コケヒメグモ
腹部の斑紋はムネグロヒメグモに似るが、中央の斑紋は赤味を交えた灰白色をしている。樹木の幹や枝葉のほか、石垣や看板などの人工物にも造網する。体長は雌が3.2~4.5mm、雄が3~4mm。
雌 2021年6月11日 北海道十勝地方
雄 2021年7月3日 北海道十勝地方
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腹部の斑紋はムネグロヒメグモに似るが、中央の斑紋は赤味を交えた灰白色をしている。樹木の幹や枝葉のほか、石垣や看板などの人工物にも造網する。体長は雌が3.2~4.5mm、雄が3~4mm。
雌 2021年6月11日 北海道十勝地方
雄 2021年7月3日 北海道十勝地方
腹部の斑紋はセアカヒメグモやムネグロヒメグモに似ているが、中央の赤色条から斜めに伸びる白条が明瞭。岩のある崖地など湿っぽいところに網を張る。写真の個体は看板の裏に網を張っていた雌。体長は雌が4~5mmほど。
2020年10月9日 北海道十勝地方
庭で草取りをしていたら、フタスジヒメグモの網を壊してしまったようで、卵のうを持った雌が地面を歩きまわっていた。黄色い腹部に黒褐色の2本の縦条があるとても美しいクモだ。腹部の色彩は変異があり、全体的に黄白色のものや褐色の個体もいるようだが、私は見たことがない。外雌器(雌の生殖器)が突出した特異な形態をしているので、他種との区別は容易。体長は雌が2.5~3mmほど。日本では北海道にのみ分布する。
2019年8月4日 北海道十勝地方
ハモンヒメグモ、カグヤヒメグモ、リュウキュウヒメグモは色彩や斑紋がとてもよく似ているので同定には注意が必要だが、北海道にはカグヤヒメグモもリュウキュウヒメグモも分布していないので迷うことはない。
植物の枝葉間の他、ガードレールなどの人工物に網を張っていることも多い。写真の個体は雌。体長は雌が4~6mm、雄は3mm前後。
2019年7月11日 北海道十勝地方
ムネグロヒメグモ(ムナグロヒメグモ)は、先日紹介したセアカヒメグモとよく似ており、腹部背面に白く縁どられた赤い縦斑がある。大きさはセアカヒメグモよりやや小さく、雌は3~4mmほど。平地から山地まで生息し、植物などの他に人工的なところにも網(不規則網)を張る。写真の個体は雌。このピンボケ写真しか持ち合わせがないので、雰囲気だけ。
それにしても、クモの写真はなかなか難しいと思う。小さいものが多いうえ、腹部が球体だったり細い脚が四方に広がっていたりで、ピントを合わせるのがとても難しい。しかもヒメグモやサラグモなどは網にぶら下がっていて背面からの写真が撮れないことも多い。綺麗な写真を撮っている人は本当に凄いと思う。
2021年7月1日 北海道十勝地方
日本では北海道にのみ生息するヒメグモ科のクモ。腹部背面中央の赤色斑がよく目立つ。腹部背面に同じような赤色斑を持つヒメグモにムナグロヒメグモやユノハマヒメグモがいるので注意が必要。平地から山地まで生息し、植物の枝葉間や橋の欄干などの人工物にも造網する。写真の個体は雌で、体長は4~5mm。
2017年6月9日 北海道十勝地方
体長3mm前後のヒメグモ科のクモで、日本全土に分布し、平地から山地まで生息する。和名のシモフリは、腹部背面の霜降り状の斑紋に由来するが、色彩や斑紋には変異がある。写真の個体は背景が似たような色をしていて見にくいが、下を向いた雌の個体。頭胸部は歩脚に隠れている。
2020年5月30日 北海道十勝地方
北海道に来て間もないころ、屋内外に網を張っている大きめのヒメグモはオオヒメグモだとばかり思っていた。ところがある日よくよく見てみると、色彩や斑紋がオオヒメグモより濃くて雰囲気が違うのがいる。採集して調べると、オオツリガネヒメグモだった。私の居住地ではオオヒメグモと混在しているが、オオツリガネヒメグモの方が多いようだ。建物の内外の他、岩のある崖地などに生息している。
色彩・斑紋には変異があるが、オオヒメグモより濃色で斑紋は明瞭。不規則網の中ほどに枯葉や砂粒などを吊るして住居をつくり、その中に潜んでいることが多い。総じてオオヒメグモより小さいが大きさには幅があり、大きい個体はオオヒメグモと同じくらいになる。ツリガネヒメグモと斑紋が似ているが、オオツリガネヒメグモの方が大きい。写真は卵のうを守る雌。
2021年7月6日 北海道十勝地方
北海道に生息しているユウレイグモの仲間はたぶんこれ一種。「CD日本のクモ Ver.2022」では、私の作成した北海道産クモ類目録をもとにユウレイグモも北海道に分布することになっている。しかし、その記録は私が確認したものではなく、斎藤三郎氏の「Spiders from Hokkaido」(Saito, S. 1934)に記されているもので、誤同定の可能性が高い。標本が失われている誤同定の可能性の高い過去の記録をどう扱うのかは悩ましい。
タイリクユウレイグモは、北海道では建物の内外の薄暗いところでよく見られる。住宅に入り込み天井の隅などに網を張ったりもする。乳白色の体に細くて長い脚という容姿は、なんとも弱弱しく見える。背甲には1対の黒斑がある。体長は5mm前後。写真の個体は雌。
サハリンに行ったとき海岸の岩影に初見のユウレイグモがいた(未同定)。タイリクユウレイグモも本来の生息地はそんな場所なのかもしれない。
2021年6月3日 北海道十勝地方
昆虫の紹介を少し休んで、今日からクモを紹介していきたい。
エゾトタテグモはカネコトタテグモ科のクモで日本(北海道)固有種。原始的なクモで、地面に管状の住居を掘って潜み、穴の近くを通りかかった昆虫などを捕らえる。平地から山地(ハイマツ帯)まで広く分布する。
私が北海道に来たころはエゾトタテグモの情報がとても少なかったのだが、阿寒湖畔の崖地で住居が発見されたという報告があった。同じカネコトタテグモ科のカネコトタテグモも崖地に住居を掘っていることが多いので、崖地を探せば見つかるのではないかと思っていた。ところが、崖地で目を凝らして住居を探しても見つからない。後に、崖地より林床などに住居を掘ることが分かった。
雄は夜によく徘徊するようで、6月から9月にかけて地表性昆虫を捕えるピットフォールトラップにしばしば落下する。夜行性のために姿を見ることはあまりないが、個体数は少なくない。写真の個体は夜に道路を徘徊していた雄。体長は雌が12~18mm、雄が10~15mmほど。
2014年8月21日 北海道十勝地方
艶のある藍色をしたハムシで、体長は6~8mmくらい。ハンノキ類やカンバ類、ヤナギ類などさまざまな広葉樹を食べるが、北海道ではケヤマハンノキやカンバ類が大発生による被害を受けることが多いようだ。幼虫は葉脈を残して葉の表面を齧るので、網目状になる。大発生すると葉が茶色くなって枯木のように見える。
2022年6月21日 北海道十勝地方
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