えりもの森裁判控訴審が結審
7日は「えりもの森裁判」の口頭弁論があり、結審だった。
控訴審がはじまってからの経緯については前回の記事に書いたが、原告らが現場の写真を証拠として提出し、価値のある木が多数伐られて現場に放置されていることを示したことに対し、北海道は「写真では場所が特定できない」という驚くべき主張をしはじめた。
現場を熟知している森林管理者が、原告の提出した現場写真が本件現場であると認めないというのであれば、管理者としての資格がないだろう。「写真では場所が特定できない」などというのは言い逃れでしかないし、まるで私たちが嘘の証拠を出していると言わんばかりだ。
北海道の代理人である藤田美津夫弁護士は、被告である道職員の説明にしたがって準備書面を書いているのだろうが、弁護士も現地に行っているのである。こういう言い逃れの主張を平然するというのはいかがなものか。いくら依頼人に不利なことでも、事実は事実として認めるべきだろう。
このために、原告側は自然保護団体のメンバーら4人の陳述書を証拠として提出した。原告が証拠として提出した写真が本件現場のものであることを証言する陳述書だ。被告の言い逃れの主張のために、こんな当たり前のことでいちいち書面を出さねばならないのである。
被告側はあと一回反論をしたいとのことだったので、最後にもう一度書面を出して高裁での審理が終了する。
「受光伐」(幼樹・稚樹の育成のために上層木を抜き伐りする)として376本の立木を販売する契約を行ったのに、実際にはほぼ皆伐され403本もが「地ごしらえ」と称して過剰に伐られていたのである。また伐採跡地には一面トドマツの植林がなされていた。常識的に考えれば、おおよそ「受光伐」などと言える伐採ではなく、拡大造林そのものだ。これほどの過剰伐採をしておきながら北海道は証拠も示さずに「損害はなかった」と主張している。
控訴審での1回目の口頭弁論で裁判長は「いくらかでも損害があったら原判決を破棄せざるを得ない」と述べた。ということは、控訴審では一審の判決を破棄するか否かを判断するというスタンスのように思われる。裁判長にはぜひ常識的な判断をしていただきたいと思う。
判決は10月25日、札幌高等裁判所で午後1時10分である。
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