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2025/04/10

人口調整は必要か?

 コロナ騒動をきっかけに、mRNAコロナワクチンの目的は人口削減ではないかとの話をよく聞くようになった。これを事実だと考えるかどうかはともかくとして、世の中には地球上の人口を減らすべきだと考えている人がいることは間違いない。現在、世界の人口は81億を超えている。産業革命以降、人口はどんどん増え続けてきた。私も、このまま人口が増えつづけるとしたなら、飢餓やエネルギー不足による死者がいずれ大量に出ることになるのではないかと危惧している。

 

 地球上の野生生物は、人のように増え続けてしまうことはない。例えば、ときどき昆虫の大発生などがある。マイマイガとかキクイムシなど大発生する種はいくつかいる。しかし、そうした大発生も天敵が増えたり餌が不足するなどして数年で収まっていく。あくまでも一時的なものだ。

 

 また、なわばりを持つ動物は、生息できる環境が増えない限り増え続けることはできない。一番(つがい)の野鳥が4羽、5羽もの雛を育てても、天敵に捕獲されるなどして全部が無事に育つわけではない。環境の悪化などで特定の種の個体数が減ったり絶滅することはあっても、増え続けるということはない。

 

 日本では北海道でも本州でもシカの数が増えてきている。畑の作物を荒らしたり、希少な植物を食べてしまったり、街中に出てきたりと問題になっているが、これもずっと増え続けることにはならない。餌や生息適地は限られているから増えるといっても限界がある。

 

 地球の生態系の中で生きている限り、際限なく増え続けるという生物はいない。ヒトも、狩猟採集生活をしていた頃は人口がどんどん増えることなどなかっただろう。むしろ、滅びてしまったことの方が多いのではなかろうか。今、生きているヒトという種は、絶滅を免れて生き延びてきたということに他ならない。

 

 しかし、ヒトは自然の生態系からはみ出して独自の文化や社会を作り出した。農耕や牧畜によって食料を生産するようになり、さらに地下に眠っていた石炭や石油を掘り出してエネルギーとして利用したり、石油からさまざまな化学製品を作り出すようになった。農耕や化石燃料によって多くの人を養えるようになり経済成長が始まった。さらに、近年は医療が発達し、乳児死亡率は大きく下がった。栄養状態も衛生状態も改善されて感染症もかなり克服し、寿命が格段に延びた。

 

 産業革命以降の人口の増加はこうしてもたらされた。これは他の動物では起こりえないことだ。ただし、農耕地にできる地球上の土地は限られている。石炭や石油なども今のところは枯渇していないものの、以前ほど豊富に採掘できなくなっているし、価格も高騰している。温室効果ガスである二酸化炭素の増加により地球温暖化も年々顕著になってきている。

 

 もし、今のまま人口が増えつづけたなら、間違いなく食料不足になるだろうし、エネルギー不足(または高騰)も顕著になるだろう。地球温暖化もさらに深刻になる。それによって、食料やエネルギーをめぐる争いや暴動が生じたり、多くの人が餓死や凍死、熱中症死しても「それは自然の摂理だから仕方ない」と割り切れるのであれば、それも人類の自業自得として受け入れるしかなかろう。

 

 しかし、そんな悲惨な大量死を防ぎたいのなら、やはり人口の調整は欠かせないと思う。もちろん、戦争で人を減らしたりとか、医薬品などを用いて今生きている人を減らしたり、不妊にすることで減らすなどということは人道的な面からあってはならない。としたら、産まれてくる子どもの数を制限するしか人口を減らす方法はない。

 

 高度経済成長も終わり、先進国ではこどもの数が減ってきていて、放っておいても人が大きく増えることはないだろう。しかし、今の81億人を維持していくというのは地球への負荷が大きすぎると私は思っている。自然エネルギーだけで持続可能な状態にするためには、もっとずっと少ない人口にしなければならないだろう。日本でいえば、江戸時代くらいの人口が適正ではないかと思っている。

 

 とすると、若い人に理解してもらって、一組の夫婦が育てる子どもの数を1~2人にしてもらい、少しずつ減らしていくしかなかろう。こんなことを言うとかつての中国の一人っ子政策を持ち出して批判されそうだ。もちろん出生数を減らせば高齢者ばかりになり、社会システムの維持が困難になるので、高齢になっても元気な人は働く必要があるだろう。経済成長などはありえない。そして、今の日本の社会もすでにそういう状態になっている。

 

 人は、目先の利便性や利益ばかりを優先するが、人が地球上に誕生した生物の一種であり、有限な地球に住む以上、人口を増やし続けるのは自滅の道を歩むことだと思っている。コロナ騒動以降、おそらく地球の人口は少しずつ減っていくだろう。ただ、食料問題、エネルギー問題、温暖化を含む環境問題は待ったなしだ。人類が環境への負荷を小さくして持続可能な社会を作れるのか、それ以前に資源が尽きたり環境が悪化して人類の大量死を招くのかはなんともわからない。

 

 いずれにしても、食料やエネルギー不足、あるいは温暖化による大量死をできる限り未然に防ぐには出生数の調整は必要だと私は考えている。

 

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