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2011/05/15

嘘だらけの東電と政府

 東電はようやく1号機の原子炉建屋の地下に大量の水が溜まっていてプール状態になっていること、そして2号機や3号機もメルトダウンしている可能性があることを認めた。おそらくずっと前からこうした推測はなされていたはずだ。東電は17日に見直した工程表を発表するとしているが、もう誤魔化しは困難と判断しその前に公表することにしたのだろう。

 今日の東電の記者会見によると、温度が上昇している3号機では冷却のための水をかなり増加させているようだ。汚染水の処理もままならない状況の中で注水量を増加させるということは、3号機はそれだけ深刻な状況なのだろう。

 木下黄太さんのブログを見たら、私とほぼ同じ感想が書かれていた。

1号機も2号機も3号機もメルトダウンしているなら、政府はウソを言い続けていたことになる

 原発1基がメルトダウンしただけでも大変なことなのに、3基が同時にメルトダウンし、大量の放射性物質を垂れ流しつづけている事態は前代未聞の大惨事だ。しかし、テレビなどのニュースしか見ていない人たちは、今もそれほど大きな危機感がないのかもしれない。それほどこの国のマスコミは危機感をもって原発の現状を伝えない。未だに多くの国民が危機感を持っていないことがとても恐ろしい。数年経ったら日本の子どもたちにも甲状腺がんや白血病などが急増するのではないかと思うと暗澹たる気持ちになるし、お花見を楽しむ気分にもなれない。

 今日の新聞報道によると、東電関係者への取材によって、震災当日の夜に1号機の原子炉建屋で高い放射線量が検出されていたことが分かったという。そして、「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めたそうだ。地震そのものによる配管破断の疑いについては、田中三彦さんがだいぶ前から指摘していたし、東電が地震当日のパラメーターのデータを出さないことを批判していた。やはり東電は地震そのもので原子炉が壊れたことを隠すために、地震当日の不都合なデータを隠ぺいしていたのだ。

1号機、津波前に重要設部損傷か 原子炉建屋で高線量蒸気(47NEWS)

 東電はこれまで津波による電源喪失で冷却ができなくなり爆発事故に至ったとの説明をしていたが、それも嘘になる。地震当日に分かっていたことを2カ月以上も隠して国民を欺いていたのだ。

 以下は、浜岡原発が耐震性のデータを偽装していたという告発記事だ。原発の耐震性がいかにいい加減なものであるかを証明する告発だ。浜岡原発も津波対策だけでは意味がない。東電も政府もまるで詐欺師集団だ。

浜岡原発元設計し「耐震強度データに偽装があった」と告発(livedoorニュース)

 福島原発のような事故は二度と起こしてはならない。福島原発の事故が収束までにあと何年かかるのか分からないのに、他の原発でも同じような事故が起きたら日本は壊滅状態になるだろう。日本人は住むところも食べるものもなくなる。原発が地震で壊れた以上、日本の原発はすべて停止すべきだ。小出さんの言われるように、電気が足りるとか足りないなどと言っている場合ではない。たとえ足りなくても原発を止め、不便を我慢してでも供給可能な電力で工夫してやっていくべきだ。

 ついでに、東電幹部の年収について。

東電幹部の年収7200万円 海江田さん暴露(nikkansports)

 東電幹部がこれほど高給取りだったとは・・・。庶民の感覚をはるかに超えている。東電は、原発事故で故郷も家も仕事も失い、健康まで失う可能性のある人たちのことをどう思っているのだろうか。まずは被害者の補償のために内部留保を全額出し、高額の役員報酬や給与をカットするなど当たり前だ。

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菅政権が嘘だらけであったとしても、何の不思議もない。

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