« 2024年7月 | トップページ | 2024年9月 »

2024年8月

2024/08/31

健康の責任

 生きていれば人はしばしば失敗したり選択を誤ったりする。完璧な人などいないのだから、それは仕方がない。というより、人は失敗を繰り返しながら学んで成長するのだから、失敗を恐れてはならないと思う。失敗をしてしまったら、原状回復に努め、同じ過ちを繰り替えさないようにしていくしかない。

 

 物を壊してしまったなら修理したり買い替えたりすれば済むし、服を汚してしまったら洗うことでたいていの汚れは落ちる。しかし、原状回復ができない失敗もある。とりわけ、選択を間違えて健康を失ってしまったなら、状況によっては元に戻すのは容易ではないし、できないこともある。

 

 医薬品や治療方法によって健康を害したり病気を悪化させたりしてしまうことだってある。医原病などと言われているが、結構多いのではないかと思っている。明らかな医療過誤なら医師の責任が問われ賠償問題になることもあるだろうけれど、医師が良かれと思って処方した薬で病気になったとしても、医師が責任を問われることはない。

 

 コロナ騒動を通じてつくづく思うのだが、やはり自分の健康に関しては自分が責任を取らねばならない。ワクチン一つとっても、「医師が勧めたから」「厚労省が勧めたから」「周りの人たちが打つから」という理由で打つ選択をしたのなら、それは最終的には自分の健康について他人任せにしてしまったということに他ならない。

 

 もし、ワクチンで体調が悪化してしまったなら、誰もその責任を取ってくれない。ワクチンに関しては予防接種健康被害救済制度があるが、それはお金が支払われたり、障害年金を受給できるというだけで、元の体に戻してくれるわけではない。ワクチンを勧めた国に対して損害賠償訴訟を起こすこともできるが、勝ったとしても賠償金が支払われるだけだ。ワクチンを打った医師が責任を取って治療してくれるわけでもない。

 

 私がとても恐ろしいと思うのは、自分の健康に関することであっても、まるで他人事のように「皆が打つから」という理由でワクチンを打ってしまう人がいることだ。「皆が〇〇だから・・・」という思考は「皆が打つのだから、何かあっても何とかなるだろう」という安易な思考が透けてみえる。要は、危機管理意識がないのだ。自分の体は替えがきかない。薬害が生じたら、即、自分に跳ね返ってくる。コロナワクチンの薬害に苦しみ後悔している人は多いと思うが、体調不良から抜け出すためには様々な解毒を試してみるしかない。当然お金もかかる。そして、それが功を奏することもあるが、上手くいかないことだってあるだろう。

 

 これはワクチンだけの話ではない。癌の治療にしても、大半の医師は患者に標準治療(手術、放射線治療、抗がん剤)を勧め、患者も医師の勧めの通りの治療を受ける。しかし、それで本当にいいのだろうか?

 

 私は中村篤史医師のブログを読んで、癌の標準治療に大きな疑問を持った。こちらのブログの左上にある「検索」に「癌」と入力してみると様々な記事が出てくるが、これらを読めばとても標準治療を受ける気にはなれない。検診、健診も同じで、見つけなくてもいい病気を見つけて不要な治療をして健康を損ねることもある。

 

 今の時代は、健康に影響を与えるようなものが身の回りに溢れている。添加物や農薬まみれの食べ物ももちろんそうだけれど、化粧品やシャンプーなども化学物質だらけでそれらが皮膚から吸収されてしまう。Wi-Fiやスマホ、IHクッキングヒーター、電子レンジ、LEDライトなどからの電磁波にもさらされている。「皆が使っているから」という理由で何の疑問も持たずにこれらを利用しているというのは、やはり危機管理意識に欠けると思う。

 

 自分の健康の責任は自分で取るしかないし、替えが効かないということだけは常に意識していたい。

 

2024/08/30

キエグリシャチホコ

 黄褐色に褐色の斑紋があるシャチホコガで、成虫は秋に出現する。当地では9月頃になると見られる。幼虫はカエデ類やカバノキ科、トチノキなどを食べる。前翅長は21mm前後。シャチホコガ科。

P9040027

2022年9月4日 北海道十勝地方

 

