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2013/09/21

消費者庁が日本文学館に業務停止3か月の処分

 私事でバタバタしていてパソコンもろくに立ちあげていなかったら、「クンちゃん」ブログで重大ニュースが報じられていた。

文芸社=日本文学館に業務停止命令(3か月、消費者庁) 

 消費者庁によるプレスリリースは以下。

特定商取引法違反の電話勧誘販売業者に対する業務停止命令(3か月)について 

 このプレスリリースによると、4名の消費者への違反事例が紹介されている。つまり、複数の被害者から情報が寄せられたのだろう。違反行為は電話勧誘における、再勧誘(電話勧誘において契約をしないと告げているにも関わらず勧誘を続けた)、不実告知(役務の種類に関すること及び、判断に影響を及ぼすこととなる重要なものに関して、事実と異なることを告げていた)、適合性原則違反(財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行った)。

 ここに書かれている事例は氷山の一角であろうが、これだけの違法行為が確認されたのであれば消費者庁も動かないわけにはいかなくなったのだろう。

 日本文学館に消費者庁が立ち入り調査に入った件は、5月28日に記事にしていた。

日本文学館に消費者庁が立ち入り調査か?(追記あり) 

 この時点では特定商取引法違反の可能性が高いとしか分からなかったが、この強制調査によって今回の処分に至ったのだろう。

 主に著者から支払ってもらう費用で経営している自費出版社にとって、業務停止3か月、すなわち3か月間はまったく収入が得られないのは、それだけでも極めて厳しい状況になるだろう。もちろん、ニュースになってしまった以上、このような会社へ原稿を送る著者も激減するに違いない。

 そればかりではない。日本文学館はこれ以外にも「架空コンテスト」(クンちゃん曰く「嘘っぱちコンテスト」)の疑惑がある。消費者庁がこの件まで処分対象にしたなら、さらなる業務停止が追加される可能性がある。となると、クンちゃんも指摘している通り、日本文学館はもはや倒産の危機に直面しているといっても過言ではないかもしれない。

 架空コンテスト疑惑については、クンちゃんブログの以下のカテゴリーの記事に詳細が書かれている。

日本文学館のコンテスト商法 

 今回の処分に関しては日本文学館という会社の問題ということになっているが、クンちゃんが指摘しているように日本文学館=文芸社というのが実態のようだ。ということは、これは文芸社の問題がようやく表に出たとも言えるのではなかろうか。

 すでに倒産した新風舎や碧天舎はもとより、文芸社や日本文学館はときに違法行為すれすれと思える危うい自費出版(共同出版)商法を展開し、多くの人から批判されてきた。幻冬舎ルネッサンスなども同じ穴の狢であるし、類似した商法を行っている会社は他にもある。こうした商法の問題点はもう10年以上前から指摘されていたし、私も以前から批判し、文芸社に関しては刑事告発までした。

 自費出版社の倒産は、著者、社員、関連業界に被害者を生じさせるだけである。今回の処分を機に、批判を尻目に悪質な商法を続けてきた会社は襟を正して欲しいと願うばかりである。

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