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2012/01/11

続々と出ている健康被害をどう考えるか

 昨晩はIWJ(岩上安身さんの主宰するインターネットメディア)による「ぬまゆ」さんこと沼内恵美子さんのインタビューが放映された。

 沼内恵美子さんは以前も紹介したが、南相馬市にお住まいで、ご自身の体調などについてブログで報告されている方だ。以下がそのブログ。最近のアクセス数は目を見張るものがあり、かなり注目されている。

ぬまゆのブログ

 彼女は、昨年の9月ころから倦怠感、体温の上昇、血圧の上昇、発汗、左足大腿部の痛み、目が開けられない、水泡などの症状が現れるようになったそうだ。10月には、歯がポロポロと抜けはじめ、今はあちこちの歯が抜けたり欠けたりしている。また11月には抜け毛が顕著になり、今は短く切ってウイッグを使用している。指の浅い傷から突然大量の出血をしたり、足の爪が外れるなど、自分でも驚くようなことが立てつづけに起きているそうだ。

 また、42歳の友人も髪がどんどん抜けてあまりにも薄くなってしまったためにウイッグを使用し、倦怠感が凄いとのこと。沼内さんの旦那さんは、突然鼻血が大量に出たそうだ。

 沼内さんはいくつもの病院に行ってもいろいろな病名がつけられ、医師も原因が分からないという。彼女は被ばくが原因であると特定できないために、原因についてはブログには書いていない。

 岩上さんのインタビューの途中に、木村真三さんのインタビューが挿入されていた。木村さんは沼内さんの症状について、ストレスによる自己免疫疾患の可能性が高いという見解だ。放射線の影響について否定はしないが、しかし、彼女の場合は夏までのストレスが秋になって現れたのではないか。そのストレスは原発が原因だから、原発事故の被害者であることには違いない、と言われていた。

 しかし、彼女自身は特に不安やストレスは感じていなかったと話しているし、公務員として教師をしていたときは大変なストレスがあり、それと比べたら「1対1京」だという。彼女は、因果関係が分からない以上、その記録を残しておきたいということだった。

 確かに、彼女の症状の原因が被ばくによるものだとは断定はできない。しかし、健康でストレスもほとんど感じていなかった人にこれほどまでの症状が出ている事実を、単に「ストレスによる免疫疾患」と片づけていいものだろうか? 木村真三さんの見解は、どうもしっくりとこない。

 テレビや新聞ではまったく報道されないのだが、インターネット上では原発事故以来、鼻血、下痢、喉の痛み、倦怠感、あざ、爪の異常、抜け毛などなど多数の症状が次々と報告されている。それらは低線量被ばくで現れる症状と共通している。以下のサイトを参照していただきたい。

 こどもと未来をつなぐ会・町田のサイトの【低線量被ばく調査】

関東全域で健康被害広がる~500件の異変報告から(OurPlant-TV)

 それだけではなく、若者の不可解な死亡事例もある。

若年死亡(20歳以下)のまとめ(院長の独り言)

 もちろんこれらの全てが放射能の影響だとは言わないが、しかしこれほど多くの人が「今までに経験のないような症状」を訴えていることからも、原因をすべてストレスにしてしまうのは無理がある。

 私自身も、昨年は3月下旬、7月中旬、11月初旬に東京に行ったのだが、特に7月に行ったときはずっと喉が痛く、北海道に戻ってきたら治まったという経験がある。風邪もひいていない真夏に喉が痛いというのは本当に不可解な体験だった。

 「放射能との因果関係が証明できない」ということは「放射能が原因ではない」とイコールではない。チェルノブイリの事故の後も同じような症状がみられているのであり、疑いを抱くのは当然のことだ。

 木村真三さんが言うように原発事故による放射能汚染が東北や関東に住む人たちのストレスになっていることは否定しない。しかし、体調異変の原因をストレスだと思い込んでしまうのはあまりにも危険だ。本当は被ばくが原因であるのに「ストレスのせいだろう」と高をくくって被ばく対策を怠り、取り返しのつかないことになってしまったらそれこそ悔やんでも悔やみきれないだろう。