2024/08/29

アシボソノボリリュウ

 朝の散歩は半袖では寒くなり、キノコが目に付く季節になった。このキノコは頭の部分(子のう盤)が奇妙な形をしていて目に留まった。あちこちに数本ずつ群生している。アシボソノボリリュウのようだ。高さは大きなもので10cmくらい。頭部は3~4cmくらい。

P8290034

P8290035

2021年8月29日 北海道十勝地方

 

2024/08/28

クロエグリシャチホコ

 暗色のスジエグリシャチホコを見たときは、クロエグリシャチホコとの違いが分からずにちょっと迷ったが、この個体を見て、クロエグリシャチホコは明らかに「黒い」と実感した。本種の翅は黒に近い黒褐色をしており、黒い外横線もよく見ないと分からない。幼虫はカエデ類やトチノキの葉を食べるそうだ。前翅長は20mmくらい。シャチホコガ科。

P7170044

2024年7月17日 北海道十勝地方

 

2024/08/27

(オオ)モクメシャチホコの繭づくり

 昨日(8月26日)、大きな蛾の幼虫を見つけた。写真を撮ってから、さてどうしよう?とちょっと迷った挙句、持ち帰った。食草にいたわけではなく、大きさからも間もなく蛹になるのだろうと判断したからだ。下の写真は上から見たところと右側および左側から見たところ。
P8260015


P8260018_20240827161701


P8260016


 

 後で気が付いたのだが、左側に何か小さな粒々が付いている。もしかして、何かに寄生されたのか? 下の写真はその拡大。
P82600162


 

 家に帰ってからプラスチック容器に入れたのだが、しきりに底を動き回っている。まず、何の幼虫なのか調べてみた。一部のシャチホコガの幼虫は尾部に2本の突起がある。しかし、シャチホコガだとしたらかなり大型の種だ。大型のシャチホコガの幼虫を調べてみて、モクメシャチホコにたどり着いた。モクメシャチホコの幼虫は側面が緑で背面がこげ茶色をしており、その堺は白い線で区切られている。しかし老熟した幼虫は赤褐色になることをこちらで知った。おそらく私の見つけた幼虫は蛹になる直前の老熟個体だろう。

 

 しかし、モクメシャチホコの他に、よく似たオオモクメシャチホコという蛾もいる。オオモクメシャチホコの幼虫はこちら。色彩はモクメシャチホコに似ているが、側面中央に白い縦条が入っている。私が見つけたものは、明瞭な白線はないものの、側面の下部に白い斑点がある。とすると、オオモクメシャチホコの老熟幼虫かもしれない。どちらもヤナギ科の植物を食べるとのことだが、確かに近くにはドロノキなどがある。

 

 さて、幼虫がしきりに動き回っているということは、繭をつくる場所を探しているのかもしれない。プラスチック容器では壁を登れないので、木片を入れてみた。すると、すぐに木片に移り、口から糸を出して体を網で覆い始めた。クスサンのつくる「すかしだわら」に似ている。
P8260042


 

 網目状のままなら中で蛹になる様子が観察できそうだが、残念ながら網目の隙間を糸で塞ぎ始めた。そして、塞ぎながら木片の屑を付けている。
P8260048


 

 翌朝に見たら、すっかり糸と木くずに覆われてしまった。木くずをつけることで、繭を頑丈に、かつ見つかりにくくしているのだろう。これでは中で蛹になる様子は見られない。
P8270053


 

 さて、モクメシャチホコの成虫は6~7月に出現するようだ。とすると、来年の初夏までこのまま蛹で過ごすということになるのだろう。ただし、飼育下ではもっと早く羽化してしまうかもしれない。以前、キアゲハの終齢幼虫を何匹か紙箱に入れておいたら蓋を押し開けて逃げ出し、まだ雪があるような時期に部屋の中でキアゲハが飛び始めたことがあった。家具の裏などで蛹になり、それが羽化したのだろう。冬の寒さにあたらないと、早く羽化してしまうのだと思う。

 

 私はモクメシャチホコもオオモクメシャチホコも見たことがないので、是非見てみたい蛾だ。もっともこの幼虫は寄生されている可能性が高く、羽化できないのではないかと思っている。とりあえず、何が出てくるのか様子を見たい。

 

 ちなみに、幼虫の尾部の2本の突起は何だろうと思っていたのだが、外敵が近づくとこの突起の先から赤いミミズのような物体を出して威嚇するという。どうやら身を護るための武器らしい。以下参照。

 

