« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010/05/31

森林シンポ「森林と生物多様性」のお知らせ

 しばらく調査やら何やらで多忙にしており更新が滞っていましたが、久々の更新です。

 今日は、今週の土曜日に札幌で開催される森林シンポジウムについてのお知らせです。主催は日本森林生態系保護ネットワーク主催(Confe Japan)で、テーマは「森林と生物多様性」。北海道から屋久島、沖縄の森林問題と生物多様性について、現場で調査に関わっている方たちからの報告があります。札幌近郊にお住まいで森林問題に関心をお持ちのかたは、ぜひお越しいただけたらと思います。

               **********

森林シンポ in 札幌 「森林と生物多様性」~大雪山から沖縄・やんばるまで~

 “生物多様性の保全”が強調されていますが、多様性を支えるべき森林の現状はどうでしょうか。世界遺産・屋久島の森は? 植物と動物のたくみな共生の仕組みとは? 大雪山国立公園の森は・・・? やんばるの森は・・・?

 私たち“日本森林生態系保護ネットワーク”は、北海道から沖縄まで各地の森林を精力的に調査し保護活動を行っています。北海道では大規模林道を中止させ、道南のブナの違法伐採を摘発し天然林伐採を一切ストップさせ、大雪山国立公園の皆伐問題を摘発し、やんばるでも網の目の林道建設をストップさせています。市民のみなさまに、守の「真実」を知っていただき、森の未来のために積極的に提言していきたいと考えています。森の関心のある人、森の今を心配している方、ぜひお集まりください。

日時:2010年6月5日(土)14:00時開演(13:30開場)~17:30終了

会場:かでる2・7 8F・820研修室(札幌市中央区北2条西7丁目)

参加:無料 資料代200円

【講演】

「世界遺産屋久島における生物多様性保全への取り組み」

 手塚賢至(屋久島生物多様性保全協議会会長)

「生物共生系の世界を探る」&「花に魅せられ50年」―河野昭一、さすらいの半生記―

 河野昭一(京都大学名誉教授)

【日本森林生態系保護ネットワークの活動報告】

挨拶 寺島一男(大雪と石狩の自然を守る会代表)

① 「大雪山国立公園における多様性の危機」

 松田まゆみ(十勝自然保護協会共同代表

② 「やんばるにおける多様性の危機」

 金井塚務(Confe Japan副代表)

③ 「森を守るための提言」

 市川守弘(Confe Japan事務局長)  

2010/05/21

銭函海岸の風力発電計画を考える(その8)

 銭函海岸の自然を守る会が、日本風力発電株式会社に以下の要望書を送付しました。クリーンエネルギーを謳って「クリーン」とはかけ離れた横暴なやり方で建設を強行しようとする企業の姿勢が見えてきます。

                  **********

                                    2010年5月19日

日本風力開発株式会社

 代表取締役社長 塚脇 正幸 様

                             銭函海岸の自然を守る会

                              代表 後藤 言行

        北海道小樽市銭函風力発電事業に係る要求書

 この度、貴社が北海道小樽市銭函海岸地域において計画している風力発電施設の建設について、貴社のこれまでの対応の経緯を踏まえて、要求するものです。

 風車建設予定地は、全国的に極めて少なくなった自然砂浜海岸であり、札幌・小樽・石狩市民はもとより、北海道各地・全国からその保全を望む声が上がっています。また、北海道や環境省もその貴重性を指摘し、保全の重要性を表明・強調していることは、別添の環境大臣にあてた「北海道小樽市銭函地区の自然海岸を保全するための要望書」(2010年3月22日)に述べているとおりです。

 風力発電事業は、建設段階で貴重な自然を破壊するだけではありません。風車の稼働による低周波音・超低周波空気振動のために、深刻な健康被害が発生している事実が全国から報告されています。環境省もようやく全国的な被害の実態を調査するようになりましたが、低周波音・超低周波空気振動の悪影響は、人体のみならず、野生生物をはじめとするすべての生物について明らかにされなければなりません。

 銭函海岸の風車建設について、開発等の可否の決定権を有しているのは、小樽市と小樽市民だけではありません。銭函海岸は国民共有の財産であり、企業の営利追求のために破壊してしまうことは到底許されるものではありません。

