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2013/11/06

間違いなく大地震に襲われる日本で原発はあり得ない

 今日の北海道新聞に「泊原発周辺隆起が問題」との記事が出ていた。変動地形学の専門家3人が、泊原発の近くにある海底活断層が積丹半島の海岸の隆起を起こしたとする研究成果を、日本活断層学会(30日につくば市で開催)で発表するとのこと。専門家3人とは、東洋大の渡辺満久教授、広島大の中田高名誉教授、名古屋大の鈴木康弘教授である。

 記事によると、積丹半島の西側には全長約70キロの海底活断層があり、マグニチュード7・5以上の地震を起こすとしている。それが専門家の判断である。

 この海底活断層の存在については渡辺教授が2009年に指摘しているのだが、今回の研究では積丹半島の海岸の隆起の原因が活断層によるものであり、今も断層活動が続いていると結論づけているとのこと。

 海底活断層と積丹半島の海岸の隆起については、地理学者である小野有五氏が「北海道電力〈泊原発〉の問題は何か」(泊原発の廃炉をめざす会編、寿郎社)でかなり詳しく取り上げている。積丹半島は過去に活断層が何度も動き、隆起を繰り返してきたことが地形から読みとれるのである。

 ところが、北電は海底活断層の存在を認めようとせず、再稼働をしようとしているのである。

 以前にも紹介したが、渡辺教授によると、日本の原発は佐賀県の玄海原発を除いてすべて活断層のそばあるいは真上にあるという。電力会社はその存在を認めず、国も電力会社の言いなりになって活断層の近くの原発を認めてきたのだ。滅茶苦茶な国というほかない。

日本中の原発52基はすべて活断層のそば、あるいは真上にある(小海キリスト教会牧師所感)

 もし原発の真下、あるいは近くの活断層が動いたなら、耐震設計など何の役にもたたないことくらい素人でも分かる。

 日本がプレートの境界に位置し、頻繁に大地震が起きていることは周知の事実だ。日本列島は「地震の巣」の上にあるのだ。

原子力発電と地震(よくわかる原子力)

 「原発ホワイトアウト」という本が話題になっている。私は読んでいないのだが、この本の帯には赤い大きな字で「原発はまた、必ず爆発する!」と書かれている。故高木仁三郎氏が将来深刻な原発事故が起きると予想したことが現実となったように、巨大地震が頻繁に起きる日本で原発を稼働させたなら、いつかまた大地震で原発が爆発するだろう。時間の問題でしかない。

 チェルノブイリの原発事故による死者は100万人にものぼるとされている。原発がひとたび爆発したならば気が遠くなるほどの人たちが犠牲になり、環境が汚染される。被ばくによって病気になったり亡くなった人たちは原発被害者そのものだし、電力会社に殺されたも同然だ。

 福島の原発事故は収束とは程遠く、時間がたつほどそのどうしようもない現実が明らかになっている。私たちはとんでもない負の遺産を抱え込んでしまった。もし日本で再び原発が爆発したなら、日本人は住むところを失い、汚染されていない食べ物は得られなくなるだろう。国は破綻し、被害の補償など何も得られないに違いない。

 大地震が頻発するところに原発を建設すること自体が大間違いだ。

 それともう一つ、使用済み核燃料の処理ができないという現実がある。いつか処理の技術が確立されるだろうと先送りしてきたのに、まったく目途が立っていない。何万年も厳重に管理しなければならない核廃棄物という爆弾を私たちは大量に抱えてしまった。

 この二つのことを考えただけでも原発を止める以外に選択肢はない。いったい「原発はやむを得ない」とか「再稼働が必要」などという人は、どう考えているのだろう。

 原発が必要だという人たちは、お金に目がくらんでいるか保身しか頭にないのだろう。お金、保身・・・人間の愚かさの象徴のように思えてならない。

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コメント

謹啓、ホワイトアウトは覆面官僚による未来予測小説と認識し「山本太郎」氏を示唆する人物が逮捕されるシーンもありました。心ある若手官僚が己の良心と組織の論理の狭間で苦闘するのが迫真の臨場感を実感させられます。火山列島、地震列島の日本に原発を建設するのが狂気の沙汰と
存じます。敬具

関さん

私もつい先日「原発ホワイトアウト」を入手しました。まだ始めのほうしか読んでいませんが、かなり事実を踏まえて小説にしているようですね。

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