関西まで汚染した福島原発事故の放射能
***原発反対・秘密保護法は廃止・共謀罪反対***
福島第一原発の事故によって放出された放射性物質は東北地方から関東地方にかけて深刻な汚染地をつくった。このために汚染地から多くの人が西日本や北海道に避難した。しかし、北海道や西日本に放射性物質が飛んでこなかったわけではない。
以下のサイトでは関西の土壌の検査結果を報告している。
ここでは大阪府能勢町3地点、大阪府高槻市2地点、滋賀県野洲市1地点の土壌の計測結果のほか、参として高槻市日向町、和歌山県新宮市、秋田県横手市、東京都世田谷区、宮城県のデータを掲載している。これを見ると、関西でも場所によっては福島の原発事故由来の汚染が確認されている。確認されたセシウムの汚染は6.9ベクレルだから酷い汚染というわけではないのだが、近畿地方もまだらに薄く汚染されたことは間違いないだろう。
では九州はどうなのだろう? 以下のページの記述から、九州では福一からの汚染はほとんどないが、がれき焼却によってセシウムが放出されたと考えるのが妥当だと思う。
がれき焼却に関してはあちこちで反対の声が上がったが、やはり焼却は間違いだったとしか言いようがない。
北海道ではチェルノブイリの原発事故による土壌汚染が若干残っている状態だった。知らぬが仏で、多くの道民は福島の原発事故が起きるまで、チェルノブイリの事故で北海道が多少汚染されたことを知らなかったのだ。そこに福一からの汚染が少し加わった。近畿地方でも福一由来の汚染が若干ある。偏西風にのってアメリカまで汚染されたのだから、日本中に放射性物質が飛んできたのは間違いないだろう。
2011年の春はイソコモリグモの調査などで道南に何回か出かけたが、でかけるたびに喉の痛みを感じたし、東京に行ったときは風邪もひいていないのに喉が痛くなった。あれももしかしたら放射性物質の影響だったのかもしれない。
福一由来の放射能は日本中に広がり、日本人の大半は被ばくをしたのだ。ただし関西や北海道は汚染の程度がそれほど酷くはないというだけのことだ。東北から関東にかけての地域は、場所によってはかなり深刻な汚染となった。そして、汚染地で造られた農作物や畜産物などが全国に流通している。広く薄く日本中に放射能が拡散している。それが日本の現状だ。
言うまでもないが、福島の汚染はすさまじい。関東も場所によってはかなり汚染されている。そんなところにおびただしい人が放射能を気にしながらもやむを得ずに住んでいるのだ。福島県の子ども達の甲状腺がんの発症率も尋常ではない。被ばくによる健康被害が明らかに顕在化しつつある。
ところがこの国では被ばくによる健康被害の問題はほとんど無視されてしまっている。それどころか除染で多少線量を下げて住民を汚染地に帰還させるという信じがたい方針を変えようとしない。そして政府も東電も原発再稼働へと突き進んでいるのだ。
マスコミも被ばく問題は全くといっていいほど報道しない。政府もマスコミも被ばくによる健康被害に関しては貝のように口を閉ざしている。そんな中で頼りになるのは市民による土壌や食品の検査だ。しかし秘密保護法が施行されたなら、被ばくによる健康被害は隠されて、市民による情報も規制されかねない。何という国だろう。
恐らく日本ではこれからじわじわと健康被害が広がっていくと思う。とりわけ早く影響がでるのは原発を容認してきた大人ではなくなんの責任もない子ども達だ。そう思うとほんとうにやるせない気持ちになる。
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