銭函海岸の風力発電計画を考える(その9)
日本風力開発は去る6月20日に、札幌市の手稲区民センターで住民説明会を開きました。風車建設予定地から最も近い場所にある山口団地の住民など約200人が出席したとのことですが、団地以外の住民を入場させなかったそうです。住民の方たちからは、低周波音による健康被害や自然破壊などについての意見が相次いで出されたとのこと。つまり、住民の多くはこの計画に反対であったり、日本風力開発の説明に納得していないのです。この説明会のことは以下の北方ジャーナルの記事に詳しく書かれています。
この記事によると、日本風力開発は「風車からは人体に影響を与える低周波音は観測されていない」など、まるで健康被害などないかのように説明しています。さらに風力エネルギー研究所の担当者は、風車の低周波音に関するネット情報はすべて正しくない、観測されていないと説明したとか。これは虚偽説明といえるのではないでしょうか。多くの報告事例があるのにこんな説明を平然とするとは、信じがたいことです。
で、驚いたのは、日本風力開発はその説明会の翌日である21日に「新エネルギー導入促進協議会(NEPC)に補助金の申請をしていたとのこと。結局住民への説明会は単に「説明をした」というアリバイづくりだったのでしょうか。
また、北海道新聞の報道によると、日本風力開発は7月に環境影響評調査書をまとめ、11月から設計に入る方針を示したそうです。住民の意見を無視し、あくまでも強行姿勢を貫くつもりでしょうか。
写真は、5月に道南にイソコモリグモ調査に出かけた際に撮影した風車です。すぐ近くに行ったら風車がすごい音を出しているんですね。遠くから見ているだけではわかりませんが、この音にはゾッとしました。とてもこんな風車の近くには住みたくありません。
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