お尻の角からミミズ風の物体を出す奇怪なイモムシ=オオモクメシャチホコ

 

 

2024/08/26

スジエグリシャチホコ

 初めてスジエグリシャチホコを見たときは、かなり暗い色をしていたのでクロエグリシャチホコかもしれないとちょっと悩んだが、後にクロエグリシャチホコを見て、スジエグリシャチホコで間違いないと判断した。外横線の外側に白い点列があるのが特徴のようだが、あまり明瞭ではない個体もいるようだ。幼虫はイタヤカエデなどカエデ類を食べる。写真の個体は前翅長16mm。シャチホコガ科。

P8190009

2024年8月19日 北海道十勝地方

 

2024/08/25

ヨスジナミシャク

 昨夜、家の中にシャクガが入ってきた。捕虫網で捕えて写真を撮り調べたところ、ヨスジナミシャクだった。色彩は地味だが3色に塗り分けられたような斑紋を持つ。前翅長は16mm。シャクガ科。

P8240008

2024年8月24日 北海道十勝地方

 

2024/08/24

エグリシャチホコ

 「エグリシャチホコ」でネット検索すると、オオエグリシャチホコやエゾエグリシャチホコなどはいくつも出てくるが、エグリシャチホコの写真はとても少ない。エゾエグリシャチホコとよく似ているが、本種では外横線外側の淡色部は翅頂に向かわず前縁に向かう。また、胸部の毛塊はかなり白っぽい。幼虫はカバノキ科やヤナギ科、カツラなどを食べるとのこと。写真の個体は前翅長15mmくらい。シャチホコガ科。

P7170025

2024年7月17日 北海道十勝地方

 

2024/08/23

ハコベナミシャク

 前翅の外横線の内側は黒褐色で、外側は白い帯があり、コントラストが際立っている。フタテンツマジロナミシャクに似ているが、本種の方が外横線内側の色彩が濃い。写真の個体の前翅長は14mm。シャクガ科。

P8210034

2024年8月21日 北海道十勝地方

 

2024/08/22

トビスジコナミシャク

 黒褐色の横線の間にサーモンピンクの帯があるナミシャク。本州では分布が限られるようだ。前翅長は11~15mm。シャクガ科。

P8210032

2024年8月21日 北海道十勝地方

 

2024/08/21

アヤトガリバ

 今日はとても美しい斑紋を持つアヤトガリバに出会った。灰白色の地色に白線で囲まれた三角形の褐色部があり、褐色部には波型の模様がある。何とも不思議な雰囲気の蛾だ。写真の個体は前翅長18mm。カギバガ科。

P8210011

2024年8月21日 北海道十勝地方

 

2024/08/20

ウストビモンナミシャク

 前翅は淡褐色の地に白色の横線を持ち、翅頂に濃褐色の斑紋があるナミシャク。止まっているときは、たいてい頭を下にして腹部を上にそり返らせている。幼虫の食餌󠄀植物はブドウ科の植物など。前翅長は18~21mm。シャクガ科。

P7300051

2024年7月30日 北海道十勝地方

 

2024/08/19

キマダラオオナミシャク

 大きめのシャクガがササ原の中に飛び込んだので追っていくと、キマダラオオナミシャクだった。オレンジ色を基調とした特徴的な斑紋を持つナミシャク。残念ながら翅を開いて止まってくれない。幼虫はマタタビ科やアジサイ科の植物を食べるとのこと。当地だと、ミヤママタタビかツルアジサイを食べるのだろう。前翅長は25~30mm。シャクガ科。

P8190003

P8190004

2024年8月19日 北海道十勝地方

 

2024/08/18

モントビヒメシャク

 モントビヒメシャク、クロテンシロヒメシャク、タカオシロヒメシャクの3種はよく似ていて、外観での区別は難しいらしい。ちょっと悩んだのだが、褐色を帯びた色彩からモントビヒメシャクとした。ただし、あまり自信はない。前翅長12mm。シャクガ科。

P8170025

2024年8月17日 北海道十勝地方

 

2024/08/17

フタシロスジナミシャク

 翅を開いて止まってくれなかったフタシロスジナミシャク。チョウと言われても全く違和感がない止まり方や斑紋。花にも来るようだ。シャクガにはときどきこのような種がいる。幼虫の食草はヤエムグラなどのアカネ科の植物。前翅長は12mm前後。シャクガ科。

