私が文芸社の組合結成を支持する理由
先日「文芸社にとうとう東京管理職ユニオンの支部が結成」という記事を書いたところ、被害者を騙る人物から嘘や誹謗中傷、脅迫を含むコメントが複数寄せられたので、嫌がらせと判断した。
このような方を相手にするつもりは毛頭ないが、この方は、文芸社の社員の肩を持つことは被害者感情を逆なでするものだ、金を返せ、という主張をしていた。この点については同じ感想を持つ被害者の方もいるかもしれないので、私の考えを明らかにしておきたい。
私は文芸社(日本文学館を含む)の社員が著者を悪質な商法に勧誘することを容認するつもりは全くない。西瓜谷南瓜氏は契約をとる仕事をしているとのことだが、その仕事自体を容認するつもりは全くなく、むしろ被害者を生みだす仕事であると認識している。
しかし、文芸社の社員はそのような仕事をやりたくてやっているわけではない。会社がやらせているのだ。社員の行っている勧誘に問題はあっても、つきつめれば会社の倫理に係る問題なのである。そもそも著者が契約をした相手は社員ではなく、代表取締役だ。もし裁判を起こす場合は代表取締役を相手にすることになるだろうし、「金を返せ」という主張も代表取締役にすべきことだ。
社員が悪質商法への勧誘をしたくないという理由で会社を辞めたとしても、別の社員が同じことをやるだけで、悪質な商法を辞めさせることには繋がらない。また、会社を潰すことでも解決にはならない。現に、同様の商法を行ってきた碧天舎や新風舎は倒産したが、他社によって同じ商法が続けられている。そして、会社が倒産したなら下請けの企業や著者、社員などに多大な被害をもたらすのだ。
被害者が被害回復を求める相手はあくまでも会社の最高責任者である。そして、不当な扱いを受けている労働者が対峙するのも会社の経営陣である。被害者も、労働者である社員も、問題解決を求めて対応すべき相手は会社の経営陣なのだ。
そしてもう一つ忘れてはならないのは、労組というのは何も労働条件だけを問題にして闘っているわけではないということだ。
西瓜谷南瓜氏のホームページをご覧いただきたい。以下のように書かれている。
既に退職したんだけれど、未払い残業代があるはず・・・過去の休日出勤、手当てはどうなってるんだろう・・・あれ?就業規程と違うのでは・・・退職金制度をつくろうよ・・・不正行為を正したい・・・派遣なんだけど正社員になりたい・・・告げ口、陰口、嫌がらせ・・・会社にモラルと常識を・・・
「会社の不正行為を正したい」「会社にモラルと常識を」とあるが、これは被害者の方たちが会社に求めることと同じだ。そして西瓜谷南瓜氏は、日本文学館のコンテストの受賞者捏造疑惑問題で不正を正そうとしている。会社の不正行為をなくしたいという思いがあることが理解できる。
もう一度言っておこう。社員だって、やりたくて悪質商法に手を貸しているわけではない。自分が働いている会社のことを悪質企業などとは言われたくないだろうし、まっとうな会社であってほしいと願っているはずだ。しかし、そんな願いは社員個人の力だけでは叶えられない。労組の力を借りることで、その願いが実現できる可能性もある。
労組は、会社内部から悪質商法を改善していこうという動きの原動力になり得るのではなかろうか。だからこそ、私には文芸社の労組を歓迎したい。ただし、西瓜谷氏が単に労働条件の改善だけを求める組合活動しかしないということであれば、とりたてて支持するつもりはない。
また、このような行動は非常にエネルギーを要することであり、嫌がらせとの闘いでもあると予測される。組合結成の記事を書いただけで、私にさえ嫌がらせがくるのだ。実際に矢面にたっている西瓜谷南瓜氏への圧力は大変なものに違いない。だからこそ西瓜谷氏には頑張ってもらいたいと思う。
幸いにも、東京管理職ユニオンでは会社側に名前を伏せたまま加盟ができるそうだ。こうしたシステムは社員にとって強い味方になるだろう。
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