登山者あれこれ
14日、トムラウシ山に行ってきました。といっても頂上までは行かず途中で帰ってきましたが。お盆休みと束の間の好天のためか、山はとても賑わっていました。写真は通称「トムラウシ公園」と呼ばれているところです。雄大なトムラウシ山を背に、高山植生と岩塊地、池塘の織りなす特有の光景の美しさは、言葉では言い表せません。
それにしても、登山者はさまざまですね。この日一番驚いたのは、トムラウシ山まで走って往復していた人がいたことです。歩いて登るだけでも大変なコースなのに、すごい脚力と心臓の持ち主がいるものです。これまで自転車で山に登っている人を見たことが二回ほどありますが、走って登り降る人ははじめて出会いました。
この日は単独で登山をしている男性が目立ちました。健脚向きの山ということもあるのでしょう。他の山に比べて女性はちょっと少なめのように感じました。
そんな中で驚いたのが、帰りにすれ違った中高年(高齢者の方が多いか?)の女性を主体としたパーティーです。10人ほどで、1人だけ高齢の男性が混じっていたようです。出会った時間や荷物の多さから考えるなら、日帰りではありません。南沼のキャンプ場まで行く予定なのでしょう。
かつて(私が学生の頃ですから30年以上も前でしょうか)は、大きな荷物を背負って縦走をしている女性パーティーといえば、女子のワンダーフォーゲル部くらいでした。女性の高齢者主体のこのようなパーティーは見たことがありませんでした。今の女性の中高年登山者はほんとうに元気で逞しい! それにしても天気予報では翌日は下り坂。何事もなければいいのですが。
それから、意外だったのが若い人の姿が目立ったこと。近年の中高年の登山ブームで、最近はどこの山に行っても中高年登山者が圧倒的だったのですが、若い男性の単独あるいは数人のパーティーのほか、子ども連れも二組見かけました。
トムラウシは岩塊地があちこちにある山ですが、ナキウサギの絶好の生息地になっています。コマドリ沢の岩塊地で休んでいたら、ナキウサギが人おじもせずに岩の上にちょこんと姿を見せ、かわいらしい姿をじっくり見ることができました。ひとまわり小さい、今年生まれの子どものナキウサギも出てきましたし、雌の成獣も瞑想ポーズを存分に見せてくれました。雄の鳴き声も聞こえてきます。登山者の大半は山頂を踏むのが目的なのか、もくもくと頂上を目指していましたが、どれくらいの登山者がナキウサギを見たのでしょうか。登山道のすぐ横でこんな光景が見られるのに、ほとんどの人が足早に通りすぎていました。
トムラウシ山は日本百名山ともあって登山者が多いのですが、とにかく行程が長いので日帰りでゆっくりと自然を楽しむことが困難です。でも、多くの人が「日本百名山」の登頂を目指し、頂上を踏むことを目的にしているようでした。私はピークハンターではないので頂上に行かなくてもちっとも気にならないのですが、登頂だけを目的とした登山というのはなんとも味気なく、また勿体ないように思えて仕方ありません。
« がん検診・がん治療を問う「乳がん後悔しない治療」 | トップページ | 森林生態系保護地域についての意見はどう反映されるのか »
「自然・文化」カテゴリの記事
- いくつになっても変わらないこと(2023.11.26)
- 晩夏の浮島湿原(2018.08.22)
- 「お盆休み」をなくして融通性のある「夏休み」に(2018.08.13)
- 原野の水仙(2017.05.11)
- 石城謙吉さんの環境問題講演集「自然は誰のものか」(2017.01.29)
コメント
« がん検診・がん治療を問う「乳がん後悔しない治療」 | トップページ | 森林生態系保護地域についての意見はどう反映されるのか »
こんばんは~
もしかして前トムから少し行ったところで
引き返した方でしょうか?
僕も14日から単独でトムラウシ山に登りました。
南沼でテン泊しましたよ~
中高年の女性グループもいましたね。
九州から来ていたようです。
投稿: 露天風呂マニア | 2010/08/16 21:28
露天風呂マニア様
そうですよ! 前トムの少し先の、トムラウシ公園を見下ろせるところまで行って引き返しました。あのあたりですれ違った方でしょうか。ブログを拝見しましたが、黄色いザックカバーと二本の杖に、見覚えがあります。
前トムの登りの途中から腰痛が出てきたのと、帰りの体力もとっておかなければならないと思い、無理せずにのんびり引き返すことにしました。でも、高山帯の景色は十分楽しめました。
トムラウシの場合は、日帰りだと余裕のある山歩きはできないですね。でも、途中で引き返したので、行きも帰りもコマドリ沢の岩塊地でたっぷりとナキウサギを見ましたよ。
あの中高年の女性グループははるばる九州から来ていたのですか。
投稿: 松田まゆみ | 2010/08/17 14:04