祝島島民の会blogによると、中国電力による強行な埋め立て工事で、反対運動をしている人たちにけが人が出てしまったという。以下の記事を参照。
【緊急報告】中国電力の強引な工事でけが人がでました【抗議のお願い】
上関原発の反対運動では、住民らがもう28年も反対運動を続けている。祝島の漁協は、保証金を提示されても拒否し、島民の大部分が反対をしているのだ。その反対運動も並大抵のものではない。海の上で体を張って阻止している。
辺野古でも多くの人たちが海岸で座り込み、カヌーや漁船で抗議し、海上のやぐらにしがみついて体を張って工事をさせまいと闘っていたが、祝島の島民も同じだ。自分たちの生活の糧である豊かな漁場を破壊させ、危険きわまりない原発に反対するのは住民として当然のことだ。暴力をふるっているわけではなく、不当なやり方に対する意思表示であり抗議行動だ。
ところが、こうした体を張っての抗議行動に対して、2009年に中国電力は訴訟という手段に出たのだ。祝島の漁民2人と町外の支援者2人に対し、作業を妨害して工事が遅れ損害が発生したといって、4792万円の損害賠償を求める裁判を起こしたのだ。さらに、中国電力は反対派の人たちの海への立ち入りを禁じる仮処分請求も起こした。
粘り強い反対運動に対する、中国電力による嫌がらせ訴訟(スラップ)だ。反対運動のリーダー的な人たちを狙い撃ちにし、疲弊させるのが目的だろう。地域の人たちの意見も聞こうとせずに無理やり工事に取り掛かり、現場で抗議行動をする住民らを裁判に訴える。なんと卑劣なやり方だろう。
上関原発ではいくつもの裁判が起こされているのだが、2008年には「自然の権利訴訟」が提起されている。この裁判については以下のサイトをご覧いただきたい。
上関原発自然の権利訴訟
なお、以下に2月20日の祝島島民の会Blog記事を転載する。ここには、なぜ彼らが反対運動をしているのかが説明されている。推進派の漁業者を電力会社が大量に雇い、反対派の漁業者と海上で争わせようとしているのだ。地元の人たちを分断、対立させて翻弄させるというお決まりのパターンだが、こんな露骨なやり方には怒りがこみ上げてくる。多くの人に広めてほしい。
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【緊急】中国電力、週明けにも数百人規模の動員で埋め立て工事を強行か
島民の会より緊急の状況報告です。
中国電力が週明けの2月21日(月)から数百人規模の動員をかけ、埋立て工事を強行しようとしているそうです。
海では祝島を除く近辺の推進派漁業者の船数十隻を自主警戒船として雇って漁業者同士を争わせ、その混乱の中で作業台船を工事海域まで入れようとしているようです。また陸上では、中国電力の社員や警備員、作業員など数百名が建設予定地海岸(上関町田ノ浦)を封鎖し、浜への立ち入りをさせないようにして作業を進めようとしているとみられています。
真偽のほどは不明ですが、社員、警備員、作業員、警戒船の漁業者など、中国電力の今回の動員数の合計は、祝島の人口(500人弱)を超えるのではないか、という話もあります。
これまで中国電力は、祝島をはじめとした上関原発計画に反対する上関町の住民に対し、理解を求める努力も満足にすることなく、裁判、あるいは直接的な力でもって原発建設をむりやり推し進めようとしてきました。そしてそれは今回も同様のようです。
島民の会としては、中国電力がどのような形で作業を強行しようとしてきたとしても、これまでと同様に決して暴力などを使うことなく、そのうえで原発建設に反対し、自分たちの生活を守り、豊かな海や自然をつぎの世代に残す意思を示していきます。
中国電力が2月21日に実際に作業を強行しようとしてきた場合には、このblogをはじめとしてさまざまな人がさまざまな形でその状況を発信することになるかと思います。その際には、各メディアやblog等でその情報を広め、中国電力の暴挙を多くの方々に知っていただけるようご強力をお願いしたいと思います。
また上関原発問題については、ざっと挙げただけでも下記のような現状・問題点があります。
中国電力や山口県、経産省にぜひ抗議、また疑問の声を届けてください。(経験者の方によるとメールよりもFAXの方が相手方にきちんと読んでいただけるとのことです。ただ相手方の業務に支障がでないよう十分ご留意ください)
・地域住民、とりわけ予定地対岸に住む祝島島民の同意や理解もない中での工事の強行
・中国電力は約30年もの間、祝島島民など上関原発建設に反対する人たちへの理解を求める活動を満足にしてこなかったこと、また現状でもできていないこと
・中国電力が地元住民を裁判で訴えて反対運動を止めさせようとしていて、SLAPP訴訟(嫌がらせ訴訟)だと指摘されていること
・祝島の漁業者が約10億8000万円もの漁業補償金の受け取りを拒否して原発建設に反対していること
・推進派の漁業者を電力会社が大量に雇って、地元の漁業者同士を海上で争わせようとしていること
・カンムリウミスズメなど希少な動植物の調査が不十分であることを学会等に指摘されていること
・予定地の陸・海域はCOP10(生物多様性国際会議)でも注目されたほどの「奇跡の海」で、なおかつ日本は2012年までCOP10の議長国であること
・原子炉設置の許可も出されていないうちに埋め立て工事をしようとしていること
・埋め立て許可免許の期限の3年間のうちすでに1年4か月が過ぎ、期限内の埋め立て工事の竣工が事実上不可能な状況であること、しかしそういった状況にもかかわらず工事を強行しようとすること
・上関原子力立地プロジェクトが山下中国電力社長の直轄になったとたんに、上記のような状況を無視して工事を強行しようしてきたこと
中国電力本社
TEL 082- 241-0211
FAX 082-504-7006(←訂正しました2011/2/11)
メール https://cc-www.energia.co.jp/faq/1024/app/servlet/ext_inquiry_a?linkid=904&linkstr=%8C%B4%8E%71%97%CD%8F%EE%95%F1
中国電力 上関原発準備事務所
TEL 0820- 62-1111
山口県知事への提言
TEL 083- 933-2570
FAX 083- 933-2599
メール https://cgi01.pref.yamaguchi.lg.jp/gyosei/koho/chiji-teigen/3teigen.htm
経産省
経済産業省大臣 海江田万里
TEL.03-3508-7316
FAX.03-3508-3316
e-mail: office@kaiedabanri.jp
原子力発電立地対策・広報室
03-3501-1873
上関原発計画を止め、次の世代にこの豊かな瀬戸内の海を残すため、多くの皆様のご協力をどうかお願いいたします。
また長文ではありますが、この呼びかけをblogやML等に転送、転載して広げていただけると助かります。
祝島島民の会
iwaishima@gmail.com
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