日高の秋を彩る赤い木の実
先日、日高の幌満に出かけた。幌満というのはアポイ岳の近くである。ちょうど紅葉のシーズンだったのだが、ナナカマドやカエデなど赤くなる葉がきれいに色づいておらず、なんとも冴えない光景だった。
そんな中で、赤い実をつけている植物がいくつかあった。下の写真はヒロハヘビノボラズ。
こちらは落ちていたキタコブシの実。
下の木は赤い実をたわわにつけているのだが、何の木なのか分からなかった。
あとで図鑑で調べたところワタゲカマツカ(別名ウシコロシ)だと知った。ウシコロシとは何ともぶっそうな名前だが、「牛が枝の間に角を入れると、抜くことができなくなるくらい強靭」であることに由来するようだ。
日高地方というのは、ちょっと変わった植物が分布することで知られている。変わったというのは、北海道では分布が日高以南(以西)に限られるという意味だ。たとえばクリとかサンショウ、クサギ。ワタゲカマツカも同じような分布をする植物だ。
また日高にはキタゴヨウがあることで知られ、幌満一帯のキタゴヨウ自生地は国の天然記念物にも指定されている。もっとも北海道でのキタゴヨウの北限は十勝地方のピシカチナイ山だ。どうしてこんな分布をするのかとても不思議だ。
植物の分布は地史的な視点から見る必要があるが、なかなか奥深いものがある。
« 他者との対話の姿勢を貫いた渡辺容子さん | トップページ | 素人の危うさ »
コメント