枯れたトドマツに集まるシラフヨツボシヒゲナガカミキリ
我が家の敷地にあったトドマツが大きくなりすぎたため、昨年、全面的に枝払いをして枯死させた。そのトドマツに、夕刻になるとヒゲナガカミキリが集まってくることに気付いた。
集まってくるのは、天気のよい日の夕方から夜にかけてだ。下から見上げると多いときには20頭くらいのカミキリが確認できる。その大半がペアになっている。はじめはヒゲナガカミキリだと思っていたのだが、よく見るとすべてがシラフヨツボシヒゲナガカミキリだった。ヒゲナガカミキリの場合は胸部の側方に白い斑点があるのだが、シラフヨツボシヒゲナガカミキリではそれがない。
さて、ペアになっているといっても交尾をしているわけではない。雌は樹皮をかじって傷つけているのだ。雄は雌の体を押さえるようにしている。
そして、樹皮に傷をつけるとこんどは向きを変えて腹部の先端を傷口に差し込んでいる。産卵しているのだ。産卵の時も、雄は雌の体に脚をかけて押さえている。雄は雌を守っているのだろう。
トドマツの幹を見ると、あちこちにカミキリがかじって傷つけた跡(産卵痕)が残されている。
かつて、大雪山国立公園の十勝三股周辺で伐採が盛んに行われていた頃、土場の丸太に多くのカミキリムシが集まるということで、昆虫マニアの間では有名だった。カミキリムシは伐られた丸太を察知して集まってくるのだ。しかし、カミキリムシのもともとの産卵木は伐採木ではなく自然に存在する枯損木だ。我が家のたった1本の枯れたトドマツですら何十匹ものカミキリムシが集まってくる。一体どうして枯れた木を察知するのだろうか。
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