お金で築いた「原発安全神話」という虚構
前の記事「驚きの合同記者会見」で、25日の合同記者会見の際、フリー記者の田中龍作さんが東電の広告費についてズバリ切り込んだ質問をしたことを書いたが、その広告費について書かれている記事を発見した。高野孟氏がTHE JOURNALに書いたものだ。
まず(1)で紹介されているCM出演料。中部電力の場合は500万円ほど提示されるとのこと。著者の高野孟氏は、「東電は中電などとは格が違うから、CM出演料も倍くらいになるのではないかと推測される」としている。これではお金に欲深い人は簡単に乗ってしまうだろう。まさに買収だ。
さて(2)ではマスコミに払っている広告費が書かれているのだが、東京電力だけで年に680億円ほどがメディアに流れているらしい。その内訳は広告費が約244億円、販促費が239億円、普及啓発費が200億円弱。原子力界・電力業界全体でメディアに流しているお金は年間2000億円に迫るというのだから、いかに原発の安全神話のためにお金を注ぎ込んでいるのかがわかるというものだ。いったい誰が電気代を支払っていると思っているのだろう。
そして、もちろん政治家、官僚の天下り、学者、代議士、暴力団、自治体への交付金など、あらゆる関係者にお金をばら撒いて原発の安全神話をつくりあげてきたのだ。金・金・金・・・お金がすべての世界だ。
記者会見というのは国民のために行っているのだ。東電の広告費はほとんどバレてしまっているのだから、合同記者会見では是非これらの金額について解説していただきたいものだ。
お金によって築きあげられた虚構だから、事故であっけなく崩れ去る「安全神話」。それでもまだ「安全」にしがみつこうとしている人たちのなんと滑稽で哀れなことか。
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