国交省のパブリックコメントの潰し方・国民の騙し方
関良基さんが、「国交省が握り潰した地質学者のパブコメより」という記事を書いている。以下の記事に寄せられたコメントについて書いた記事だ。
ある地質学者(拓大の地形・地質屋さん)が、パブリックコメントで八ッ場ダム周辺の地質のもろさを指摘したところ、そんなものは届いていないと言われた。抗議して追求したところ、締め切り後に届いたので取り扱わない保存箱から見つかったと言い訳をされたそうだ。
私が十勝川の河川整備計画へのパブコメを送ったときにも、似たような不可解な体験をしている。
今から考えると、このブログタイトルは不適切だ。帯広開発建設部の対応は「お粗末」というより「不可解」であり、不都合な意見の排除をしたかったのではと疑われても仕方ない。
関さんも書いているが、国交省は事業を推進するためには嘘も、捏造も、隠蔽も、住民のかく乱も何でもやるのだ。自然保護団体の人たちは、今までの闘いの中で、そういう国の騙し行為を嫌と言うほど知っている。そういう機関であることを、国民は身を持って知っておくべきだ。
地質学者の指摘する、ダムの湛水による地すべりの可能性の問題は、以下の記事にも書いている。地質の専門家の間では広く知られたことだろう。地質学者さんが意見書の冒頭に書いている「河川の流量問題中心だけの議論では、真の治水・利水対策にはなりえません」という指摘は重要だ。
地すべりだけではない。火山地帯の日本では、いつ大規模な噴火が起きて火砕流や泥流がダム湖を襲ってもおかしくない。地震を引き起こす断層だってあちこちにある。ところが、そんな危険性は地域住民には知らされていない。
上高地には何回か行っているが、梓川の峡谷に次々と現れるダム湖には、正直いってぞっとさせられる。この上流には活火山がある。もし大規模な噴火が起き泥流が発生したなら、梓川のダムはどうなるのだろう? ダムだらけの日本には、おそらく危険なダム湖がたくさんあるのだろう。
八ッ場ダムは二重、三重に危険だ。大惨事が起こってからでは遅いという当たり前すぎることが、この国の責任者は分からないらしい。というより、国民の命より、自分の利権のほうが大事らしい。
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