上関原発の埋め立て工事に全国から抗議の声
上関原発で強行な埋め立て工事が行われ、緊迫した状態になっていることは「上関原発予定地で中国電力が埋め立て工事を強行」 「上関原発の反対運動とスラップ訴訟」 で知らせたが、先日、多くの人の声を届けようということで抗議文への賛同の呼び掛けがあった。数日で約2000人の個人、200の団体が賛同のメールを送信したそうだ。こういう時はメールというツールの凄さを実感する。以下、呼びかけ人からのメールを転載する。
**********
このたびの「上関原発建設計画地の一方的な埋め立て工事に対する抗議文」提出に際し、緊急の呼び掛けにも関わらず、数日間で多数の方達からご賛同をいただきました。
[個人賛同者]1988筆 [団体賛同者]203筆 お寄せいただいたことを、遅くなりましたがご報告します。
尚、賛同者複数名からアドバイスをいただき、抗議文中、「作業員や警備員600名」を加筆し、通産省へ提出した署名「80万筆以上」を「87万筆以上」に訂正しました。
今回はスイスやアメリカからも故郷に思いを馳せる賛同をいただきましたし、旅の途中のピースボート船上からは55名もの賛同がよせられるなど、メールの処理をしながらも感動の連続でした。そして賛同は予想を遙かに越え、膨大な数となり、提出日を一日延期させていただく程でした。
「上関原発問題や祝島の人々に心をよせて、ネットなどを注視している方達が沢山います」「ともに知恵を出し合い、対立を越えていく社会を目指しましょう」こういうメッセージが多く目につきましたが、賛同のほとんどが市民一人一人から寄せられたもので、都会からも田舎からも、高齢の方から若者までと幅広く、素朴なメールの内容からも温かなお気持ちを感じ取ることが出来ました。
呼び掛け活動をしたわたくし達も、実はこういう事には不慣れな市民の一人でしたが、「現地に駆けつけられない者として、何か出来ることはないだろうか」という思いがつのってのことでした。 呼び掛けを広めてくださった皆様の熱意に深く感謝を申し上げると共に、この抗議文提出活動が上関の現地で頑張っておられる皆様への応援となりますよう願ってやみません。以下に団体賛同者一覧と抗議文を明記させていただき、長くなりましたが今回のご報告とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
2011. 03 . 07
「上関原発の問題を知る」全国有志の会
虹のカヤック隊応援団@北海道
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆抗議書面の宛先(6名)◆
内閣総理大臣 菅直人
経済産業大臣 海江田万里
環境大臣 松本龍
山口県知事 二井関成
山口県上関町町長 柏原重海
中国電力株式会社 取締役社長 山下隆
3月1日(火)抗議文と賛同者名簿一覧を6名宛てにメール送信
3月2日(水)再度、書面にて同じものを6名宛てに郵送
賛同者総数2191筆(団体203筆、個人1988筆)
賛同者一覧だけでA4 × 18枚となり、皆さんの熱意を大きな固まりで郵送できました。
◆呼びかけ人◆
「上関原発の問題を知る」全国有志の会
虹のカヤック隊応援団@北海道
[抗議文]
◆山口県上関原発建設計画地の一方的な埋め立て工事に伴う現場での危険かつ強引な作業に強く抗議いたします◆
私たちは、山口県上関町の上関原発計画地埋め立てに関して中国電力が説明を求める地元住民を全く無視した形で一方的に工事を着手し、現場海上及び陸上で危険な作業を強行している事に強い憤りを感じています。
2月21日から中国電力は多数の作業員や警備員600名を動員して強引な埋め立て工事を再開しました。この一方的なやり方に危機感を持った人達が現地に集まり抗議活動をしていますが、それを全く無視する形での強硬な作業の進め方により、23日にはついに祝島の高齢者を含む2人が負傷し、救急車で搬送される事態が起こりました。
現地の人達の抗議活動は現場に駆け付けられない私たちの意志を代表するものであり、中国電力のこのような非人道的で不当な暴力を認めることはできません。
原発問題に限らず、一般市民との十分な論議の場も設けず一方的に力ずくで押し進めていくやり方が、日本社会のあらゆる矛盾を生み出してきたと言っても過言ではありません。それを軌道修正し、問題点を洗い直し、対話と協調を重んじる中から持続可能な社会に育て直したいと願う民意を背負って政権交代は実現したはずです。
私たちは、上関原発計画地の対岸わずか4km先にある祝島の住民9割が30年近く反対の意志を表明していることや祝島の漁師が10億円以上におよぶ補償金を受け取らず、豊かな自然と共に経済的自立と地域活性化を目指して取り組んできたことを知っています。
また、埋め立て予定地の田ノ浦周辺は豊かな漁場であると同時に、スナメリクジラや天然記念物のカンムリウミスズメの生息が確認されるなど、世界的にも希少な動植物の宝庫です。昨年開催されたCOP10では、貴重な生物たちの多様な生態系を育んできた田ノ浦の海が世界的な評価を受けました。このように世界からも注目されている独自の生態系を育む海を埋め立てることが、取り返しの付かない環境破壊を招くというのは衆知の事実であり、環境アセスメントは何のために為されたのでしょうか。
これら、解決できていないたくさんの問題や対話の数々を置き去りにし、祝島島民の会が通産省へ提出した署名87万筆以上の民意を全く無視して埋め立て工事を強行する中国電力の強引なやり方、そしてそれを黙認している行政側の姿勢に対して、私たちは強く抗議を表明すると共に作業の即刻中止を求めます。
« 電気自動車推進の陰にある原子力発電 | トップページ | ササラダニ研究者の平内好子さんを悼む »
「環境問題」カテゴリの記事
- 生物多様性の消失と人類の未来(2024.07.26)
- 香害という公害(2024.07.03)
- 人間活動による地球温暖化の何が問題なのか(2023.09.14)
- グレート・リセットと地球温暖化否定論(2023.04.30)
- 小規模流水発電の普及を(2022.08.12)
コメント