 この貴重な自然を破壊して風力発電施設を建設しようとしている貴社は、その進め方においても数々の無法や道義に背く行為を繰り返してきました。その内容は次の通りです。

◇情報や資料を隠蔽する

・小樽市民が二度にわたって配達証明郵便で要求した「環境影響評価方法書」の提出を拒む。

・2009年3月24日に「住民説明会を実施した」と主張するが、国会議員の議事録開示要求にも「株主の不利益」を理由に開示を拒む。

・提供すると約束した(2009年11月16日)「江差風力発電所の環境影響評価書」を提出しない。

・2009年12月19日に私たちの主催で開いた集会(事業者を追求する集会)で、アセスメントの中間発表をした際の基になった中間資料について、三度にわたる要求を無視して提出しない。

・しかし、小樽市に提出した中間資料には、札幌市営団地に最も近い2基の風車を図面から削除している。この隠蔽は、北海道小樽土木現業所に提出した「ボーリング調査の場所」の図面の情報開示で発覚した。

◇説明会を開かない、真摯な対応がない

・低周波・超低周波空気振動による人体への悪影響が考えられる札幌市、石狩市で説明会を開いていない。

・小樽市においても、補助金が採択されたその日、2009年7月31日の第1回説明会で「これから何回も皆様と話し合いをもち、十分納得していただいてことを進める」と述べたことと裏腹で真摯に対応していない。

 一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NEPC)の「公募要領」に記載される「地元調整」は、数名の工業団地経営者の同意でもなければ、小樽市長の見解だけでもありません。私たちは小樽市銭函の貴重な自然海岸を破壊する、貴社の風力発電事業計画に再考を求めるものでありますが、風力発電に理解を示す人々でさえ、銭函自然海岸の保全を考え、この大規模な事業計画に危惧を抱いております。そのような人々に対しても貴社は丁寧な説明を行う義務を負っているものと考えます。

 以上のことから、下記の項目について実施されることを要求します。

                        記

1.NEPCに補助金の申請を行う前に説明会を開くこと。

2.説明会は少なくとも札幌市、石狩市、小樽市で開催すること。

3.当然のことながら参加者の資格は、参加を望むすべての人々とすること。

4.説明会の議事録は公開すること。なお、議事録署名人は、説明会の席上で複数人を選出すること。

5.回答は5月31日までに、文書をもって「銭函海岸の自然を守る会」事務所(小樽市緑3-2-12)あて提出されたいこと。

2010/05/20

相変わらずの黒塗り公文書

 サホロスキー場の拡張計画に関わり、サホロリゾート開発問題協議会の芳賀耕一さんが情報公開で北海道から公文書の開示を求めたのですが、そのかなりの部分が黒塗り状態です。以下のページを見てください。

道の公文書非開示に対する異議申し立て 

 これが、道民がコピー代金を支払って入手した情報公開の実態です。私たちも美蔓貯水池(旧、美蔓ダム)の環境調査報告書で同じようなことを経験していますが、こうした黒塗りは北海道情報公開条例の趣旨に反するものです。しかも非開示の理由が意味不明。

 どういう部分が黒塗りにされているかは異議申立書に書かれていますが、環境調査を行ったコンサルタント会社の担当者名とか国家資格者である技術者の名前、希少動植物の情報などのようです。異議申立書にも書かれていますが、なぜそのようなことを非開示にしなければならないのか分かりません。たとえば、コンサルタント会社の担当者は職務として行っているのですから、名前の公表は個人のプライバシーに属するものではありませんし、「他人に知られたくないと思うことが通常であると認められる情報」にも当たるとも思えません。現に、森林環境リアライズのある職員は、共著論文において自分の所属(会社名)を明らかにしています。

 また、守るべき希少動植物の情報を黒塗りにしてしまったなら、もし開発行為で希少動植物が悪影響を受けたとしても、影響を受ける前の情報が闇に葬られてしまうことになるのです。これではどうやって希少動植物の保護をするというのでしょうか。非開示は重要な情報の隠ぺいに他なりません。

 何のために黒塗りにするのかが見えてこないのですが、あえて言うなら道民に知られたくないこと、追求されたくないことを隠しているとしか思えないわけです。いったい何のために情報公開制度があるのかと、隠ぺい体質の北海道に憤りを覚えます。

