ウロコアシナガグモ
アシナガグモ科アシナガグモ属。雌は体長4~6mm、雄は3~5mm。
黄緑色にキラキラと輝く美しいクモにエゾアシナガクモがいる。北海道では普通に見られるクモだ。そしてエゾアシナガグモによく似た種にウロコアシナガグモがいる。雌は非常によく似ていて両種の区別は難しいが、雄では識別は容易だ。エゾアシナガグモの雄は腹部全体が黄緑色をしているのに対し、ウロコアシナガグモの雄は腹部背面に赤褐色の斑紋がある。上顎もエゾアシナガグモの方が大きい。
私はこれまで北海道ではエゾアシナガグモしか見たことがなかった。過去の記録(私以外の)にはウロコアシナガグモもあるのだが、それは誤同定ではないかと疑っている。これについては以前「エゾアシナガグモと誤同定」という記事に書いた。ところが、昨年の10月15日に散歩中に何とウロコアシナガグモの雄を見つけて仰天した。
エゾアシナガグモは北海道では6~8月に成熟する。越冬は幼体であり、秋になると幼体はいても成体を見ることはなくなる。本州でウロコアシナガグモの成体が見られるのは春から夏である。私は東京で8月25日に雄を採集したことがあるので、秋のはじめくらいまでは雄成体が生きていてもおかしくないだろう。しかし北海道で10月15日にウロコアシナガグモの雄成体がいるというのがちょっと信じられない。このウロコアシナガグモの雄は北海道で生まれ育ったとはとても思えない。いったいどこからどうやって来たのだろう? バルーニングで南から飛んできたのかもしれないけれど、不思議な出会いだった。
雄 2022年10月15日 北海道十勝地方
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