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2010/11/13

黒木昭雄さんの自殺とジャーナリストのうつ病

 警察ジャーナリストの黒木昭雄さんの自殺については、ネット上で他殺説がかなり流れましたし、私も以下の記事を書きました。

警察ジャーナリスト黒木昭雄さんの不審な死 
黒木昭雄さんの死(自殺?)についての続報 

 しかし、黒木さんと親しくされていた方たちは自殺との見方のようです。私は読んでいませんが、山口一臣さんが週刊朝日に手記を書かれているそうです。ジャーナリストの古川利明さんのブログによると、山口さんは黒木さんが「最近、うつ病の治療で、睡眠薬を服用していた」と書いているとのこと。「うつ病治療」というのはとても意外でしたが、岩手の事件の追求で精神疾患を患うほどストレスがたまっていたのかも知れません。以下、古川さんのブログ記事です。

三井環(元大阪高検公安部長)氏への「裏金公表阻止を狙った口封じ逮捕劇=冤罪事件」を徹底的に弾劾する

 同じく、黒木さんと親交のあったジャーナリストの寺澤有さんは、インシデンツのHPの「ニュース」で以下のように書いています。

 黒木さんが取材の成果を発表できたのは、一部の週刊誌とテレビ番組、ネットメディア、そして自分自身のブログ『黒木昭雄の「たった一人の捜査本部」』にすぎない。一方、2年以上の地方取材は黒木さんに数百万円の借金を抱えさせ、今年に入り、「家を売らないといけない」とこぼさせるほどだった。警察とマスコミに対する黒木さんの絶望は大きく、それに借金苦が重なり、自殺へ追い込まれたといわざるをえない。

 寺澤さんは黒木さんの遺志を伝えたいとのことで、今年の7月25日に録画した黒木さんと山岡俊介さん、寺澤有さんとの対談の動画を公開しました。黒木さんの追いかけていた岩手の事件のことが語られています。

黒木昭雄さんの最後の映像(1)
黒木昭雄さんの最後の映像(2)
黒木昭雄さんの最後の映像(3)
黒木昭雄さんの最後の映像(4)
黒木昭雄さんの最後の映像(5)

黒木昭雄さんの最後の映像(6)
黒木昭雄さんの最後の映像(7)
黒木昭雄さんの最後の映像(8)
黒木昭雄さんの最後の映像(9)
黒木昭雄さんの最後の映像(10=了)

 10回に分けてアップされているので全部見るのはちょっと時間がかかりますが、この事件の不可解さや奥深さが良く分かります。また、この映像からも、黒木さんが事件の追求にのめりこみ自宅の売却まで考えていたことが分かります。それにしても、この映像が撮られたときには、3カ月後に自殺されるとは考えられないほどの決意が感じられました。うつ病と借金苦があったとはちょっと信じられない思いですが、ならば自殺というのも分からなくはありません。

 それで、ちょっと驚いたのは、この映像に出ている山岡俊介さんもご自身のうつ病をブログで語られていたことです。以下の記事で「このところ抑鬱症状が重くなっている」と打ち明けています。

<新連載>元「フライデー」名物記者・新藤厚の「右翼界交友録」第5回 日本リスク、御巣鷹、よど号、武富士。

 山岡俊介さんといえば、フリーのジャーナリストとして果敢に不正を暴く記事を書き、いくつもの裁判を闘ってこられた方です。黒木さんにしても、山岡さんにしても私のイメージからはうつ病とは縁のないような方だと思っていたのですが、それは私の勝手な思い違いだったようです。たった一人で巨悪に立ち向かうということは、おそらく他人には想像できない大変なストレスや苦悩があるのでしょう。

 山岡さんも黒木さんも、映像からはとても誠実でまじめな方という印象を受けます。不正に対し黙っていられず巨悪に立ち向かう意志の強い方でありながら、またとても心のやさしい方のように感じられます。そんな性格だからこそ、この国の不正の実態、どうしようもない捜査機関やマスコミに対する怒りや絶望感は大きく、ストレスを助長させるのかもしれません。そういえば、やはりジャーナリストの岩本太郎さんも、ご自身のブログでうつ病であることを打ち明けていました。

 マスコミがまったくあてにならない日本のジャーナリズム界で、彼らのようなフリーのジャーナリストの存在はとても大きなものがありますが、そんな彼らが精神的に追い詰められてしまうようなこの国の行く末に、不安を感じざるをえません。

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コメント

関です。
お返事をありがとうございました。

6月24日付で廃刊に追い込まれた香港紙「蘋果(ひんか=りんご)日報」の主筆・馮偉光氏が、27日に香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕されたーーとの報道が流れました。

このブログ記事は2010年まで遡りますが、その後(2018年)、山岡俊介氏は不審な転落事故により大怪我をされていますね。私は最新テクノロジーを悪用した犯罪の可能性を疑っています。

◎追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散(日刊現代)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236581

◎『ケチって火炎瓶』安倍首 相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー(My News Japan)
http://www.mynewsjapan.com/reports/2413
 
いずれにしろ、権力の不正に切り込もうとする気骨あるジャーナリストはさまざまな形で排除されるーーそうした現実が、香港(中国)のみならず日本にもあるということなのではないかと。
そんな日本の現状に強い危機感を覚えます。

関佳子さん

山岡俊介さんの転落事故に関しては、私も犯罪の可能性が高いのではないかと思っています。もちろん確証はありませんが、健康な人が階段から転落して大けがをするなどということは、通常ではちょっと考えられません。山岡さんの場合は放火されたこともありますし、ご自身のウエッブサイトも何度か攻撃されているようで、巨悪を追うジャーナリストは常に危険にさらされているというのが実態なのでしょう。権力者の闇を感じます。

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