特定秘密保護法を廃止させよう!
特定秘密保護法は自民党の予定通りに6日の参院で可決された。国会を取り巻いて抗議する多数の市民の声を無視し、法案に反対する弁護士や報道関係者、学者などの声も無視し、ただただ数の論理で押し切った。
連日、市民が国会前に詰め掛けて抗議するということ自体がどれほど尋常ではないかも、安倍首相は分かっていないようだ。そして、多くのテレビも国会議事堂前で繰り広げられている市民の抗議を中継報道せずに、くだらない番組を垂れ流し続けた。これも異常だ。
先の国政選挙では憲法を踏みにじる特定秘密保護法案を争点とはしなかった。そして「ねじれ」が解消された途端に強引に提案、可決へと突き進んだ。国民を騙して自分たちのやりたい放題にするのが安倍主張率いる自民党の正体である。
おそらく安倍首相はこのあと、集団的自衛権の行使へと舵を切り、日本版のCIAをつくり、改憲へと進んでいくのだろう。そのための一歩として日本版NSCと秘密保護法は何としても必要だったということだ。安倍首相の本性が露わになった。これから事態はどんどん悪化していくだろう。
とは言うものの、特定秘密保護法によって市民を次々に逮捕していくようなことはすぐにはしないのではないか思う。今回の強権政治で安倍首相の支持率は下がるだろうから、さらに下げるようなことはしばらくは慎むと思う。逮捕者も出ず、人々がなんとなく気を許した頃(その頃にはさまざまな悪法がさらにできあがっている)、あるいは人々が戦争に反対をするようになったときこそ、秘密保護法によって国民を抑え込もうとするのではないか。
私たちがこれからしなければならないことは何か。
まずは、今回露呈した自民党の本性を決して忘れてはならないということだ。そして戦争に突き進むための法律に反対の声をあげつづけ、廃止を求めていかねばならない。つまり、次の選挙に今回の怒りをぶつけるということだ。今回、秘密保護法に賛成した議員は次の選挙では何としても落とさなければならない。そして反対した議員を当選させる。戦争への道を拓く悪法の廃止ができなければ、この国は太平洋戦争へと突き進んだ時代に逆戻りする。
特定秘密保護法の成立を契機に、早々とブログを閉鎖してしまった人もいるが、なぜそんなにあっさりと意志表示を止めてしまうのか私には理解しがたい。法案が成立したからといってその日から施行されるわけではないし、表現の自由が奪われようとしているときだからこそ、反対の声を上げつづけて抵抗すべきではないか。特定秘密保護法に反対だとブログに書いたところで特定秘密保護法違反になるわけではないのだ。弁護士による以下のような見方だってある。
超安心 秘密保護法なんて怖くない! 憲法は最強の切り札なのだ(街の弁護士日記 SINCE1992 at 名古屋)
こんな憲法違反の法律はみんなで抗議し、廃止に持ち込むしかない。たとえ次々と戦争に突き進むための悪法が成立しようと、そういった悪法は廃止させるという道が残されている。
これまでは、何となく自民党に投票してしまう人も多かったのではなかろうか。自民党から民主党へと政権交代を果たしても、民主党は次々と公約を反故にして信用を失った。いっときは民主党に期待した人も自民党へと逆戻りしてしまった。民主党の責任は重いが、しかし自民党の本性を見抜けなかった国民にも責任がある。
また、選挙を棄権してしまう人の中には、「支持する政党がない」という人も多いようだ。自民党や民主党には入れたくないが、社民党も共産党も党利党略ばかりだと批判する人がいる。あるいは新しくできた政党は基盤がしっかりしていないと・・・。党利党略はたしかにあるだろう。とりわけ共産党の上意下達の体制には辟易とするし、支持が伸びないのも分からなくはない。
しかし、党利党略は自民党や公明党、民主党であっても同じではないか。「支持する政党がない」という意見は選挙を棄権する理由にはならないと思うし、選挙で意思表示しないということは今回のような暴挙も許してしまうことに他ならない。
安倍首相が国民を騙して戦争へと突き進んでいることは誰に目にもはっきりしただろう。騙されてはならないのは、たとえ秘密保護法による逮捕者が出なくても安心してはいけないということだ。
何としても、悪法は廃案にしなければならない。そのためには、意見表明を止めてはならないと思う。
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