米不足への疑問
今日の北海道新聞社説でコメ不足のことを取り上げていた。要旨は以下。
去年の猛暑の影響で高品質のコメの流通量が減ったこと、訪日客を含むコロナ後の需要回復によりコメの品薄や値上がりが続いている。JAグループは24年産の主食用米を出荷した農家に支払う概算金を引き上げており、新米が流通しても高値は続くだろう。政府は補助金を出して転作を促してきたが、生産調整のあり方を見直す必要がある。国の備蓄米放出は手続きに時間を要するので、非常時の供給体制を点検することも肝要。
コメが品薄で、一部のスーパーなどではコメの棚が空になっていると聞くが、コロナ後の需要回復というのは本当なのだろうか? コロナで需要が減ったのなら、その時の余剰分はどうしていたのだろうか? コメ余りだという話は聞かなかった。そもそも人口は減っている。2、3年訪日客が減ったことがそんなに大きく影響しているのか? いろいろ疑問が湧いてくる。
私は食料品の大半は生協で購入している。品薄との理由でコメの定期登録は一時中止になっているが、品薄で買えない人がでる(抽選になる)という状態にはなっていない。ただ、7月頃から急に値上がりし始めた。鳥インフルエンザによる鶏の殺処分が行われた時には卵は値上がりしただけではなく出荷数が限定され抽選になった。そして供給が戻った今も値段は下がっていない。餌代の高騰もあるだろうけれど、なんだかなあという気持ちが拭えない。
今回のコメの品薄に関しても、品薄を理由に値上げをし、新米が出回るようになっても値段は下がらないのではないかと内心思っていたが、やはりそうなりそうだ。もしかしたら、はじめからそれを見込んで流通量を減らし、値上げをしたのではないかと疑いたくなってくる。
国の備蓄米放出は手続きに時間がかかるというが、コメの在庫量は分かるわけで、新米の出回る数か月前には不足になるかどうか分かりそうなものだ。だいいち、備蓄米は緊急時にすぐに放出できなければ意味がない。今回のコメ不足や値上げは何とも不可解だ。
転作によって水田を畑に変えてしまえば、再び水田に戻すのは容易ではないだろう。余るようなら家畜の飼料にも回せるはずで、安易な転作は以前から懸念していた。日本の食料自給率はカロリーベースで38%だが、主食のコメすら自給できないようなことになれば、日本人は何かあったらすぐに飢えてしまうだろう。
米国から言われるままに小麦や大豆などの農産物を輸入し、野菜まで海外産のものが増えている。自給率を上げる努力を怠ってきた政府の責任は重い。
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