人間活動による地球温暖化の何が問題なのか
何度も書いているが、私は世界経済フォーラムの提唱するグレートリセットによって人口削減が実行されていると考えている。なぜ彼らが人口を減らしたいのかといえば、このまま人口が増加し続けたら地球温暖化をはじめとする環境問題、食料危機、エネルギー危機に対処できないからだと考えている。
しかし、X(Twitter)を見ていると、地球温暖化は詐欺だとか、二酸化炭素はまだまだ増えても大丈夫とか、温暖化しても問題ないなどという意見が絶えない。今起きている人間活動による地球温暖化の何が問題なのかを十分に理解していないために、このような意見になるのではないかと思うようになった。そこで、今起きている人間活動による地球温暖化がなぜ問題視されているのか説明しておきたい。
地球は過去に少なくとも3回、全球凍結したとされている。
「カンブリア爆発」前夜の全球凍結、生物への影響を明らかに 東北大など
私は、全球凍結のことは田近英一氏の「凍った地球」(新潮選書)を読んで知った。上記の記事にもあるように、このような大規模な地球環境の変動は火山活動による二酸化炭素濃度が原因だと考えられている。地球温暖化の主たる原因は二酸化炭素の増加であることは間違いないだろう。
もちろん過去には今より温暖な時代があったのも間違いない。しかし、だからといって今の温暖化は問題ないということにはならない。今の温暖化の最大の問題は、二酸化炭素の放出速度の違いだ。以前にも書いたが、人類活動による二酸化炭素の放出速度は火山活動による放出速度の約300倍と言われている。その結果、急激な温暖化が生じているのだ。
「凍った地球」の最後(191ページ)でそのことに触れられている。例えば気温の上昇によって土壌中に蓄積されている有機物の微生物による酸化分解が促進され、大量の二酸化炭素が大気中に放出されるかもしれない。永久凍土が解けることで大量のメタンハイドレートが分解するかもしれないし、海水温の上昇によって海底のメタンハイドレートの分解が生じるかもしれない。また、温暖化によって南極やグリーンランド氷床の大規模な崩壊が起きるかもしれない。地球史を振り返ると、大規模な氷床の崩壊とそれによる海面上昇は突然かつ急激に生じたことが知られているという。
また、川崎健氏は「イワシと気候変動」(岩波新書)で、温暖化によって海洋の熱塩循環が閉鎖され、地球の気候が暴走する恐れがあると指摘している。いわゆる臨界点(ティッピング・ポイント)に達してしまうと、気候が暴走する懸念があるし、その結果何が起きるのか予測は困難だ。今起きている人為的温暖化で懸念されるのはそういうことだ。
私は北海道の地方の町に住んでいるが、ここ40年ほどの間に明らかに温暖化している。かつてはマイナス25度以下になる日が一冬に何度もあったが、今ではほとんどなくなってしまった。冬の最低気温は明らかに上昇している。また、夏も蒸し暑い日が多くなり、ずいぶん変わってしまったと肌で感じる。エアコンなどつけている家はほとんどないので室外機からの暖気は関係ないし、ヒートアイランド現象も関係がない。ほんの数十年でこれだけ温暖化するというのはかなりの速度だと思う。
昨今は毎年のように異常気象が話題になっているが、このような異常気象は農作物に大きな影響を及ぼすことがある。海水温の上昇も魚などの海洋生物に影響を及ぼし、人々の食料供給にも関わってくる。台風の大型化も集中豪雨も災害を引き起こす。臨界点を越えて気候が暴走すれば、さらに何が起きるのか分からない。
今は氷期の中の間氷期だが、次の寒冷期がくるとしても何千年も先のことになる。したがって、何の手も打たずこのまま温暖化が続けば、人類への影響は計り知れないのではないかと懸念している。もちろん、予想している最悪の状況にはならないかもしれないが、何が起きるのかは誰にも分からない。地球温暖化を軽視するのはとても危険だと私は考えている。
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