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2011/10/07

家庭菜園の収穫と原発事故

 今まで我が家の庭は花壇が主体だったのだが、今年は原発事故を受けて少しでも安全な野菜を自分でつくってみようと思い、馬鈴薯・大根・人参・枝豆・レタス・ミニトマト・ピーマンを植えてみた。写真は8月下旬に撮ったもの。

 レタス・ミニトマト・ピーマン・大根は適宜収穫していたが、8月に馬鈴薯、9月に枝豆を収穫した。馬鈴薯の品種は「さやか」と「男爵」で、収穫量はまあまあというところか。

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 枝豆はゆでて冷凍したほか、「ずんだご飯」にしてみた。これは長野県に住む叔母のところで以前ごちそうになったもので、叔母から作り方を教えてもらった。といってもしごく簡単で、やわらかくゆでた枝豆を擂鉢でよくすりつぶし、水を加えてとろろいも状にし、塩で味付けをする。それをご飯にのせて食べるというものだ。これがなかなか美味しい。擂鉢でするのがちょっと大変なのだが、新鮮な枝豆が採れたときには一度は作ってみたい一品だ。

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 大根は「おろし蕎麦」で何回も食べ、先日は切干大根もつくってみた。そろそろ残りも収穫しなければならない。人参はあまり大きく育っていないようだが、収穫はこれから。

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 10月に入り北海道はめっきりと寒くなった。2日、3日は氷点下まで下がり、家庭菜園のトマトとピーマンは霜であっけなく枯れてしまった。トマトもピーマンもまだ花が咲いて小さな実をたくさんつけていたというのに、なんとも勿体ない。寒冷地では実物野菜の収穫期間はほんとうに短い。

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 プランターに植えたパセリは、霜が降りる前日に家の中に取り込んだ。ときどき収穫しては、刻んで乾燥パセリにしている。パスタやスープに重宝する。

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 今年ナス科の作物を作ったところには来年はナス科作物を植えられない。馬鈴薯畑にしたところは、来年はかぼちゃにしようかと思案中だ。枝豆も今年より増やしてみよう・・・。ただ、本来なら楽しい菜園計画も、水田や畑が放射能汚染されてしまった農家のことを思うと楽しい気持ちにはとてもなれない。

 先が見えない前代未聞の原発事故は日本各地の耕作地を汚染させた。生命の源である食糧が放射能で汚染されてしまったのだ。どれほどの農家の方たちがこの恐ろしい被害をこうむったことか。考えるだけでも背筋が寒くなる。苦労して無農薬・有機栽培をしていた農家の方たちはどうしているのだろう。もし福一が水素爆発でも起こしたら、北海道とて安心できなくなる。

 この計り知れない損害を東電や国はどう考えているのだろう? あの信じがたいほど高い暫定基準値を維持し、汚染された食べ物を流通させ続ける政府は、国民に被ばくしてもらうしかないとでも思っているのだろう。内部被ばくの影響が目に見えて表れてくるころには、今の責任者は変わっているだろうから、無責任な発言も平気でするのだろう。人々を騙し裏切り続ける原子力ムラの人たちのなんと残忍で厚顔無恥なことか。これからのことを思うと言葉もない。

 放射能はじわじわと遺伝子を傷つけ、何世代にもわたってこの国の国民の健康を蝕んでいくだろう。日本ばかりではない。この国はすでに世界の人々に対して加害者だ。

福島原発事故、遺伝子突然変異は人類にとっての問題(swissinfo.ch)

 思えば3月、テレビであの福島第一原発の爆発映像を見たとき、腰が抜けるほど驚き、そして数日間は体から力が抜けたような状態だった。頭の中にチェルノブイリの事故が蘇り、とうとうとんでもない事故が起きたという現実を目の当たりにして呆然とした。

 それ以来、東電と政府が事故の過小評価と情報の隠蔽に必死になる日々が始まった。インターネット上での情報操作という姑息なことも臆面なくやる。チェルノブイリの教訓を活かすどころか、その反対の方向へと暴走している。この国の陰湿な部分が一気に表に出てきたかのようだし、世界への恥さらしだ。

 この国はもはや戦争状態なのだが、恐ろしいことにそれが目に見えない。だから人々は健康が徐々に蝕まれつつあってもなかなか危機感を持つことができない。そのことがまた何とももどかしい。こんな状態でも、われわれは命ある限り生きていかねばならないのだ。個人個人が意識をしっかりと持たない限り、家族を守ることもできない。生まれてこのかた、これほどまで悲壮な感覚に襲われた年もない。

 家庭菜園の収穫をしながら、ついついこんな暗いことを考えてしまう。

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