 ちなみに、この調査を請け負っている森林環境リアライズというコンサルタント会社は、前述の美蔓貯水池に関する環境調査も請け負っています。これに関してはすでに何回か報告していますが、問題が大有りの会社です。国有林での環境調査の際にしばしば登場する会社なのですが、林野庁が日ごろから懇意にしているのでしょう。林野庁―コンサルタント会社―北海道という癒着構造が透けて見える気がします。

2010/05/17

消えゆく街の小さなお店

 先週、四日ほど東京に行ってきました。実家のある住宅地は、多摩丘陵を崩して宅地造成したところ。私たち家族が家を建てて引っ越してから42年ほどになるでしょうか。

 当時は家のすぐ前にスーパーマーケットがあり便利だったのですが、確か引っ越してきてから10年もたたないうちに閉店してしまいました。おそらくこのような住宅地ではお客さんが限られていて増える見込みがないということで、見切りをつけたのでしょう。

 そのほかには、八百屋さんとお肉屋さん、酒屋さんが近くにありました。スーパーができる前にはどこにでもあったような、量り売りをしてくれる小さな小売店です。実家からスーパーのあるところまでは歩いて20分ほどかかるので、私は実家に行ったときには時々利用していました。野菜がちょっと足りないとか、スーパーまで行く時間がないという時など。

 八百屋さんといっても豆腐や納豆、卵なども置いていますし、量り売りなので、欲しい量だけ買えてとても便利なのです。お客さんは常連さんばかりでほとんどが顔見知りなのでしょう。私が買い物にいくと「どこの奥さん?」とばかりに、声をかけられたものです。買い物をするだけではなく、店主とちょっとした日常的な会話があるのが、小さなお店なのです。

 ところが、今回そのお店の前を通ると、八百屋さんとお肉屋さんはシャッターが下りていました。いつかは閉店するかもしれないと思ってはいたものの、その現実を目の当たりにすると、なんとも虚しい気分です。

 こういう光景は、日本全国どこにでもあるのでしょう。北海道の地方の街は多くが「シャッター通り」になってしまい、多くの住民がスーパーへの買い出しを余儀なくされています。でも、地域住民のみんながそういう生活を望んでいたのでしょうか? 若い人たちが去り高齢者が取り残された過疎地では、高齢者の生活の基盤となっていた商店が消え、地域の人々のささやかな交流の場も消えつつあります。

 都市の近くに造られた住宅地などには、コンビニはあっても小さな小売店は見当たりません。食品や日用品などの買い物は車で大きなスーパーに行くのでしょうけれど、高齢になって車の運転をやめたらどうするのでしょうか? 歩いていけるところに商店がないという生活に、この社会の歪みを感じざるを得ないのです。

2010/05/10

恐るべき携帯電話の脅威

 新聞の押し紙問題を報じているジャーナリストの黒薮哲哉さんが、携帯電話の基地局による電磁波被害の問題にも取り組み始めました。

携帯電話の基地局問題

 この問題については、私も以前「携帯電話の中継基地局は安全?」という記事で取り上げたことがあります。黒薮さんの記事によると、携帯電話の基地局からの電磁波によって健康被害が続出しているそうです。携帯電話が普及し、ブロードバンド化が当たり前になり、通信規模がどんどん大きくなるに従って基地局のアンテナが林立するようになりましたが、やはり健康被害が表面化してきたようです。

 そういえば、iPadがもうじき日本でも発売されるとのこと。こういう機器が普及すればするほど通信量はますます増加し、基地局はさらに増えていくのではないでしょうか。便利だと単純に喜んではいられません。

 黒薮さんが報じているのは、主に基地局からの電磁波の問題ですが、先日、ビッグイシュー日本版(ホームレスの仕事をつくり自立を応援する雑誌)142号で「遅れた警告 携帯電話の電磁波リスク」という特集記事があり、深刻な事態にかなり愕然としました。

