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2011/08/13

不可解な縦覧文書のコピー禁止の理由

 7月の下旬のことなのだが、「岩松発電所新設工事環境影響評価方法書」の縦覧をしているという情報を得たので、縦覧場所である十勝総合振興局(旧十勝支)に出かけた。これは北海道の環境影響評価条例に基づいて実施されているもので、縦覧期間は1カ月しかない。

 縦覧には自然保護団体のメンバー2人で行ったのだが、縦覧用の資料は一冊しかないという。仕方ないので2人で一冊を見たのだが、もし同時に2人以上の縦覧希望者が訪れたなら先着順ということになるのだろう。遠くからやってきて何時間も待たされたのではたまらない。一冊しか置かないというのはいかなる理由なのだろうか?

 さて、それなりにボリュームのある資料なのでコピーをしたいと聞くと、コピーは禁止だという。それではデジカメの撮影はどうかと聞くと、これもダメだという。理由を尋ねると「北海道電力に著作権があるので・・・」ということだった。

 なんとも釈然としないが、コピーがダメだというのだからメモを取るしかない。それにしても、著作権が北電だから複写が禁止だというのは解せないではないか。何もすべてを複写したいわけではなく、重要部分だけでいいのだし、目的は意見書を書くためだ。それに著作権法では文書などの複写が全面的に禁止されているわけではない。私的使用であればコピーは認められる。著作権を理由にコピーを禁じるのはやはりおかしいのではないか?

 そこで、縦覧文書を返す前に担当者にもう一度突っ込んで聞いてみると、今度は「これは北電の所有している著作物で、こちらは縦覧のために場所を提供しているだけです。コピーについて問われた場合、道庁からそう答えるよう言われています」と何とも事務的な答えだ。条例に基づいて道民に縦覧しているのに、北電の所有物という理由でコピーを禁止するのも変だ。借りているものだからといって私的使用のためにコピーしたらいけないということにはならないだろう。

 岩松ダムの新設工事は北電の事業なのだが、電力会社は独占企業で道民が支払う電気代で成り立っているのだ。それなのに北電の所有物、著作物であるという理由でコピーを取るなというのはふざけた話しではないか。しかも行政文書ではないから開示請求の対象にもならない。

 公共事業のパブリックコメントであれば寄せられた意見は普通ホームページに掲載される。しかし北電の事業の場合、意見は北電に出すことになっており、提出した意見がホームページなどで公開されるのかどうかも分からない。

 いずれにしても、道民にじっくり検討して意見を言って欲しい、という姿勢ではない。

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