エゾトタテグモ
昆虫の紹介を少し休んで、今日からクモを紹介していきたい。
エゾトタテグモはカネコトタテグモ科のクモで日本(北海道)固有種。原始的なクモで、地面に管状の住居を掘って潜み、穴の近くを通りかかった昆虫などを捕らえる。平地から山地(ハイマツ帯)まで広く分布する。
私が北海道に来たころはエゾトタテグモの情報がとても少なかったのだが、阿寒湖畔の崖地で住居が発見されたという報告があった。同じカネコトタテグモ科のカネコトタテグモも崖地に住居を掘っていることが多いので、崖地を探せば見つかるのではないかと思っていた。ところが、崖地で目を凝らして住居を探しても見つからない。後に、崖地より林床などに住居を掘ることが分かった。
雄は夜によく徘徊するようで、6月から9月にかけて地表性昆虫を捕えるピットフォールトラップにしばしば落下する。夜行性のために姿を見ることはあまりないが、個体数は少なくない。写真の個体は夜に道路を徘徊していた雄。体長は雌が12~18mm、雄が10~15mmほど。
2014年8月21日 北海道十勝地方
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