 電磁波環境研究所の荻野晃也さんへのインタビュー記事によると、日本は欧米に比べ、電磁波問題に関する報道が極端に少ないのだそうです。新聞もテレビも携帯電話の宣伝をしているためでしょう。欧米では16歳未満の子供には携帯電話を使わせないのが常識とのこと。というのも子どもの脳は小さくて頭蓋骨も薄く、大人よりも電磁波の影響を受けやすく、5歳児だと脳全体に電磁波が入り込むのだそうです。小学生に平気で携帯電話を持たせる日本人は、かなり危険なことをやっているのです。

 また、携帯電話ユーザーには脳腫瘍が多いという研究があり、左側で携帯電話を使用している人は左側の脳腫瘍が、右側で携帯電話を使用している人は右側の脳腫瘍が2.5倍に増加しており、その反対側では増加が見られないとのこと。ほかにも、目のガンや頭痛、脳波の変動など、携帯電話が人体にさまざまな影響を与えている研究例が多数あるそうです。また、電磁波によって精子が減ることが明らかになっているので、男性がズボンのポケットに携帯電話を入れるのはやめたほうがよいとのこと。

 問題なのは、脳腫瘍や白血病などはガン化するまでに10年以上の潜伏期間があるということです。つまり、これから携帯電話の電磁波による健康被害がどんどん出てくる可能性があります。さらに、日本では電磁波の規制が非常に緩く、EUは日本の1万分の1に当たる規制値を目指しているというのですから、驚きです。これだけ携帯電話が普及してしまっているのに、規制を強化しない国や危険性を伝えないマスコミの責任は大きいでしょう。

 では、どうしたらいいのでしょうか? 携帯電話を持たなければ一番いいのですが、これだけ普及してしまった現在、そうもいきません。その対策のひとつは、なるべく携帯電話から距離を置くということです。電話をするときはイヤホン・マイクを使い、持ち歩くときはバックなどに入れるのが良いそうです。また、寝るときは電源を切るか、できるだけ頭から遠いところに置くこと。もう一つは、使用時間をできるだけ短くするということ。

 携帯電話という便利な機器を持った人類は、電磁波の脅威にさらされてしまったのです。利便性を追求すればするほど、必ずといっていいほど負の問題がまとわりついてくるように思います。

2010/05/09

風力発電による健康被害問題

 5月4日付けの北海道新聞に「風力発電に逆風」とのタイトルで、小樽の銭函海岸に計画されている風力発電計画のことが大きく掲載されていました。自然破壊のほか近隣住民への健康被害が懸念されており、市民団体が反対しているほか札幌市も懸念を示しているという内容です。銭函海岸での風力発電計画についてはこのブログでも連載で取り上げてきましたが、この計画では20基もの風車の建設が予定されており、北海道では2番目の規模とのことです。

 北海道の海岸近くでは近年ずいぶんと風車が目につくようになりました。しかし、風車の建設では自然破壊や健康被害などをめぐってあちこちで問題が発生しています。「南豆の和」というサイトに風力発電の問題点がよくまとめられています。

 風車から発生する低周波音による健康被害は、マスコミではそれほど報道されていないのであまり知られていないと思いますが、以下のページにわかりやすく説明されています。

環境に優しいと思われている風力発電、その問題点とは? 

 低周波音というのは人の耳には聞こえない周波数の音で、風車はその低周波音の発生装置となっているのです。個人差はあるものの、睡眠障害をはじめ頭痛、耳鳴り、吐き気、抑うつなど大変な健康被害があり、犬や猫にも影響が出ているとのこと。ヨーロッパなどでは海に風車を建設しているところも多いと聞きますが、浅い海では海中にまで影響を及ぼすといわれているので、周辺に生息する動物たちにも影響を与えているのでしょう。風車というのは環境や動物への負荷が大きい発電施設といえそうです。

 昨今では、クリーンエネルギーとの名の下にさまざまな事業に税金が投入されていますが、自然エネルギーなら何でもいいというわけではありません。できるだけ無駄なエネルギーを使わない生活を心がけるとともに、太陽光や風力、あるいは水力などの自然エネルギーは小規模な利用にとどめることが望ましいのではないでしょうか。

 考えてみれば、親あるいは祖父母の代は今よりずっとずっと少ないエネルギーで生活できていたのです。ところが経済成長とともに莫大なエネルギーが消費されるようになり、大量生産と大量消費という無駄遣いが当たり前のようになってしまいました。家庭から吐き出される大量のゴミがそれを物語っています。

 経済成長とともに自然が破壊され、お金と物欲に目がくらみ、人々の心まですさんでしまったのが今の日本の社会です。昔の生活に戻るということにはならないにしても、自然に対して謙虚になり、物を大切にする生活を見直すことが求められているのではないでしょうか。

2010/05/07

十勝毎日新聞社が独禁法違反か?

