クモの糸でバイオリン演奏
16日の北海道新聞に「クモの糸をバイオリンの弦に」という囲み記事が掲載されていました。記事には大崎茂芳さんがバイオリンを演奏している写真も出ているではありませんか。15日に北大で始まった高分子学会で、クモの糸を束ねてつくった弦を張ったバイオリンで「荒城の月」の一節を演奏されたとのこと。
大崎茂芳さんといえば、クモの糸の研究の第一人者です。日本蜘蛛学会の大会にもよく出席されているのですが、今年の大会ではお見かけしなかったので、どうしていらっしゃるのかと思っていました。学会ではよく質問をなさって、なかなか意気軒昂な方なのです。クモの糸のバイオリンは柔らかい音色だったとのことですが、蜘蛛学会でもぜひ演奏をしてほしいと思います。
大崎さん、クモの糸をつかってさまざまな実験をされたり、パフォーマンスをされることでも知られています。たとえば、クモの糸がとても丈夫であることを証明するために、大量のクモの糸で紐をつくり、自分がそれにぶら下がってみるなど、普通の人ではちょっと考えつかないようなことも実行されてしまいます。その写真がどこかに出ていないかと思ったら、やっぱりありました。以下の連載の2ページ目に掲載されています。
なんと19万本もの糸を集めたというのですから、気の遠くなるような話です。かと思ったら、こんどはバイオリンの弦をつくってしまわれたのです。すごい発想ですね。クモの糸をこんなふうに魅力的に紹介されている方はほかにはいないでしょう。
ただし、クモの糸というのは蚕のように簡単に集めることができません。動物食のクモは多数飼育することも困難です。「カイコからクモの糸?」という記事に書いたように、遺伝子組み換え技術でクモの糸を多量に生産するという試みも行われているようですが、自然界にない生物を作り出してしまうことだけは賛成できません。
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