イソコモリグモの空白地帯
昨日の記事の続きで、道東のイソコモリグモ調査の話題です。
春国岱のあとは、根室半島です。航空写真では北側の海岸には自然の砂浜はありそうにないために、太平洋側の友知湾から東へと海岸線をたどりました。
友知、長節小沼、昆布盛、浜松・・・と砂浜のある海岸を見ていきました。根室半島から霧多布にかけての海岸沿いには、小規模な沼や湿原などが点在しており、とても雰囲気のいいところがいくつもあります。ひっそりとたたずむ沼沢地は私の大好きな光景です。
さて、海岸は浸食防止のテトラポットなどがあるところも多かったのですが、イソコモリグモが生息できそうな雰囲気の砂浜はあちこちにありました。しかし、いないのです。不思議なくらい・・・(写真は浜中の海岸)。
11ヶ所ほど覗きましたが、霧多布までの間ではとうとう確認できませんでした。厚岸湾以西は以前調査していますが、釧路より東側では確認していません。結局、太平洋側の東端の生息地は、釧路の少し西の恋問ということになりました。
1回の調査で生息が確認できなかったからといって、生息していないと断言することはできませんが、それにしても今回1ヶ所も確認できなかったということは、釧路以東には生息していない可能性が高いでしょう。
野付半島や風蓮湖の砂洲に生息しているのですから、かつては浜中町や根室市にも生息していたと考えるのが自然です。とすると、かつては生息していたものが絶滅してしまったのでしょうか。これについての考察は地史なども考える必要がありそうです。
知床半島は行っていませんが、ここは岩礁海岸なのでたぶん生息していないでしょう。これで北海道の海岸線はほぼひと巡りしました。あとは島嶼が残っています。今のところ島嶼で確認されているのは礼文島だけですが、奥尻島が一番気になるところです。今年はちょっと無理ですが、来年はなんとか行ってみたいと考えています。
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