ヒョウモンチョウに寄生したヤドリバエ
6月18日のこと、ヒョウモンチョウと思われるチョウの蛹を見つけた。つついてみると、ピクピクとよく動く。子どもの頃からチョウの蛹を見つけると持ち帰るのが好きだった私は、「まあ、このあたりでよく見かけるヒョウモンチョウが出てくるのだろう」と思いつつも持ち帰ってみた。いい歳をして、子どものようなことをやっている。
ぶら下がっているタイプの蛹はぶら下げておかないとうまく羽化できないので、プラスチック容器の蓋に接着剤で止めてぶら下げておいた。ところが、持ち帰って1、2日経ったら蛹を触っても動かなくなってしまった。何か嫌な予感。
23日の朝に容器を見ると、10mmくらいの蛆虫が容器の中をうごめいている。やはり寄生されていた。蛹が動かなくなった時点で、チョウは死んでしまったのだろう。幼虫が容器の中をしきりに動き回っているので、これは土に潜って蛹になるタイプではないかと思い、容器の底に浅く土を入れてみると、すぐに潜ってしまった。
そして7月5日の朝、大きなハエが羽化していた。大きさは12mmほど。種名は分からないががヤドリバエのようだ。
子どもの頃にアゲハチョウの幼虫をよく飼育した。蛹からチョウが羽化するのを楽しみにしていたら、ある日、飼育容器の中をハチがブンブンが飛び回っていてびっくりしたことがある。その時にチョウにハチが寄生することがよくあるのだと知った。宿主のチョウは気の毒だが、自然の摂理なので仕方ない。寄生をするハチやハエも、自分の子孫が生き残れるように必死なのだろう。
こちらは羽化に失敗したヒョウモンチョウ。蛹になる場所が悪かったのだろう。まだ生きていたが、蛹から抜け出ることができてももう翅は伸びないので飛ぶことはできない。当たりまえだけれど、野鳥などに食べられず、寄生もされず、羽化にも失敗せずに無事に成虫になり優雅に飛び回るチョウは、ごく一部にすぎない。
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