安倍政権を支えている褒賞システム
昨日の内田樹さんのツイートを見て、安倍首相のあの強引な姿勢がものすごく納得できた。内田さんの連続ツイートは以下。
おうちなう。原稿をちょっと書こうと思っていたら、電話取材。今回の事件についてどうですかというので、これは「努力と成果が相関するきわめて精度の高い格付けシステムを設計した官邸の功績」ですとご説明しました。努力の「ものさし」はたった一つ。「安倍首相が喜ぶことをする」、それだけです。
— 内田樹 (@levinassien) 2017年3月15日
それをすると迅速かつ直接的に「褒賞」が与えられる。そのスピードと精度の高さがこのシステムの最大の取柄です。政治家も官僚も自分の才能や努力と組織内の出世が必ずしも相関しないことにつよいフラストレーションを感じています。ですから、この査定システムの「合理性」を大歓迎する。
— 内田樹 (@levinassien) 2017年3月15日
「日本会議に入ると何ポイント」「靖国に参拝すると何ポイント」「教育勅語をほめたたえると何ポイント」「民進党の悪口を言うと何ポイント」「朝日新聞の悪口を言うと何ポイント」・・・という非常にわかりやすいポイント加算方式です。この効率性と合理性にみんなのぼせ上ってしまったのでした。
— 内田樹 (@levinassien) 2017年3月15日
今回の事件は関係した政治家も官僚も私人たちも「どうすれば安倍首相が喜ぶか」を競って忖度しました。そして、実際に「最も過激に阿諛追従した者」に破格の褒賞が与えられた。この評価の精度の高さと褒賞が出るまでのタイムラグの短さが、「安倍一強」システムの鍵だったのでした。
— 内田樹 (@levinassien) 2017年3月15日
これまでのプロモーションシステムは「雑巾がけ10年」というような「キーボードを押してもなかなかディスプレイに文字が表示されないワープロ」みたいなどんくさいものでした。でも、「安倍一強システム」はそれを「キーを押せばすぐに文字が出る」仕組みに改良したのです。賢いなあと思います。
— 内田樹 (@levinassien) 2017年3月15日
安倍首相が喜ぶことをする、たとえば「日本会議に入る」「靖国に参拝する」「教育勅語をほめたたえる」・・・それに応じて褒賞が与えられる。なんのこっちゃない、安倍首相はご褒美をあげることで、人を操っているのだ。
安保法制のときの「人間かまくら」による強行採決が思い出されるが、ああいうことをやればもちろん褒賞の対象になるのだろう。稲田朋美防衛相などはきっと沢山のご褒美をもらっているに違いない。安倍首相の取り巻きにあれほど日本会議のメンバーが多いのも頷ける。安倍首相の任期延長を画策していたのもなるほどと思う。閣僚人事を見れば、納得するしかない。安倍首相の強気は、こうしたシステムによって支えられていたのだ。
しかし、こんな子どもじみた褒賞システムに大の大人が安易に乗っかりちやほやされていると思うと、気分が悪くなる。いったいこの人たちはどこまで主体性がないのか! どこまで自分のことしか考えていないのか! こんな人たちは二度と政治家にしてはならないと思う。
森友学園事件にしても、菅野完氏・籠池氏の爆弾発言によって裏が少しずつ見えてきた。この問題はもちろん籠池氏による詐取疑惑だけでは済まされない。森友学園事件の背景には間違いなく日本会議などの右翼団体と政治家、官僚が深く関わっている。しかも彼らはご褒美目当てに安倍首相が喜ぶことをやったということなのだろう。安倍首相は自分の思想の実現のために、自分に仕える政治家や官僚、そして極右組織と組んで動いていたがゆえ、平然と強行路線を突っ走っていたのだ。
政権内では醜い責任逃れが繰り広げられている。恐らく、今安倍首相は相当にうろたえているだろう。そして対策に必死になっているに違いない。さて、今までのように取り巻きたちは安倍首相を庇いつづけるのだろうか? もし安倍首相が持たないような事態になれば、褒賞システムなど何の意味もなくなるだろう。今後の成り行きによっては、これまで安倍首相を持ちあげ擁護してきた人たちも態度を翻すかもしれない。
最近のコメント