小出裕章さんの話に耳を傾けてほしい
あの大地震以来、気分がすぐれない。頭が重く、嫌な予感が離れない。地震や津波の悲惨な状況や福島原発のあまりにも深刻な事故は、まだまだ悪夢のような現実の入口ではないかという気がしてならないのだ。7日の余震で東北の原発は次々とその脆い正体を現した。近い将来必ず起きるといわれている東海地震、断層の上に建つ浜岡原発、狭い国土に54基もひしめく原発・・・まさに日本は薄氷の上に立っている。こんな危機感は今まで感じたことのないものだ。
ここ数日、原子力資料情報室からの中継がないのだが、小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)が1号炉の状況について解説している。以下は30分ほどで聞けるので聞いてほしい。
1号炉では格納容器内の放射線量が急増し、原子炉の温度も上昇しているという。窒素ガスの注入で格納容器内の圧力が高まっているので、やがて高濃度の放射能が含まれる気体を放出することになるだろうという。どこかの御用学者が「放射線は減ってきている」など安心させるようなことを言っていたが、これからが正念場だろう。また、再臨界している可能性があるが、そうであれば今後の対処も難しくなる。水蒸気爆発という最悪の事態の可能性も残されており、その場合には風向きにもよるが東京にも大きな影響を及ぼさないとも限らない。私たち日本国民は、最悪の事態になったときのことを考えておく必要がある。もちろんそんなことにならないことを願うばかりだが。
以下の動画は、質問している岩上さんの声が聞き取りにくいのだが、やはり福島原発の実態を知るためには重要な指摘だ。長いのだが、時間の許せる方は聞いてほしい。
また、以下のサイトは飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所)と小林武史氏の対談だが、「原子力ムラ」のことや、他の先進国と日本との違いなどについても語られている。やはり日本というのは先進国の中では相当「遅れた国」というほかない。脱原発に向かっているヨーロッパの国を見習わなくてはならない。
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