の値下げ率は1.1%とのこと。泊原発3号機を再稼働させたところで、値下げ率はかなり低いだろう。大幅に下がるなどと期待したら大間違いだ。

 

 過去から学ばなければ、同じ失敗を繰り返すのは世の常だ。このまま原発を再稼働させていけば、いつか再び福島のような過酷事故が起きるだろう。目先の利益ばかりに囚われて安全性をないがしろにするほど愚かなことはない。

 

2025/10/17

アカトビハマキ(シロズトビハマキ)

 赤味を帯びた褐色のハマキガで、雄は頭部(顔面)が白いのが特徴。雌の頭部は褐色。幼虫は広食性で広葉樹のほか、カラマツなども食べるとのこと。写真の個体の前翅長は雄が9mm、雌が12mm。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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雄 2024年9月8日 北海道十勝地方

 

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雌 2022年8月10日 北海道十勝地方

 

2025/10/16

アミメキハマキ

 淡黄褐色の地色に褐色の網目模様があり、濃褐色の2本の横線をもつハマキガ。幼虫は広食性で、さまざまな広葉樹を食べる。写真の個体の前翅長は9mm。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2023年7月27日 北海道十勝地方

 

2025/10/15

イチイオオハマキ

 ネット検索では画像が見当たらないのだが、前翅の斑紋から本種と同定した。間違っていたら教えていただきたい。幼虫はイチイの他、トドマツなども食べるとのこと。写真の個体は前翅長9mm。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2022年9月4日 北海道十勝地方

 

2025/10/14

オオアトキハマキ

 網目模様がある大型のハマキガで、色彩には濃淡がある。幼虫は広食性で、様々な植物を食べるようだ。前翅長は15mmくらい。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2024年7月23日 北海道十勝地方

 

2025/10/11

「観る」から「撮る」へ

 最近は、散歩をしていると望遠レンズ付きのカメラなど、野鳥や野生動物の写真を撮っていると思われる人をしばしば見かけるようになった。いわゆるアマチュアカメラマンだ。

 

 私が若い頃は、野鳥や哺乳類などの写真を撮る人はとても限られていて、一部のプロのほかに趣味で撮っている人がぼちぼちいたくらい。何しろ、野鳥や哺乳類の写真を撮るためには長い望遠レンズや三脚が必要だし、お金もそれなりにかかる。重いカメラとレンズと三脚を持ち歩く体力や何時間も粘る忍耐も必要とする。だから、野生動物の写真を撮る人は限られていた。

 

 野鳥を観ることが趣味だという人は、双眼鏡や望遠鏡を持っては公園や緑地、山や水辺に出かけていってはバードウオッチングを楽しんでいる。私も中学生頃から探鳥会に参加して野鳥を観るようになった。そういう人たちは写真を撮ることにほとんど興味はなく、ただただ自然の中を歩いては野鳥を観て楽しんでいた。私も「写真に撮って残したい」とは考えもしなかった。

 

 今も双眼鏡を首から下げて野鳥を観ている人に出会うが、それ以上にカメラを携えている人が多くなった。デジタルカメラが普及し、フイルムの枚数を気にすることなく写真を撮れるようになったことの他に、小型でもズーム機能がある高性能のカメラも登場し、動物写真が一般の人にまで普及し浸透してきたということなのだと思う。それと、一般の人が自分の撮った写真を公表する場ができたことも大きい。ブログ、インスタグラム、フェイスブック、Xなど、今は誰もが作品を公表できる場が用意されている。

 

 ネットの画像検索で野鳥の名前を入れれば、おびただしい写真が表示される。いかに野鳥の写真を撮る人が増え、それをネットにアップする人が多いのかが分かる。日本野鳥の会の「野鳥」誌も、昔は文章ばかりの雑誌だったが、昨今はカラー写真があふれている。誰もが野鳥の写真を撮る時代になったのだとつくづく思う。

 

 先日、とあるナキウサギ生息地に行ってみたのだが、望遠レンズでナキウサギを狙っている人たちが10人ほどたむろしていた。岩場にナキウサギが姿を現すと、一斉にレンズが向けられる。こんな光景はもうずいぶん前から見られるようになった。

 

 別のナキウサギ生息地では、あまりに写真撮影をする人が多くなって植物が踏みつけられてしまうとのことで、岩場に入らないようにとロープが張り巡らされた。そこも、何人ものカメラマンが押しかける。何回も来ている常連さんもいるようだし、たまたま来たような観光客風の人もいる。かつてはほとんど人が行かなかったような場所でも、ナキウサギの写真が撮りやすいという情報が流れると一斉に人が押し掛けるようになるのだ。こんな風になってしまうと、私などはその場所に行きたいとは思わなくなる。

 

 野鳥なども同じで、猛禽が繁殖しているある場所では、営巣場所を見通せるところにやはり三脚を立てた人たちが群がっていた。一度、アマチュアカメラマンに知られてしまうと、「撮影場所」として定着してしまうのだろう。

 

 東京近郊などでは、「どこそこに〇〇(珍しい鳥)がきている」などという情報が広まると、その写真を撮るために黒山の人だかりができるという。その光景を想像しただけでもぞっとする。私が若い頃には考えられなかったことだ。

 

