風力発電による健康被害問題
5月4日付けの北海道新聞に「風力発電に逆風」とのタイトルで、小樽の銭函海岸に計画されている風力発電計画のことが大きく掲載されていました。自然破壊のほか近隣住民への健康被害が懸念されており、市民団体が反対しているほか札幌市も懸念を示しているという内容です。銭函海岸での風力発電計画についてはこのブログでも連載で取り上げてきましたが、この計画では20基もの風車の建設が予定されており、北海道では2番目の規模とのことです。
北海道の海岸近くでは近年ずいぶんと風車が目につくようになりました。しかし、風車の建設では自然破壊や健康被害などをめぐってあちこちで問題が発生しています。「南豆の和」というサイトに風力発電の問題点がよくまとめられています。
風車から発生する低周波音による健康被害は、マスコミではそれほど報道されていないのであまり知られていないと思いますが、以下のページにわかりやすく説明されています。
低周波音というのは人の耳には聞こえない周波数の音で、風車はその低周波音の発生装置となっているのです。個人差はあるものの、睡眠障害をはじめ頭痛、耳鳴り、吐き気、抑うつなど大変な健康被害があり、犬や猫にも影響が出ているとのこと。ヨーロッパなどでは海に風車を建設しているところも多いと聞きますが、浅い海では海中にまで影響を及ぼすといわれているので、周辺に生息する動物たちにも影響を与えているのでしょう。風車というのは環境や動物への負荷が大きい発電施設といえそうです。
昨今では、クリーンエネルギーとの名の下にさまざまな事業に税金が投入されていますが、自然エネルギーなら何でもいいというわけではありません。できるだけ無駄なエネルギーを使わない生活を心がけるとともに、太陽光や風力、あるいは水力などの自然エネルギーは小規模な利用にとどめることが望ましいのではないでしょうか。
考えてみれば、親あるいは祖父母の代は今よりずっとずっと少ないエネルギーで生活できていたのです。ところが経済成長とともに莫大なエネルギーが消費されるようになり、大量生産と大量消費という無駄遣いが当たり前のようになってしまいました。家庭から吐き出される大量のゴミがそれを物語っています。
経済成長とともに自然が破壊され、お金と物欲に目がくらみ、人々の心まですさんでしまったのが今の日本の社会です。昔の生活に戻るということにはならないにしても、自然に対して謙虚になり、物を大切にする生活を見直すことが求められているのではないでしょうか。
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