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2018/03/08

歴史に残る森友学園をめぐる腐敗政治

 森友学園問題が発覚してから一年余。安倍首相は2017年2月17日に「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と発言した。その後、安倍夫妻の関与を疑わせる証言、文書、録音記録などが次々に公表されたが、籠池夫妻を長期拘留して口封じをした上、丁寧な説明はいっさいせずに誤魔化してきた。

 そして問題発覚から一年たって出てきたのが3月2日に朝日新聞が報じた公文書改ざん疑惑。改ざんされたとされる文書は、2015年から16年に森友学園と土地取引をした際に近畿財務局の管財部門が局内の決済を受けるために作成した文書。「本件の特殊性に鑑み」「学園に価格提示を行う」などの表現が削除された改ざん文書が国会議員に開示されていたというのだから、事実なら国会も国民も愚弄したことになる。

 そして、今日は毎日新聞が朝日の後を追って改ざん疑惑を報じた。毎日新聞の場合は昨年9月に情報公開で開示請求した文書(財務局が学園に売却額の予定価格を通知した際の決裁文書)と昨年5月に国会に提出した同文書が異なっていることから、改ざんされた疑いがあるというもの。

森友文書 別文書に「特殊性」の表現 国会開示にはなし

 森友学園問題は発端こそ国有地の不可解な値引き問題だったが、疑惑追及の中で分かってきたのが安倍夫妻の関与。この一年間に公表されたさまざまな状況証拠からも、国有地の取引において安倍夫妻が関与していたと考えざるを得ない。要は加計学園問題と共に、首相夫妻が政治を私物化していたという疑惑。それを隠すことに必死になった挙句、公文書の改ざんという犯罪行為にまで手を染めてしまったなら愚劣極まる。

 多数の資料や録音という証拠があるにも関わらず、安倍首相が一年もの間のらりくらりと追及をかわしてこられたのは、2014年に設置した「内閣人事局」のおかげだろう。内閣人事局によって安倍首相に従う官僚ばかりが登用されるようになった。官僚はアメとムチによってコントロールされ、逆らうことがほぼ許されない体制を作り上げた。事実上の独裁だ。

 安倍首相は自分でつくりあげた恐怖体制によって、何でもまかり通ると思い上がってしまったようだ。しかも、今回の公文書改ざんは事実なら犯罪に該当する。改ざんを認めたらタダでは済まないことは十分理解している。しかし、これまで同様、シラを切り続けてもとりまきが自分を守ってくれると信じているのだろう。恐ろしいのはこの独裁政権が検察まで牛耳っていることだ。

 改ざん問題が今後どのようなことになるのか予測がつかないが、どうしても逃れられなくなったら、改ざんに関わった人物を処分して幕引きを図るつもりではなかろうか。恐怖体制を利用して徹底的にシラを切って逃げ切るというのが安倍政権のやり方だ。しかし、果たして朝日新聞と毎日新聞の2社が改ざん疑惑を報じた今度ばかりは、逃れきれるだろうか?

 これまで生きてきて、ここまで国会と国民を愚弄する政権は記憶にないし、保身のためにこういう首相に媚びへつらって恥じない取り巻きに怒りしか湧いてこない。彼らは、恥というもののかけらも持ち合わせていないのだろうか。

 このまま安倍政権が生き残るようなら、この国は間違いなく腐敗した独裁国家だ。後に、森友事件は戦後最大の政治の腐敗として歴史に残るだろう。

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