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2011/06/20

日本国民の大半は原発に不安を抱き廃炉を望んでいる

 昨日19日付の北海道新聞に、日本世論調査会が今月11、12日に実施した原発についての全国世論調査の記事が掲載されていた。この調査結果によると、現在54基ある原発について「直ちにすべて廃炉」が9.4%、「定期検査に入ったものから廃炉」が18.7%、「電力需給に応じて廃炉を進める」が53.7%、「現状維持」が14.1%、「分からない・無回答」が4.1%だった。廃炉を進めるべきだと答えた人は合計で81.8%だ。

 また、福島の事故後は、「大いに不安を感じていた」と「ある程度感じていた」が合計で94%だった。

 大半の国民が原発に大きな不安を感じ、廃炉を求めていることは明らかだ。福島の原発事故の収束がまったく見えない状況であること、東電が情報の後出しや事故の過小評価ばかりしていることも不安要素や不信感につながっているだろう。

 この世論調査については小笠原信之さんが結果を具体的に示している。

一般国民は脱原発へ着実に認識を改めだしたが、まだ残る不安・・・・・・(小笠原信之のコラムログ「閑居愚考」)

 私はこの数字を見て、マスコミに踊らされている日本人も相当危機感を募らせてきたと思ったのだが、よくよく考えてみたら小笠原氏の指摘しているように「電力需給に応じて廃炉を進める」という人たちが53.7%もいることが気になる。今ここで、原発推進派が真夏の電力供給不足やら経済のことを大々的にアピールしたなら、「現状維持」を選択する人が出てくるかもしれない。前回の記事にも書いたが、現に政府は「電力供給の不安、コストの上昇は国内投資への抑制、企業の海外への回避を呼び起こし、産業の空洞化を招く恐れがある」と、恥も反省もなく原発の必要性をアピールしているのだ。

 やはり、過半数の人たちは不安だと思いながらも、原発推進派の発する「電力不足」「経済の低迷」というアピールに影響され揺れ動いているのだ。

 ところで4号機は非常に深刻な状況らしい。

4号機建屋機器から強い放射線か 水位低下、遮蔽されず(47NEWS)

 この記事では「機器を水に漬けて保管しているピットの水位が低下、水による放射線遮蔽効果がなくなり、露出した機器から強い放射線が出ている可能性が高い」としているが、機器から高い放射線が出るというのはどういうことかと不思議に思った。ピットと使用済み燃料プールが繋がっているなら、燃料プールの水位も低下しているということであり、機器より燃料プールの燃料は大丈夫なのかと危惧するのが自然だ。

 と思っていたら、木下黄太氏のブログでやはり同じ懸念が書かれていた。

要注意:4号機の危機はさらに深刻。プールの使用済み核燃料が危ない。 

 4号機ではこれまでにも何度も大量の水蒸気や煙のようなものが出ていたが、東電は説明を避けていた。今になってこのような新聞記事が出たということは、やはり非常に警戒しなければならない事態ではなかろうか。例のごとく隠しておいてからの後出しだ。2号機の2重扉も開放されたし、放射線物質の大量放出が懸念される状況だ。

 以下の日刊ゲンダイの記事もかなり衝撃的だ。メルトスルーした核燃料がすでに地下水汚染を起こしている可能性が高い。汚染水ももうじき溢れそうだ。

もうダメだ・・・福島の海も川も水道も・・・汚染水決壊カウントダウン

 電力需要とか経済云々いっている場合ではなかろう。

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