満開のウラホロイチゲ
3日は浦幌町にウラホロイチゲを見に出かけた。ウラホロイチゲはキンポウゲ科イチリンソウ属の植物で、ロシア極東と北海道(浦幌から釧路の沿岸)に分布している。十勝に住んでいながら今まで見たことがなかった。
ちょうど春植物が満開の時期で、場所によってはウラホロイチゲのほかにニリンソウやアズマイチゲも混じって咲いている。ウラホロイチゲはちょうど見ごろだった。
花びらのように見える白い部分は蕚(がく)片。蕚片の枚数は個体変異があり、5枚から8枚。花茎につく葉には葉柄がある。ウラホロイチゲはキクザキイチゲに似るが、同所的には分布しない。
アズマイチゲの蕚片は8枚から13枚と多く、細長い。下の写真がアズマイチゲ。葉の形も異なる。
ニリンソウも似ているが、ニリンソウは花茎につく葉には柄がない。
オオバナノエンレイソウも咲き始めていた。
こちらはキバナノアマナ。
ツボスミレ
ウラホロイチゲと似たような分布をしている植物にヤチカンバがある。こちらはサハリン、ウスリー、中国東北、朝鮮に分布するB. ovalifoliaと同種とされているが、日本では北海道の十勝および根室地方でのみ知られている。ウラホロイチゲもヤチカンバも氷期の遺存種種と言われているが、なぜ十勝から釧路・根室地方だけに生き残ったのだろうか。
十勝地方は農地開発や植林によってすっかり姿を変えてしまった。ウラホロイチゲもそれらの開発とともに激減した植物なのではないかと思う。残された生息地がこれ以上壊されることがないよう願いたい。
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