検診は意味がないし医療被ばくは癌のリスクがある
現代ビジネスに興味深い記事がある。
岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
日本では検診が当たり前のように行われているし、それに疑問を持つ人は少ない。行政は未だに早期発見・早期治療といっては検診を呼び掛けているし、ピンクリボン運動をしている民間団体も早期発見・早期治療を呼び掛けている(民間とはいっても理事長は医師だが)。
また、病院に行けば必ずといっていいほど検査漬けになる。もちろん診断や治療のために必要な検査はやむを得ないが、過剰な検査がきわめて多いのが実情だ。私の親族が医療機関にかかったときの経験でも、病名が特定できているのに「念のため」「他の原因の可能性も調べたい」などという理由でCTやらMRIなど次から次へと検査漬けにされた。検査を断ると「再発しても責任をとれない」と、まるで脅しのようなことを言われた。医者からこんなふうに言われたら、検査を断れる人は少ないだろう。
福島の原発事故が起きたとき、被ばく量を「X線検査と比べて・・・」「CT検査と比べて・・・」と、しきりに医療被ばくを持ち出して「安全」だと強調している人がいたが、日本ほど検査による医療被ばくが多い国もないのだ。
岡田氏によると、欧米の研究者の間では大がかりな検診は意味がないという認識が広まっていて、「人間ドック」などというものもないそうだ。日本では効果も実証されていないのに、検診があたかも寿命を延ばすかのように喧伝されている。早期発見・早期治療で寿命が延びるというのは事実ではないばかりか、医療被ばくによって癌になる危険があるというのだから、安易に検診を受けるのは考えものだ。なお、近藤誠医師も以前から岡田氏と同じようなことを言っている。
もちろんそうした「検診神話」が広まる背景には、検診で儲けようとする医療機関があり、医療ムラがある。「神話」を振りまき国民の命より利権を大事にする構図は原子力ムラと何も変わらない。日本ではどっちを向いても「お金」「利権」ばかり。日本ほどの利権大国もなかなかないのではなかろうか。
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