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2014/04/01

木造住宅密集地で懸念される火災被害

 京都の市街地は道路が碁盤の目になっているが、住所表記も南北の通りの名称と東西の通りの名称を組み合わせるので、場所が分かりやすい。北海道も札幌をはじめ市街地が碁盤の目になっているところが多いのだが、住所表記は「○条○丁目」という具合で趣に欠ける。

 ところで、京都の場合は歴史が古いだけあって、主要道路以外は道がいかんとも狭い。そして、敷地にびっしりと住宅が建っている。京都に限ったことではないのだろうが、家と家の間の隙間が驚くほど狭く、人が通れないのは当たり前。ほとんど隣とくっついているような場合もある。いったい建築の際にどうやって家を建てる(外壁を貼る)のだろうかと不思議でならない。

 市街地では一軒あたりの敷地がとても狭いので、3階建てにしている一般住宅も多い。とにかく狭い敷地いっぱいに家が建っているし、建物が密集している。庭のスペースがとれないかわりに、玄関の前などにプランターを置いてささやかに園芸を楽しんでいる家も多い。今は、プリムラ(セイヨウサクラソウ)やパンジー、ストックなどがとても綺麗に咲いている。

 で、気になるのが火災だ。火事が起きたら、たちまち延焼するのが目に見えている。道路も狭いので大型の消防車が入るのは困難なところも多い。そのためか、火の用心の夜回りが毎晩回っている。火事が恐ろしいことを自覚しているのだろう。

 住宅が密集しているのは、もちろん京都市街に限らない。電車の車窓などから見ると、大阪なども京都と変わりはない。東京の都心近くも似たようなものだろう。北海道に長らく住んでいると、こうした住宅密集地がなんとも異様に見えて仕方がない。

 住宅密集地で怖いのが大地震などによる火災だ。大地震のときは道路があちこちで寸断状態になるだろうから、消防車が通れなくなる。同時にあちこちから出火するので、とても消火が追いつかないだろう。関東大震災で焼け野原になった東京のことが頭をよぎる。この状態は何とかならないのだろうか。オフィス街に近いという利便性や、先祖代々受け継がれた土地への愛着も分かるが、しかし地震災害の多い日本でこのような状態をそのままにしておくのはあまりに危険ではないかと思えてならない。

 国もようやくこの状態を何とかしなければならないと重い腰を上げたようで、国交省は2020年までに首都圏などの木造住宅密集地を解消する方針を打ち出したようだ。もちろん何もしないよりいいが、しかしあまりに遅いとしか言いようがない。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014033101002452.html

 地震大国であるにも関わらず、これまで都市の防災対策がしっかりとられてこなかったのは国の責任である。建物の耐震化はそれなりに進めてはきたが、それだけでは不十分なことは誰の目にも明らかだ。防災を怠り、都市に人口を集中させてきた政治も問われなければならないだろう。地方の町はどこも衰退して高齢化が進み、都市ばかり人口が膨れ上がってきた。若者は地元で働きたいと思っても就職先がないから都会に出るしかない。しかし、都会に行ったからといって派遣労働などにしか就けなければワーキングプアになるしかない。地方の若者にとってかつて都会は憧れだったが、今は果たしてそうだろうか? 

 災害に弱い都市に人口が集中し、しかも格差が広がりワーキングプアが溢れ、地方は老人ばかりの状態が健全であるわけがない。お金に目がくらんだ一握りの人たちが、自分たちの利益のために不健全な日本を作り上げてきたわけだが、これも米国の新自由主義に追随した結果だろう。

 日本人はどういう訳か自民党が好きな人が多い。特に支持している政党がないという人でも、「自民党が一番現実的」とか「民主党は駄目だったから自民しかない」「他の政党では頼りない」などという人が多いように思える。このような人たちは、自民党がやってきたことを自覚しているのだろうか? 

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