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2024年6月

2024/06/30

ウンモンスズメ

 今日は、以前から見たいと思っていたウンモンスズメを見ることができた。前翅は緑色の濃淡の模様があり、とても魅力的なスズメガ。止まっていると見えないが、後翅はピンクがかっている。幼虫はニレ科のケヤキやハルニレなどを食べるとのこと。北海道にはケヤキは分布しておらず、当地はハルニレもそれほど多くないので生息数はあまり多くないのかもしれない。前翅長は34mm前後。スズメガ科。

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2024年6月30日 北海道十勝地方

 

2024/06/29

スモモエダシャク

 オレンジ色の地に細かい黒線が入った綺麗だが不思議な斑紋のシャクガ。雄の翅の地色はオレンジ色で、雌は淡黄色とのこと。写真のような斑紋のほかに、前後翅の基部と外縁部が黒褐色になっているタイプがあり、色彩、斑紋には大きな変異がある。幼虫は広食性で、ブナ科やカバノキ科、バラ科、クルミ科、マツ科などさまざまな植物を食べる。前翅長は21~28mm。シャクガ科。

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雄 2024年6月29日 北海道十勝地方

 

2024/06/28

オオバコヤガ

 斑紋があまり明瞭ではなく、種名を調べるのに少し手間取ってしまったオオバコヤガ。色彩は淡褐色から褐色までかなり変異があるようだ。幼虫はタデ科やイラクサ科の植物を食べる。前翅長は20mm前後。ヤガ科。

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2024年6月27日 北海道十勝地方

 

2024/06/27

キンオビナミシャク

 前翅の基部と中央に白く縁どられた黒褐色の帯があり、中央の帯は途中で切れている。色彩変異があり、前翅の地色は白っぽいものから金色まであるようだ。今度は金色のものを見てみたい。前翅長は17mmくらい。シャクガ科。

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2024年6月27日 北海道十勝地方

 

 

【6月28日追記】
 昨日「金色のものを見てみたい」と書いたばかりだが、今日は金色のものがいた。

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2024年6月28日 北海道十勝地方

 

2024/06/26

マダラウワバの一種

 初めて見る蛾だったが、特徴的な斑紋なのですぐに種名が分かるだろうと楽観していた。ところが、家に帰って調べてみるとオオマダラウワバ、エゾマダラウワバ、ミヤママダラウワバというそっくりさんがいて頭を悩ませる。写真と図鑑、ネット上の写真などを矯めつ眇めつしたが、外見だけでは同定ができそうにない。ということで、マダラウワバ(キンウワバ亜科マダラウワバ族)の一種としておく。ヤガ科。

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2024年6月26日 北海道十勝地方

 

2024/06/25

ボカシミジングモ

 全身がほぼ真っ黒の小さなクモで、アリを専門に捕食する。クモの体の何倍もある大きなアリを吊り上げて捕食しているところを見かけることが多い。今日見かけたものは人工物に網を張っていた。体長は4mm前後。ヒメグモ科。

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2024年6月25日 北海道十勝地方

 

2024/06/23

シロオビヒメヒカゲ

 シロオビヒメヒカゲをよく見る季節になった。日本では北海道のみに分布するジャノメチョウで、道東に分布する北海道東部亜種と定山渓周辺に分布する定山渓亜種に分かれている。北海道東部亜種は翅の裏面の白帯が太くて明瞭。食草はヒメノガリヤス、ヒカゲスゲ、ウシノケグサ、カモガヤなどイネ科植物で、道東では6月~7月に草地で普通に見られる。タテハチョウ科。

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2019年6月24日 北海道十勝地方

 

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2022年6月21日 北海道十勝地方

 

2024/06/22

カギツマスジキバガ

 くっきりとした白黒模様のミクロレピが目に留まった。近づいてよく見ると、前翅の先端が鉤状になって突き出ている。家に帰って調べたところ、カギツマスジキバガだと分かった。幼虫はカバノキ科の樹木の葉を食べる、前翅長7mm。キバガ科。

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2024年6月22日 北海道十勝地方

 

2024/06/19

クマダギンナガゴミグモ

 ゴミグモの仲間には腹部が銀色で黒い斑紋がある種が何種類かおり、北海道にはクマダギンナガゴミグモとオオクマギンメッキゴミグモ生息している。クマダギンナガゴミグモは腹部が長めで普通に見られるが、オオクマギンメッキゴミグモは少ない。垂直円網の中央に頭を上にして止まる。体長は7mm前後。コガネグモ科。

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雌 2024年6月18日 北海道十勝地方

 

2024/06/18

ワカバグモの交接

 今日はワカバグモの交接(交尾)を見ることができたので、その様子を紹介したい。クモの雄は触肢に精子を吸い取って持ち歩き、雌の腹部下面にある外雌器と呼ばれる生殖器に挿入して交接をする。このために、雄の触肢の先端は複雑な形態をしている。

 