P8140022

2024年8月14日 北海道十勝地方

 

2024/08/16

コベニスジヒメシャク

 フトベニスジヒメシャクやウスベニスジヒメシャクに似るが、外縁のラインが明瞭で、縁毛が淡い紅色をしている。幼虫はイヌタデなどタデ科の植物を食べる。写真の個体は前翅長11mm。シャクガ科。

P8140012

雄 2024年8月14日 北海道十勝地方

 

2024/08/15

ナガコガネグモ

 庭のカボチャの葉裏にナガコガネグモが網を張っていた。北海道で見られるコガネグモの仲間(Argiope属)はこの一種だけ。成体は夏の終わりから秋にかけて見られる。このクモが見られるようになると、夏もそろそろ終わり。雄は雌よりずっと小さく地味な色をしている。体長は雌が20~25mm、雄が6~10mm。コガネグモ科。

P8150030

雌 2024年8月15日 北海道十勝地方

 

P8260008

雄 2021年8月26日 北海道十勝地方

2024/08/14

ホシナカグロモクメシャチホコ

 前から見たいと思っていた蛾に出会うとちょっと嬉しくなるが、本種もその一つで、今年初めて見ることができた。白黒のコントラストがはっきりした美しい蛾。ただ、ちょっと擦れた個体だったので、今度は新鮮な個体に出会いたい。幼虫はシラカンバやダケカンバなどカバノキ科の植物を食べるとのこと。この白と黒の色彩はカンバの幹では隠蔽色になるのだと思う。前翅長は19mm前後。シャチホコガ科。

P7090019

2024年7月9日 北海道十勝地方

 

2024/08/13

レプリコンワクチンを打ってはいけない理由

 ミラノ在住の免疫学者であり分子生物学者でもある荒川央博士は、日本でコロナワクチン(実際にはワクチンではない)の接種が始まった直後の2021年6月から、このワクチンの危険性についてブログで解説されている。

 

 私はコロナ騒動の当初の頃はともかく、2021年にはすでにこの騒動自体がおかしいと感じていたし、ワクチンについても怪しいと思っていたので打たなかったが、荒川さんのブログを読んで「打ってはいけない」と確信した。

 

 荒川さんは、ブログを書き始めた当初から一貫して危険性について具体的に指摘し、打たないように注意喚起されてきたし、もし打ってしまったとしてもそれ以上は打たないようにと訴えていた。特定の研究者の主張をまるごと信じてしまうのは不適切であり、あくまでもその主張が正しいかどうかで物事を判断しなければならないが、主張に揺らぎがなく、常に科学的側面から的確な説明をされている荒川さんについては、非常に誠実な方だとすっと感じていた。そして、彼が主張してきた懸念のほとんどは現実のものとなっている。

 

 その荒川さんが、日本で10月から接種予定の「レプリコンワクチン」の危険性について3回にわたって解説されている。

 

 レプリコンワクチンとは自己増殖型mRNAワクチンであり、細胞内で自己増殖するだけではく配列が変化していく「殻のないウイルス」のようなワクチンであり、既存のmRNAワクチンよりさらに危険なものだ。そして、私たち日本人は、このような危険性が高いものであることを何も知らされずに打たされようとしている。実験動物にされると言っても過言ではない。しかも、打った本人だけではなく、打っていない人たちにまで伝播(シェディング)によって接種した状態になる可能性がある。

 

 そして、接種の際にレプリコンワクチンであることも知らされない可能性が高い。荒川さんの記事を読んで、レプリコンの危険性について認識してほしい。また、周りの人にも決して打たないよう伝えてほしい。難しい部分は理解できなくても、どんな問題があるのかよく分かるように説明されている。

 

【前編】 レプリコンワクチン(自己増殖型mRNAワクチン)が危険な理由

 

【中編】 レプリコンワクチン(自己増殖型mRNAワクチン)が危険な理由

 

【後編】 レプリコンワクチン(自己増殖型mRNAワクチン)が危険な理由

 

 

 

2024/08/12

キマダラトガリバ

 似たような斑紋のモントガリバは比較的よく見るのだが、キマダラトガリバは今年初めて見た。モントガリバより一回り大きいが、ピンクの斑紋は小さい。幼虫はオオカメノキを食べるとのこと。当地でもオオカメノキはあるが、あまり多くはない。前翅長は20mmくらい。カギバガ科。

