情報は誰のものか-重要部分が黒塗りになる行政文書(追記あり)
***原発反対・秘密保護法は廃止・共謀罪反対***
情報公開制度ができてから、自然保護団体は開発事業などに関わる行政文書の開示請求をしばしば行ってきたが、たいていは文書の一部が黒塗りになっている。たとえば公共事業における環境アセスメントの報告書などを開示請求すると、絶滅危惧種やアドバイスをした専門家の名前などはまず黒塗りされている。
絶滅危惧種に関しては保護に支障が生じるという理由のようだが、保護すべき動植物の情報を秘密にしたなら、事業者が適切な保護対策を講じているかを判断できない。アドバイザーの名前を非公開にする理由も理解できない。専門家として責任をもってアドバイスしているのなら、なぜ名前を隠してしまうのだろう。
また、私は昨年、私の戸籍を不正に取得した行政書士の処分に関する公文書を東京都に開示請求した。ところが、もっとも重要な行政書士の証言に関する部分は黒塗りになっていた。ほかにも黒塗り部分は多数。黒塗りにした理由は記載されているのだが、記述が抽象的であり、なぜ黒塗りにしなければならないのかさっぱり分からない。
行政文書の開示請求があった場合、非開示にするか否かの判断は条例に基づいて行うのだが、その判断基準は明確なものではなく、行政の担当者に委ねられている。たとえば、非開示の理由として「公にすることにより、行政書士の懲戒処分に関わる事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため」という理由で黒塗りになっている部分が多数あるのだが、このような抽象的な理由で非開示にできるのなら、行政が隠したいことがあれば何でも非開示にできてしまうのではなかろうか。また、公開で行われた行政書士への聴聞の記録まで不開示になっている。その理由は「公にすることにより、被聴聞者の権利利益を害する恐れがあるため」とある。公開で行われたものをなぜ非開示にしなければならないのだろう? 「権利利益」とは具体的にどういうことを指しているのだろう?
行政文書の黒塗りに対し不服がある場合は、異議申立てができる。私は今年の2月下旬に異議申立てをしているが、未だに審査結果が来ていない。ただし、異議申立てをしたところで、開示されないことも多々ある。その場合は訴訟を起こすしかない。そこまでやる人は恐らく少数だろう。しかし、本人訴訟で全面勝訴した事例もある。新得町の芳賀耕一さんが起こした、サホロリゾートに関わる公文書の非開示の取り消しを求める裁判だ。以下参照。
情報公開訴訟一審判決(SAHORO.COM)
この訴訟から分かるのは、条例の非開示事由に該当しない部分を行政が非開示にしてしまったという事実だ。情報公開制度の恣意的運用がなされているということであり、行政にとって都合の悪いことを意図的に非開示にすることがあり得るのだ。
同じように、ジャーナリストの三宅勝久さんは、行政文書の非開示で裁判を起こしている。
本日13時から埼玉県庁で記者会見 埼玉県立小児医療センター移転に関連して近く提訴(ジャーナリスト三宅勝久公式毒舌ブログ)
★訂正「埼玉県立小児医療センター移転の墨塗り議事録を出せ」訴訟第1回弁論は12月25日11時(ジャーナリスト三宅勝久公式毒舌ブログ)
三宅さんの裁判は、埼玉県立小児医療センターの移転に関することで情報公開をしたところ、重要な意思決定がなされたと思われる時期の会議録のたぐいがほぼすべて黒塗りになっていたというもの。ここでも行政に都合の悪い部分を非開示にしたのではないかという疑惑が浮上する。
行政文書を開示しても黒塗りだらけというのが現状なのだが、特定秘密保護法が施行されたならさらに非開示が増えるだろう。というより、場合によっては開示請求をすること自体が罪に問われかねない。
なお、埼玉県立小児医療センターの移転に関しては関係者が問題提起して活動している。以下のサイトを参照いただきたい。
【12月27日追記】
行政書士が私の戸籍を不正取得した件に関しては以下の記事をお読みいただきたい。
興信所を使って私のことを調べていた文芸社
行政書士が私の個人情報を不正に取得していたことが判明
告訴状を送った警察署の速やかなる対応
行政書士による個人情報取得事件の中間報告
警察官らの戸籍不正取得で司法書士らが逮捕、私の告訴は不起訴
統一教会も関わっていた司法書士による個人情報不正種痘事件
金坂滋行政書士に業務停止1か月の行政処分
戸籍と住民票の不正取得で逮捕された事例があった!
金坂滋行政書士の処分で公文書の重要部分を黒塗りにした東京都
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