 チェルノブイリでは放射線量を測定して「ここはそれほど汚染されていないから大丈夫」だと言われて住み続けた場所で、後になって多数の健康被害が出ているのだ。低線量被ばくによる健康被害は時間がたたないと現れてこない。だからこそ、チェルノブイリに学ばなければならないのだ。あとで後悔しないためにも「ストレス」で片づけてしまっていいわけがない。目をそむけたくても現実を見なければならないと思う。

 チェルノブイリで何が起こったのか、以下の記事をよく読んでほしい。これは必読だ。

ドイツTAZ紙:デルテ・ジーデントプフ医学博士インタビュー

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コメント

私、最近疑問に思っているんですが、原発と原爆とどう違うんでしょう?
さっき簡単にですが調べてみた所、原爆症の症状と上記に書かれている症状がほぼ同じ類であると思われます。

すぐにでるものでもないですし、その後生まれる子どもにも影響を与えると原爆にあった方は、その後大きな差別を受けています。

今の原発もそれに当たる状態と思います。

今現在症状がある方の対処がなにより大切ですが、ある程度組織が指揮しないことには個々人が訴えても点の発言としてもっと大ごとにならない限り取り上げられないでしょう。
そうじゃなくても真実が報道されてるかどうか怪しいものですから。

先ほどニュースで報道していましたが、エコを優先し原発を廃止すると宣言しているドイツでさえ、電力が足らないとオーストリアから一時電力を借りたそうです。
オーストリアは普段動かしていない原発所を稼働させてドイツに供給したそうです。

すぐに原発をどうにかすることは世界的に言っても無理なのかもしれませんね。

クリスティーヌ様

原爆と原発は、核エネルギーを利用しているという点では同じです。原発も事故を起こせば人工放射能が飛散するわけで、この点も原爆と変わりません。原爆による健康被害と原発事故による健康被害も共通性が多々あります。もっとも放出される核種によって、人体への影響も多少異なってくるとは思いますが。以下ご参考まで。
http://onodekita.sblo.jp/article/48286644.html

本来なら事故を起こした東電や国策として原発を推進してきた国が責任をもって対処しなければならないことです。しかし、彼らは嘘をついて責任逃れをしようとするばかり。国に対処を任せていたなら、人々は見殺しにされます。ですので、一人一人が信頼できる情報を収集し、自分の身を自分で守らなければならないというのがこの国の現実です。

となると、一人一人が真実の情報を広めたり、何らかの行動をしていくしかないと思います。「個人が訴えても変わらない」と思ってしまうのではなく「個人が訴えることで変えていく」という発想に立つことが大切なのではないでしょうか。諦めてしまうと、原発推進派の思う壺です。

日本の場合は、火力発電所をどんどん休止させ、その一方で電力を湯水のように使わせ、原発をどんどん増やしてきたという歴史があります。電力が足りないから原発を増やしたのではなく、原子力ムラの人々が原発を増やしたいがために電気を湯水のように使わせたのです。それだけ原発は利権が絡んでいるということです。

ですので停止していた火力発電所を稼働させたり、節電の工夫をするなどをすれば、すべての原発を止めても電力は足りるというのが実態です。今は日本の原発の大半が止まっていますし、4月にはすべての原発が止まります。それでも停電は起きていません。今後、自然エネルギーを増やすことで火力発電も減らすことができるでしょう。

もっともフランスのように電力の大半を原発に頼っているような国はそうはいかないでしょうね。しかし、これからは世界的にも原発を減らす方向にしないと、それこそ地球全体が放射法汚染されかねません。

クリスティーヌさんのコメントに、記述間違いがあるので、一応指摘しておきます。

クリスティーヌさんが見たのはこのニュースでは?

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00215117.html

FNNは、「オーストリアの原発を再稼働させてドイツに送った」などとは一言も報道していません。

火力発電所を急きょ、稼働させて隣国のドイツに電気を送っているのです。

オーストリアは、世界唯一、

「国家として原子力発電を法的に禁止している」

国家ですから、原発など1機もありません。それゆえにIAEA(国際原子力機関)が、核の中立の意味でオーストリアに本部を置いているのです。

明らかな誤りですので、訂正させていただきました。

気を悪くしたらごめんなさい。

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