久々の登山で緑岳へ
11日に久しぶりに大雪山系の緑岳に登った。ここ数年、いろいろあって山から遠ざかっていたので、はて、何年ぶりの登山だろう。私は頻繁に登山をするほどの山好きではない。体力もないし健脚とは程遠いから、ゆっくりしか歩けない。それでも、たまには天井の楽園を覗いてみたくなる。
東京に住んでいた若い頃は、週末に思い立って一人で山に行ったことが何回かあった。山行を思い立つと金曜日の夕方に食料などを買い込み、帰りの電車の中で行き先を考える。両親がしょっちゅう山に行っていたので家にはガイドブックや地図はいろいろあった。家に帰って夕食と身支度を済ませてから新宿駅に向かい、夜行列車で山に向かうというのがお決まりのパターンだった。
ときどき山の自然に身を置くことで心身をリフレッシュするというのが最大の目的ではあったのだけれど、山の自然にはそれだけの力があると思っている。高山帯という極限の環境の中で生きている植物の姿は決して無駄がなく、限りなく清々しい。風雪に耐えた高山植物たちは一斉に花を開いて短い夏を謳歌し、無機質な砂礫地にすら可憐な彩りを添える。そんな景色を見るだけで心が洗われ、日常の人間関係でのごたごたが些細なことに思える。人は、ときどきこんな気持ちになることが必要なのではないかと思う。
緑岳(標高2019m)の登山口は高原温泉(標高1260m)にある。登山口のすぐ近くに泥火山(泥水噴出口)がある。泥水が音をたてて煮えたぎるこの噴出口は、規模は小さいながら地球の鼓動が伝わってくるようだ。
その周囲に固有種ダイセツヒナオトギリが花をつけていた。
急な斜面を登り切って第一花畑に出ると、目の前に緑岳の姿が現れる。花畑にはチングルマが咲き誇っていたが、ツガザクラなどはまだこれからだ。
こちらは、ミヤマリンドウとヨツバシオガマ。
第一花畑、第二花畑を抜けハイマツの茂る道を過ぎると、目の前に山頂への大斜面が現れる。写真で見ると傾斜が分からないが、けっこう急な登りだ。
山頂からは白雲岳、旭岳、高根が原が見渡せる。そして遠くにトムラウシ山。写真は旭岳。
山頂のイワウメ。イワウメは、米粒ほどの小さな葉には不釣り合いの大きな花をつける。
こちらはミヤマキンバイ。
同じく、山頂のイワヒゲ。釣鐘状の花が愛らしい。
こんな景色が待ち受けているから、文句なしに山はいい。
« 初夏の原生花園 | トップページ | 黒木睦子さんの本人尋問で見えてきたこと »
「雑記帳」カテゴリの記事
- 他責思考と「反ワクチンではない」の心理(2024.11.03)
- 健康の責任(2024.08.31)
- 変人?それとも不審者?(2024.08.07)
- 人として大事なこと(2024.05.15)
- 大地震に警戒を(2024.01.04)
コメント