橋の欄干にワカバグモの雌雄がいるのを見つけた(10:25)。右が雌で左が雄。雄は雌の後方から近づき、第1・2脚を雌に接触させている。雌の腹部の上に丸く見えているのが雄の触肢。雌に食べられないように後ろから接近するのだろう。
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しばらくすると、雄がすごい速さで雌の前に向き合うように移動し(10:27)、あっという間に欄干から落ちた。
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2頭のクモは欄干からぶら下がり、交接の態勢に入った(10:27)。雌雄が向き合い、雄は第3脚で雌の第3脚と第4脚を抱え込み、第4脚で雌の腹部後端を押さえている。糸にぶら下がったまま交接をするのが普通なのかどうかは分からないが、向き合ったと思ったら目にも止まらないような速さで落下したので、この態勢が一般的なのかもしれない。ぶら下がった態勢は、雌に捕食されるのを防いでいるようにも見える。
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雄の触肢の動きは陰になってよく分からない。雌はじっとしていてほとんど動かない(10:28)P6180010


 

すると、風が吹いてきて2頭のクモがクルクルとすごい勢いで回転し、揺れた反動で欄干の錆びた柱に触れると雌はそこに前脚をかけて静止した。雄は右(向かって左側)の触肢を外雌器に挿入しているように見える(10:30)。

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交接を終えて2頭が離れたのが10:32頃。交接の時間はおよそ5分くらいだった。

 

2024/06/17

オオキマダラヒメガガンボ

 以前はガガンボに興味を持ったことはなかったのだが、小さな生き物の写真を撮り始めたら、ガガンボも気になるようになった。ハンゴンソウの葉の上に止まっていたガガンボが目に入り近づいて良く見ると、翅にとても特徴的な斑紋があり、オオキマダラヒメガガンボだと分かった。体長は12mmくらい。ハエ目ガガンボ科。

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2024年6月17日 北海道十勝地方

 

2024/06/16

ヤナギドクガ?

 純白のドクガだが、脚は白黒のまだら模様で可愛らしい。ブチヒゲヤナギドクガというそっくりさんがいる。ヤナギドクガは触角の柄の背面が純白で、ブチヒゲヤナギドクガは白黒のまだら模様(ただし稀に純白)とのことだが、写真だけでは区別ができない。ヤナギドクガ?としたが、ブチヒゲヤナギドクガの可能性もある。前翅長は25mm前後。ドクガ科。

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2022年7月27日 北海道十勝地方

 

2024/06/14

ツマモンヒゲナガ?

 ツマモンヒゲナガはワカヤマヒゲナガと斑紋がよく似ている。雌ではワカヤマヒゲナガは触角の基部が太くなるので区別できるが、雄の場合は外見だけでは区別は難しいようだ。写真の個体は雄なのでワカヤマヒゲナガの可能性もある。前翅長は正確に測っていないが、10mm以下。ヒゲナガガ科。

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2022年6月21日 北海道十勝地方

 

2024/06/13

ウスベニヒゲナガ

 今頃の季節になると、驚くほど長い触角を持った小さな蛾に出会うことがある。ヒゲナガガの仲間だ。黄色い亜外縁斑が放射状になっていることから本種と同定した。写真の個体はコンロンソウで吸蜜する雄。雌の触角は雄ほど長くない。前翅長は9mm前後。ヒゲナガガ科。

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2021年6月8日 北海度十勝地方

 

2024/06/11

エルモンドクガ

 純白のドクガだが、よく見るとうっすらと青みがかっていてとても美しい。前翅にはL字型をした黒紋がある。白と黒のまだら模様をした脚も可愛らしい。幼虫はハルニレ、シナノキ、シラカンバなどを食べる。前翅長は25mm前後。ドクガ科。

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2023年7月22日 北海道十勝地方

 

2024/06/10

シロオビヒメエダシャク

 くっきりとした白黒模様の可愛らしい蛾が落葉に止まっているのを見つけた。シロオビヒメエダシャクというシャクガの仲間だ。北海道に生息する亜種は一般にやや小型で黒斑が小さいそうだが、個体変異も大きいようで一概には言えないようだ。写真の個体は前翅長約14mm。シャクガ科。

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2024年6月8日 北海道十勝地方

 

2024/06/09

カギモンヤガ

 林床のフッキソウに止まっていたカギモンヤガ。春に出現する蛾で、擦れて斑紋が不明瞭になっているが、前翅に鍵状の独特の斑紋がある。写真の個体は触角が両櫛歯状なので雄。前翅長18mm。ヤガ科。

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2024年6月7日 北海道十勝地方

 

2024/06/08

ゴマダラモモブトカミキリ

 上翅は灰色で全体にゴマダラ状の黒点がある小型のカミキリムシ。モモブトの名の通り、歩脚の腿節は膨らんでいる。寄主植物は各種広葉樹のほか、カラマツやモミ類。写真の個体は体長7.5mm。カミキリムシ科。

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2024年6月7日 北海道十勝地方

 

