御用学者の裏側
御用学者が臆面もなくテレビなどで安心・安全コメントを流し続けている。東電からお金をもらっている彼らは、批判などとてもできないのだ。
こういう関係は何も原発に限ったことではない。国が学問をおろそかにしているので、大学の先生は自分で研究費を稼がないと研究できないような状況になってきている。その結果、研究者としての信念など捨て、なりふり構わずに行政や企業と癒着してしまう。国が御用学者をつくりだしているといっても過言ではない。
もし、信念を貫いて原発の危険を訴え続けたらどうなるのか。京都大学原子炉実験所の小出裕章さんは原発の危険性に気づいてからは一貫して原発反対の立場をとってきたのだが、その結果、今でも教授になれずに助教のままだ。京都大学原子炉実験所には今でも原子力推進の教員もいるそうだ。以下、参照。
http://iwakamiyasumi.com/archives/8030
昨日の北海道新聞に宇根崎博信教授が「一般の人は驚いてしまうだろうか『レベル7』に踊らされる必要は全くない。極論を言えば、仮にそれが環境に放出されたとしても、それによる健康被害を食い止められればいい。それを考えるべきだ」というコメントをしていて驚いた。放射性物質が大量に環境に放出されて大気や土壌が汚染されているのに、どうやって健康被害を食い止めるというのだろうか? そんなことを言うのなら、具体的に方法を示すべきだろう。宇根崎教授は小出さんと同じ原子力基礎工学研究部門の先生だが、論調は小出さんとはずいぶん違う。この不可解な発言をする先生は教授なのだ。小出さんは「直接的な圧力はない」と言っているが、昇進させないということで間接的に圧力を受けているといっていいだろう。
小出さんは今回の事故のことでもほとんどマスコミに出ることはない。もっぱらインターネットを通じてご自身の見解を説明している。そして、東電や政府、御用学者などの予測や安心だという説明はことごとく外れ、小出さんの推測が次々と裏付けられている状況だ。どっちが信用できる情報なのかは一目瞭然だ。
こういう仕組みはこれまで一般の市民には見えていなかったのだと思うが、原発震災によってどんどん暴露されつつある。
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