青い小花が涼しげなチシマセンブリ
十勝の海岸ではチシマセンブリが見られる。チシマセンブリは4弁の青い小さな花を咲かせる愛らしい植物だ。ところが、場所によってずいぶん感じが異なる。下の写真は浜大樹のチシマセンブリ。花の色は水色で、花も草丈も10センチくらいしかない。確か、然別火山群の東ヌプカウシヌプリで見たチシマセンブリも、こんな感じだった。
こちらは十勝太や豊北原生花園のチシマセンブリ。花は大きく紫がかった青色で、草丈も20センチ前後ある。
地理的に大きく離れているわけではないのに、場所によってこれほどにまで形態が異なっている植物はそれほど多くないのではなかろうか。知らなかったら別種だと勘違いしそうだ。
こうした違いは生育場所の環境からくるのだろうか? 見た目には同じような環境としか思えないのだが、ここまで形態が違うのはちょっと不思議だ。
豊北原生花園にはガンコウランの広大な生育地があり、コケモモやハナゴケなどもある。なんだか高山に来たような気分になる。
しかし残念ながら、盗掘をする人がいる。下の写真のように、ガンコウランの群落の中に植物を掘り取ったと思われる穴がポッカリと開いていた。
一部の植物愛好家による盗掘だと思うのだが、私はこういう人たちが真の植物愛好家だとは思わない。単なる山野草マニアで、所有欲が強い自己中の人間だ。ほんとうの植物愛好家ならありのままの自然を大切にするし、生物多様性の保全に逆行したり、絶滅に加担するような行為はしないに違いない。
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