思考停止の国民はいとも簡単に騙される
今回の選挙には期待はしていなかった。それでも呆れるほどの投票率の低さ、自民の圧勝になにやら眩暈がしてくる。国民の劣化は、どうやら思っていたより著しい。
自民党の圧勝は民主党の否定という見方も確かにできる。しかし、前回の衆院選では多くの国民が自民党を否定したから民主党政権になったのだ。その民主党を否定するなら、自民も民主もダメだというのが筋ではないか。それなのに社民党や共産党は議席を減らしてしまった。右とか左という分け方は好きではないが、この国の国民は左翼、あるいは左翼的なものを絶対的に敬遠するようだ。結果、自民か民主、あるいは維新という選択になるのだろう。
今回の選挙は、これまで自民党の推し進めてきた愚民化政策がものの見事に功を奏し、ついに来るところまで来たという感じだ。自分で情報収集して考え判断することを放棄し、権力者の言いなりになってしまう国民をつくってきたのは自民党だ。小規模政党が不利になる小選挙区制を導入したのも自民党。嘘と騙しで原発を造り続けたのも自民党。米国の新自由主義に追従し、大量の非正規雇用と貧困を生み出したのも自民党・・・。
結局、大半の国民は自分の目先の利益で頭がいっぱいなのだろうか。だから、経済成長、景気回復を叫ぶ政党に簡単に飛びついてしまう。でも、自民党の言う景気回復とは、原発を再稼働させ、大型公共事業を推し進め、米国の言いなりになり、新自由主義路線を邁進するということに他ならない。格差は何も解消せず、福祉は切り捨てられ、弱者はさらに苦しめられる。こんな社会がまともなはずはない。
自民党が圧勝し、公明党と合わせて3分の2以上の議席を獲得した。改憲を目指す維新も54議席を獲得したのだから、さっそく改憲に向けて動き出すだろう。平和憲法もいよいよ危機的になってきた。戦争をするためには、国民をずっと騙し続けなければならないから、権力者に逆らう者たちへの監視や弾圧が強められるだろう。言論統制も行われるに違いない。まるで戦前と同じだ。この国は平和憲法を捨て去り、また同じ過ちを繰り返すのだろうか。
こんなときに、国民の4割もが自らの意思表示を放棄してしまった。この人たちは、政治などどうでもいいと思っているのだろうか。投票したい人がいない、という人たちは、どんな政策を掲げる候補者あるいは政党だったら入れたいのだろうか? 結局、何も考えたくないのだろう。思考停止の人たちは、権力者に簡単に騙され操られてしまう。無関心層のこれほどまでの広がりに暗澹たる気持ちになる。
目先の利益しか考えられず、危機感も持てず、これほどまで簡単に操られてしまう国民に待ちうけている未来は途方もなく暗い。平和憲法の崩壊が先か、原発震災が先なのか・・・。
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コメント
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日本人の夢は、あやふやなもの、つじつまの合わないもの、当てにならないものである。
見ることはできても、触ることのできない、非現実のものである。現実とは次元の違う内容は、日本語の文章にはならない。
非現実 (未来・過去) に対応する時制がないから、非現実の内容は、我が国では真っ赤なウソになる。
文章にならないものは意味がなく、矛盾も存在しない。
夢と幻は雑念である。脳裏から払拭すべきものである。精神統一 (現実への集中) の妨げになる。
現実を直視すれば、考えらしきものが出てくる。それを文章にできないところが、日本人の弱点である。
英米人の夢は、信頼できるものであり、つじつまが合い実現可能なものである。
英文には未来時制の文章があり、その意味がある。もし矛盾があれば、それを確認し排除できるものである。
アイディアは、世界観として脳裏に展開が可能である。
夢は希望になる。生きがいになる。
非現実の内容を現実の内容に変換する現実対応策の制作は知的作業 (夢の実現) になる。
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/
投稿: noga | 2012/12/18 09:22