P7310024

2024年7月31日 北海道十勝地方

 

2024/08/11

キオビカバスジナミシャク

 自宅の壁にきたキオビカバスジナミシャク。シャクガとは思えないほど小さなナミシャクで、こげ茶色と褐色の帯がある。幼虫はアソシノブゴケ(トヤマシノブゴケ)を食べるそうだ。前翅長は7~8mmくらい。シャクガ科。

P8100027

2024年8月10日 北海道十勝地方

 

2024/08/10

ニワオニグモ

 庭にニワオニグモの雄がいた。自宅の庭で見たのは初めて。色彩に多少の変異があるが、オレンジ色に白い斑紋が入る美しいクモ。ヨーロッパでは庭などに普通に生息しているそうだが、北海道では安定的な生息地は標高700~800m以上の山地。それ以下の場所で見られることもあるが、定着はできないようだ。私の居住地も安定的な生息地ではない。体長は雌が15mm前後、雄が10mm前後。コガネグモ科。

P8100008

2024年8月10日 北海道十勝地方

 

2024/08/09

オオハガタナミシャク

 ハガタナミシャクの仲間は似たものが多くて同定が難しい。「オオ」と付くが、ハガタナミシャクよりも小さい。オオハガタナミシャクはネットの画僧を見ると色彩・斑紋は変異があるようだ。外横線が中央部で大きく曲がっていないことと、前翅長からオオハガタナミシャクとした。幼虫はヤマブドウなどブドウ科の植物を食べる。前翅長15mm。シャクガ科。

P8090032

2024年8月9日 北海道十勝地方

 

2024/08/08

セジロナミシャク

 淡い褐色の地に褐色で縁どられた白い紋が帯状に並ぶナミシャク。幼虫はサクラ類を食べるとのこと。前翅長は12mmくらい。シャクガ科。

P8060003

2024年8月6日 北海道十勝地方

 

2024/08/07

変人?それとも不審者?

 東京に住んでいた若い頃、よく多摩川に野鳥を見にでかけた。長靴を履き、首から双眼鏡をぶら下げ三脚につけた望遠鏡をかついで河川敷を歩いていると、いつも河原に鎮座しているのが釣り師。話しかけられると面倒なのでなるべく近寄らずに通り過ぎるのだけれど、たまに声をかけられることがあった。

 

釣り師 「写真を撮っているの?」
私   「いいえ、野鳥を見ています」
釣り師 「えっ? 見るだけ?」
私   「はい。見るだけです」
釣り師 「見るだけで何が楽しいのかね・・・」

 

 たいていこんな会話になる。彼らからすれば、野鳥を見るだけの趣味など理解できないらしい。きっと「変人」だと思っているのだろう。しかし、私からしたら、下水も流れ込んでいる汚い多摩川で釣った魚などとても食べられないし、そんな魚を釣って何が楽しいのだろう?と思う。しかも、釣り師は多少天気が悪くてもいつもいる。私から見たらかなりの変人だ。まあ、お互いに「変人」だという認識なので、近寄らずにそれぞれの趣味を楽しむのが一番いい。

 

 学生の頃はキャンパスにいろいろな野鳥がいて、私は必ず双眼鏡を持ち歩いていた。ある日、建物の前の植え込みに入り込んだ野鳥を双眼鏡で見ていたら守衛さんに呼び止められた。嫌な予感がよぎる。守衛さんは「何見てるんですか?」と尋問してくる。「野鳥を観察してるんです」と説明しても、不審な眼を向けてくる。どうやら建物の中を双眼鏡でのぞき込んでいると勘違いしたらしい。いやはや、野鳥観察も守衛に見つからないようにしなければならないとうんざりした。

 

 今はバードウォッチングもポピュラーな趣味になったし、双眼鏡や望遠鏡や望遠レンズのついたカメラを持って歩いていても何とも思われないのだろうけれど、4、50年前はこんな感じだった。

 

 最近は野鳥を見るよりも昆虫やクモを探して写真を撮ることが増えた。虫の観察は絶対に一人がいい。連れがいるとペースが全く合わない。写真を撮りはじめるとしばらくそこから動かないこともあるからだ。それになるべく通行人が少ないに越したことはない。道端にしゃがみ込んだり、建物の壁に向かってカメラを向けていたり、公衆トイレの周りをうろうろしたり・・・恐らく知らない人が見たら、不審者にしか見えないだろうと自分でも思う。声をかけられると面倒なので、なるべく人には近づかないようにしている。