2024/06/06

エゾハルゼミ

 エゾハルゼミは、春の終わりから初夏にかけて、ミョーキンミョーキンケケケケケ・・・と独特な声で鳴くセミだ。私の居住地では以前は6月くらいから鳴き始めていたと思うのだが、近年は5月中下旬に鳴き声を聞くようになった。温暖化の影響だろうか。暖かい日に散歩に行くと、森の中はエゾハルゼミの声が響き渡っていてやかましい。ただし、気温が下がるとピタリと鳴かなくなる。
 北海道は平地から山地にかけて普通に生息しているが、本州以南では山地に生息するという。カメムシ目セミ科。

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雌 2021年6月14日 北海道十勝地方

 

2024/06/05

知床に携帯基地局はいらない

 2022年4月の観光船カズワンの事故を受けて、知床半島に携帯基地局を建設する事業が進められている。知床半島は原生的自然が残されている数少ない場所で、世界自然遺産にもなっている。半島の中ほどから先端部にかけては道もなく、人も住んでいない。このようなところに携帯基地局を建設する意味が分からない。

 

 2024年5月16日付の北海道新聞の記事によると、「国土交通省はカズワン事故後、小型旅客船に義務付ける通信手段を無線や衛星電話とし、携帯電話は除外している」としている。実際にカズワンでは無線が故障していて連絡が取れない状態になっていた。無線や衛星電話が使えるのなら、携帯電話は必要ない。

 

 携帯電話基地局は電源が必要だが、知床半島の先端部では太陽光パネル264枚を並べて電源を確保する計画だという。太陽光パネルによる自然破壊は日本全国で大きな問題になっている。無線や衛星電話で対応できるにも関わらず、大規模な自然破壊をし、税金を投入して携帯基地局を建設する必要性があるとは到底思えない。

 

 しかも、太陽光パネルは火災になっても発電を続けるために、火災が発生した場合は大規模な山火事に発展しかねない。そんな危険なものを道路もない場所に建設し、もし火災が発生したら知床の原生的自然に大きなダメージを与えるばかりか、消火活動もままならないだろう。

 

 国は、何かというと「人命」を持ち出すが、「人命」を持ち出せば自然破壊も許されるという考え自体が傲慢だ。カズワンの事故は、荒天が予想され注意喚起があったにも関わらず出航したこと、無線が故障していたことの他、船のハッチの蓋の不具合が原因で浸水して沈没した可能性が指摘されている。判断の甘さと船の整備不良の問題であり、携帯電話が繋がらないという以前の問題だ。そのようなことを改善すればいいだけの話が、なぜ携帯電話基地局の建設にまでなってしまうのか?

 

 この計画に当たっては、日本自然保護協会、北海道自然保護協会などの自然保護団体が反対を表明しているが、地元の斜里町も先端部の工事は当面見合わせるように国に求める方針だという。

 

 太陽光パネルに関しては、建設予定地近くにオジロワシが営巣している可能性があるとして現在は着工を見合わせているとのことだが、太陽光パネルはもちろんのこと、この事業そのものを中止すべきだと思う。

 

2024/06/04

サルゾウムシの一種

 今日は「虫の日」。虫の写真を撮りながら常々思うのは、昆虫の世界は実に奥深いということ。もちろん昆虫に限らず、生物の世界はみな奥深いし分からないことがいっぱい。そして、昆虫たちは実に愛らしく美しい。ほんの数ミリの小さな虫も、アップしてみると素晴らしい自然の造形だと思わずにいられない。愚かな人間によって、この神秘的で美しい生き物たちが滅びることがないように願うばかりだ。

 

 ということで、今日は種名は分からないものの小さなゾウムシを紹介したい。体長2.5mmほどのごく小さなゾウムシだが、拡大して見るとちゃんと長い口吻がある。体は黒っぽいが、上翅は赤褐色で、脚も褐色を帯びている。サルゾウムシの一種だと思う。

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2024年5月26日 北海道十勝地方

 

2024/06/03

アオグロカミキリモドキ

 一見してカミキリではないしハムシでもない。一体何の仲間なのだろう?と調べていて辿りついたのがカミキリモドキ。アオグロというように、上翅は黒ではなく青みがかった色をしている。また、上翅は光沢がなく、4本の縦隆条がある。写真の個体は体長7mm。カミキリモドキ科。

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2024年5月31日 北海道十勝地方

 

2024/06/02

ヤナギルリハムシ

 ドロノキの近くの橋の欄干にいたヤナギルリハムシ。光沢のある青藍色をしており、丸っこくて可愛らしい。普通種のようだが初めて見た。ヤナギ類を食べる。体長は4mm。ハムシ科。

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2024年5月28日 北海道十勝地方

 

2024/06/01

クロマルエンマコガネ

 目の前を飛び回っている昆虫を目で追っていると、足元の地面に降りた。黒い小さな甲虫で、外見から糞虫だと察しが付いたが、見たことがないものだった。帰宅して調べ、クロマルエンマコガネと判明。雄の前胸背板は独特の形をしている。写真の個体は体長8mm。コガネムシ科。

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2024年5月26日 北海道十勝地方

 

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