 野鳥や哺乳類などの写真を撮ること自体をとやかく言うつもりはない。野や山に出かけて動植物に親しみ写真を撮るというのは、ゲーム中毒になったりくだらないテレビを見ているよりもはるかに健全だと思う。私自身も、野鳥や哺乳類の写真はほとんど撮らないものの、昆虫写真は撮っている。もっとも私の場合は記録写真であって芸術的な写真を撮りたいという気はない。標本をつくる趣味はないので、種名を知りたければ写真に撮って調べるしかない。それが最大の目的だ。

 

 ただ、野鳥や哺乳類の写真を撮る人たちのことで気になるのは、気遣いのなさだ。彼ら、彼女らを見ていると、ただただ「良い写真が撮りたい」という気持ちに駆り立てられているように思えて仕方ない。そのために、同じ場所に足しげく通っては何時間も粘っている。私には撮影欲の塊になっているように見えてしまう。そこに暮らす被写体である動物たちへの配慮というものがあまり感じられないのだ。

 

 ナキウサギにしても、野鳥にしても、自分にレンズを向けている人たちのことはもちろん認識しているはずだし、それなりの影響を与えているに違いない。私なら、たとえ写真を撮るとしても何枚か撮影したら満足だし、何度も通って写真を撮りたいとは思わない。彼らの生息地をちょっとだけ覗かせてもらえれば十分で、あとはそっとしておいてあげたいと思う。

 

 しかし、望遠レンズの砲列をつくる人たちにそういう気遣いがどうしても感じられないのだ。野生動物を「観て楽しむ」というより、とにかく「いい写真が撮りたい」という気持ちが強いのだろう。いちど写真を撮ることに嵌ると、少しでもいい写真を撮るためにシャッターチャンスばかりを狙うようになる。そうしているうちに、自分の撮影欲ばかりが強くなっているのではなかろうか。とにかく際限がなくなる。

 

 撮った写真をネットにアップして「いいね」をもらうと、さらに「よりよい写真を撮ってアップしたい」という欲が深まる人もいるだろう。こうなると写真撮影が承認欲求を満たすことにもつながっていく。なんだか悪循環のような気がする。

 

 私にとって自然の中を歩いたり野生動物を観るというのは、動物たちの鳴き声や様々な自然の音を聞き、風や匂い、日差しなどを体全体で感じることに他ならない。いくら素晴らしい写真であっても、そういったもの体感することはできない。自然の魅力はそこにある。

 

 人を感動させる素晴らしい写真というのは確かにある。だから「撮る」ことも否定はしないが、まずは自然への気遣いや節度を持ってほしい。できるだけ「そっとしておく」という気持ちを持ってほしい。そして、五感で自然そのものを体感することを大切にしてほしい。そんな風に思っている。

 

2025/10/10

カタカケハマキ

 雄は黄色く膨らんだ前縁襞が目立つため、カタカケという和名がつけられたのではないかと思う。前翅は褐色だが、色彩は変異が大きいようだ。幼虫は広食性で様々な広葉樹のほか、マツ科のモミも食べるようだ。写真の個体は前翅長9mm。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2025年7月25日 北海道十勝地方

 

2025/10/09

ツヤスジハマキ

 ネット上の画像では外見が様々で変異が大きいようだが、ツヤスジハマキでよいと思う。幼虫は広食性で様々な広葉樹を食べるとのこと。写真の個体は前翅長7mm。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2022年7月26日 北海道十勝地方

 

2025/10/06

カバエダシャク

 晩秋に出現する黄褐色のエダシャク。内横線と外横線はほぼ平行し、翅頂付近に小さい白点がある。雄は橙色味が強く、触覚は羽毛状。雌は雄より淡い色彩をしており、触覚は糸状に近い櫛歯状。幼虫は広食性で様々な広葉樹を食べる。前翅長は測れなかったが目測で20mmよりやや大きいくらいだった。シャクガ科エダシャク亜科。

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2025年10月6日 北海道十勝地方

 

2025/10/05

ボカシハマキ

 散歩をしていたら、ひらひらと飛んできて足元のイラクサに止まった蛾がいた。ネット検索しても画像が見つからないのだが、色彩斑紋からボカシハマキで良いと思う。間違っていたら教えていただきたい。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」では幼虫の食餌植物はブナとなっているが、当地にはブナは生育していないので別のものを食べていると思われる。前翅長は10mmくらい。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2022年6月1日 北海道十勝地方

 

2025/10/03

ウンモンキハマキ?

 黄色い斑紋を持つハマキガだが、斑紋は変異が多いようだ。また、外見ではニセウンモンキハマキと区別がつかないとのこと。従って、写真の個体はニセウンモンキハマキの可能性もある。前翅長は10mmほど。ハマキガ科ハマキガ亜科。

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2025年7月23日 北海道十勝地方

 

2025/10/01

キスジホソマダラ

 黒に近い黒褐色の地に、黄色い筋状の斑紋が入るマダラガ。昼行性で、花にもよく来る。雄の触覚は両櫛歯状で、雌は糸状。幼虫の食餌植物はススキやササなどイネ科植物。前翅長は11mmほど。マダラガ科クロマダラ亜科。

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雄 2021年7月6日 北海道十勝地方

 

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