ミズナラの樹上に生えたエゾマツ
以前、「木の上に生えた木」という記事を書いた。今年、同じ場所に行ったのだが、このカツラの樹上に生えたエゾマツは、まだ健在だった。
こんなふうに高木の上に根を張った木はそうそう見られるものではないと思っていたのだが、先日、上川管内のとある林道でまた同様の木を見つけてしまった。
こんどはミズナラの幹から生えたエゾマツ。このミズナラは幹折れしたようだ。その際に幹に亀裂が入り、そこにエゾマツの種子が落ちて発芽したのだろう。
エゾマツが生えているカツラの枝は枯れていたが、こちらのミズナラはまだしっかり生きている。
地上に落ちたエゾマツの種子の大半は土壌中の暗色雪腐病菌によって育つことができない。このために、もっぱら暗色雪腐病菌がいない倒木の上やコケ地などに落ちた種子によって次世代のエゾマツが育つのだ。これを倒木上更新(倒木更新)という。エゾマツの森を存続させるには、風倒などで生じた倒木を処理してはならない。
発芽できる条件があれば、樹上でもこんなふうにある程度は育つことができるのだろう。それにしても、このエゾマツはいつまで生き続けることができるのだろうか。
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