 

 捕虫網を持っているなら昆虫愛好家か昆虫研究者だとすぐ分かるだろう。しかし、網も持たず、小型のデジカメしか持っていなければ、虫嫌いの人にとっては変人か不審者でしかない。

 

 なら、捕虫網を持っていればいいかと言うとそうでもない。たまにスウィーピングでもしようかと捕虫網を持って歩いていると、通りがかった人から奇異な目を向けられる。そりゃあそうだろう。何しろ、子どもの虫捕りではないし、昆虫マニアっぽくもないし、研究者風でもない高齢のおばさんなのだから。奇異な目で見られるだけで声をかけられなければまだいいのだが、たまに声をかけてくる人がいる。

 

通行人 「何を捕っているんですか?」
私   「クモです」
通行人 「へえ、クモを捕っている人なんで初めて見ました。珍しいクモとかいるんですか?」

 

 挙句の果て、あたりを見回して「ここにクモがいますよ」と親切に教えてくれる人までいる。大抵はどこにでもいる普通種なのだけれど、「ああ、どうも。これは〇〇グモです」と教えてあげることになる。ペースが乱されて実に面倒くさい。

 

 世の中にはごく一握りの虫好きの人がいるけれど、それ以外の人はたいてい虫は嫌いか興味がないかのどちらか。虫を探して写真を撮っているというだけで、きっと変わり者だという認識に違いない。

 

 そんなわけで、散歩はできるだけ人が少ないところをマイペースで歩くのがベスト。人目は気にしないようにしているけれど、こちらが気にしなくても、相手はきっと変人だと思っているだろうし、場合によっては不審者だと思われているのかもしれない。まあ、そんなことを気にしていたらこの趣味は楽しめない。

 

2024/08/06

クロホシフタオ

 前翅を真横に広げ後翅は折りたたむようにひだを寄せて止まるので、前翅と後翅の間が開いた独特の姿をしている。後翅には二つの尾状突起がある。幼虫はスイカズラ科の植物を食べる。前翅長は14mmくらい。ツバメガ科。

P8060015

2024年8月6日 北海道十勝地方

 

ヒメハガタナミシャク

 ヒメハガタナミシャクは日本では北海道にのみ分布する寒地性の蛾。この仲間は似ているものが多くて同定が難しい。前翅長は約12mm。シャクガ科。

P8150004

2021年8月15日 北海道十勝地方

2024/08/05

ミヤマナミシャク

 白い地にこげ茶色の内横線と外横線が目立つ清楚な印象のシャクガ。内横線の内側と外横線の外側に沿って褐色の帯がある。また基部と内横線の間、外横線と外縁の間にそれぞれ2本の淡褐色の帯がある。前翅長は14mm前後。シャクガ科。

P7310160

2024年7月31日 北海道十勝地方

 

2024/08/04

クロフキエダシャク

 前後翅ともに黄色い地色に黒いまだら模様がある独特の斑紋のエダシャク。前翅長は10~12mm。シャクガ科。

P8020003

2024年8月2日 北海道十勝地方

 

2024/08/03

ヒメシカシラミバエ

 散歩から帰った夫に小さな虫がついていた。写真を撮って拡大してみるとハエの仲間であり、形態からシラミバエだと分かった。よく野鳥についているシラミバエと比べるとかなり小さくて体長は約3mm。長くて薄い翅がある。シカに寄生するヒメシカシラミバエだ。大きなエゾシカにこんな小さなシラミバエがつくというのはちょっと不思議だ。シカと間違えて取りついてしまったのだろうか。寄主のシカに取りつくと翅を自切するらしい。ハエ目シラミバエ科。

P7300089

2024年7月30日 北海道十勝地方

 

2024/08/02

ヒメギス

 触角が長くてキリギリスの仲間であることはすぐ分かったのだが、全体的に体が黒っぽくてハネナガキリギリスではない。はて、何だろう? ちょっと悩んだあげく、ヒメギスの長翅型だと気づいた。背中の部分は緑色だが、翅も体も黒褐色をしている。翅が長いと短翅型とは別種のように見える。バッタ目キリギリス科。

P8010034

2024年8月1日 北海道十勝地方

 

« 2024年7月 | トップページ | 2024年9月 »

フォト

twitter

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