不可解な子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)推進論、WHOも関与か?(追記あり)
今、インターネットで「子宮頚がん ワクチン」と検索すると、ワクチンを推奨する意見が上位に並ぶ。これらの記事を読んで、子宮頚がんワクチンの副反応と言われているものは心因性であり、ワクチンによる副反応という主張はエビデンスがないと信じてしまう人も多いかもしれない。
しかし、ちょっと待ってほしい。そもそも検索上位に出てくる記事が正しいなどとは言えない。私は福島の原発事故が起きる前に使用済み核燃料の保管についてネット検索したのだが、いわゆる原発推進派と見られる安全論ばかりが出てきたことをよく覚えている。検索順位などいくらでも操作できる。だから、原子力問題をはじめとした利権構造がある問題や議論が分かれるような問題に関しては十分な情報収集が欠かせない。
そしてこの子宮頚がんワクチン問題で何よりも不可解なのは、公費負担の対象となっている少女は無料ないしは低額でワクチンの接種ができるにも関わらず、なぜこれほど推奨記事が溢れているのかという単純な疑問だ。
まず、ツイッターで得た情報から、子宮頚がんワクチンの接種後に体調不良が生じた少女たちを診察した医師たちの見解や論文などをいくつか紹介したい。
ハンス病を主張する横田俊平医師による説明
HPVワクチン報告
HPVワクチン副反応報告 後半
自己免疫性脳症を提唱する高畑克徳・高嶋博氏による論文
自己免疫性のj賞を見極めるための新しい神経診察の提案-身体表現性障害との鑑別-
ワクチン接種により惹起された免疫反応的脳炎モデルではないかとする長尾和宏医師の見解
子宮頚がんワクチン被害者を診てほしい
子宮頚がんワクチンの問題は副反応だけではない。ワクチンそのものの効果の問題がある。以下は副反応のほかに有効性も含めて問題点がまとめられている。
ここから予防効果に関する重点部分を以下に引用しておきたい。
HPVワクチン接種を推進する人々はこれらのワクチンが子宮頚がん予防に98-100%有効だと言うが、実際にはHPVワクチンで期待しうる絶対リスク減少(ARR)を既存のデータをもとに計算すると、たかだか0.1~0.7%に過ぎない。しかも、それは前がん病変をきたすリスクを低下させただけで、子宮頚がんのリスクについては不明なままである。
一方で、副反応とされる症状は心因性であると主張し昨今もっともメディアを賑わせているのは医師・ジャーナリストの肩書を持つ村中璃子氏だろう。村中氏の主な記事はこちらにまとめられている。
私は村中璃子氏の一連の記事を読んで、非常に巧みだと思った。村中氏は患者を診察し子宮頚がんワクチンの副反応であると主張する臨床医たちの見解について、いずれもエビデンスがない単なる仮説だと主張し心因説を強調する。しかし、彼女の主張する心因説とて仮説でありエビデンスはない。仮説を並べておきながら、心因説のほうが正しいとばかりに誘導しているのだ。明らかに偏った書き方だろう。また記事中のインタビューで心因性を主張する医師はほとんどが匿名だ。なぜ堂々と実名で話せないのだろうか?
彼女は肩書を医師としながら、勤務している医療機関などは書かれていない。そして、被害を訴える少女たちを自分で診察したという記述は見あたらない。それどころか取材にあたってジャーナリストおよび医師の職業倫理にも抵触する不適切な行為があったとして弁護士から内容証明郵便を送付されている。
村中璃子氏の不適切取材の全容(内容証明)
もう一つ、巧みだと思ったのはこちらの記事の以下の記述。
この記事を出すには大変な勇気が必要だった。筆者が製薬会社の回し者である、国のプロパガンダを広げる御用医師だといった根も葉もない中傷も寄せられている。そういった反応があるのは想定の範囲内だったが、考えてみてほしい。この記事を書くことは筆者にとってリスクになることはあれ、どんな得になるというのだろうか。
自分は製薬会社とは全く関係がなくこうした意見を書くのはリスクしかないと主張しているが、私にはこのような書き方をすることで予防線を張っているのではないかと思えてならない。
ウィキペディアで彼女の経歴を調べると、「外資系製薬会社の疫学担当ディレクターを経て」とある。製薬会社と全くの無関係とは言えないだろう。
また、これらの記事のプロフィールに「WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チーム等を経て」とある。ウィキペディアでは「WHO(世界保健機構)の医療社会学者」と書かれており、WHOとの関わりが深い。というとWHOなら信用できると思う人は多いかもしれない。しかし、私はWHO自体に大きな疑問を抱いている。以下の記事を是非お読みいただきたい。
WHO(世界保健機関)がおかしい TPPの国際安全基準のいかがわしさ
新型インフルエンザワクチンと子宮頚がんワクチンの販売にWHOが関与したのではないかという疑惑を指摘しているのだが、この記事から重要な部分を引用しておきたい。
さらに、新型インフルエンザワクチンや子宮頚ガンワクチンのメーカーであるグラクソ・スミス・クライン社は、マラリアの新治療療法の開発などの具体的な事業でWHOと協力して支援している。グラクソ・スミス・クライン社は、ニューヨークタイムズ社によってCSRの実績第一位として評価されたこともある会社であるから探せばもっと多くの協力をWHOとの間で行っている可能性が高い。理念はあっても、カネがなければ、WHOも意欲的な事業は行えないのである。そしていったん、支援を受けて事業を始めれば、スポンサーの意向は無視できなくなる。
早い話し、子宮頚がんワクチンを製造しているグラクソ・スミス・クライン社はWHOのスポンサーという関係のようだ。
WHOが原子力分野でも独立性を失っていることは私も以下の記事で触れた。WHOという名称だけで信用してしまうのは危険というほかない。
国際原子力ムラという諸悪の根源
チェルノブイリの事実と日本のとるべき対応
江戸川大学教授の隈本邦彦氏はワクチンムラという特殊な利権構造について指摘している。
インタビュー「被害を生みだすワクチンビジネス」
製薬会社と医師の癒着は今に始まったことではない。ワクチンに関しても当然利権構造があるだろう。ちなみに3回のワクチン接種の費用はおよそ5万円と言われる。少女たちを対象に定期接種にできれば製薬会社の利益は莫大なものになる。
村中璃子氏の記事には何度もWHOの見解が出てくる。ワクチンを製造している製薬会社がスポンサーとなっているWHOの見解を盾にワクチンの副反応を否定して接種を推し進める村中璃子氏と、被害を訴える患者を診察して治療に尽力している医師のどちらが信用できるだろうか? 私は間違いなく後者に軍配を上げる。
【1月19日追記】
以下のtogetterは、HPVワクチンの副反応に関する資料や論文などがまとめられており、この問題を考える上で大変参考になる。
HPVワクチンと自己免疫反応
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