 北海道の十勝地方には「十勝毎日新聞」という夕刊のみの地方紙があります。毎日新聞という名がついていますが、全国紙の毎日新聞とは無関係です。

 その十勝毎日新聞の一部の販売店への卸価格変更が独占禁止法に抵触するとのことで、新聞問題に精力的に取り組んでいる黒薮哲哉さんがご自身のホームページで指摘しています。

新聞の卸価格に地域差が、十勝毎日新聞の店主らが公取委に内部告発、新聞特殊指定違反で

 卸価格の差別的な引き上げが行われたようですが、おそらく経営的にかなり苦しくなっているのでしょう。

 十勝毎日新聞、通称「かちまい」は、地元の話題が多く庶民的な新聞ということで根強いファンもいるようですが、私はこの新聞を購読する気にはなりません。

 かつて、大雪山国立公園の中を貫く「士幌高原道路」が計画され、その建設の賛否をめぐって大きな話題になりました。この道路は、ナキウサギの一大生息地であり、また希少な動植物の生息地となっている然別火山群の風穴地帯を破壊するものでしたが、建設主体である北海道は反対の声を押し切って建設しようとしたのです。自然保護団体は署名活動に取り組み、全国から20万筆を超える反対署名が集まりました。いくつもの自然保護団体が反対の声を上げ、「大雪山のナキウサギ裁判」も起こされて法廷での争いにまで発展しました。

 当時、地元紙である十勝毎日新聞と北海道新聞の十勝版には士幌高原道路に関する記事が頻繁に掲載されたのですが、両紙の論調は明らかに異なっていました。北海道新聞が市民の立場に立って建設に疑問を投げかける論調の記事が多かったのに対し、十勝毎日新聞は建設推進派に配慮した論調の記事が多かったのです。

 こうした傾向は、士幌高原道路問題に限ったことではありません。十勝の林道を利用して開催された世界ラリー選手権(WRC)では十勝毎日新聞は主催者とともにラリーを積極的に推進する立場をとり、ラリー開催時には紙面がラリー関係の記事で埋まるような状況でした。結局、十勝毎日新聞というのは御用メディアの色が濃いのです。

 十勝地方では、北海道新聞と十勝毎日新聞が顧客獲得で競争している状態です。そのためか、北海道新聞の夕刊は全道版と十勝版が別々になっています。十勝版を独立させて身近な話題を集めることで、十勝毎日新聞と対抗しているのでしょう。もっとも、私にとっては「道新の十勝版夕刊」はほとんど読むべきところがなく、日ごろから「5分で読める道新夕刊」などと言っていますが。

 十勝では両紙を読みたいとの理由で、北海道新聞の朝刊と十勝毎日新聞を購読している家庭も多いようですが、そうすると費用面でかなりの負担になります。近年はどちらか一つにする人も多いのでしょう。あるいは、新聞の購読自体をやめてしまう人もいるでしょう。人口減に加え新聞を読まない人が増えているのですから、地方の小さな新聞社は経営的にも大変なのだと思います。今回の、卸価格の差別的引き上げの背景にはこうした事情があるのではないでしょうか。

 それにしても、新聞社が法に抵触するようなことを平然とやっていることには呆れます。この時代、新聞社が読者を獲得したいのであれば、御用メディアから脱し、市民の支持を得られる独自の取材記事を書くしかないと思うのですが。

2010/05/04

ネット署名という意志表示の場を有効に

 このところ立て続けにネット署名(オンライン署名)、メール署名のお知らせを掲載してきました。ネット署名がいつ、どこで始まったのか知りませんが、私の所属する十勝自然保護協会では士幌高原道路の反対運動で1990年代にネット署名に取り組みました。まだインターネットもメールもそれほど普及していなかった頃です。おそらくこれは先駆け的なものだったのだろうと思います。今ではあちこちでネット署名が呼び掛けられ、当たり前の存在になりました。こうして見ると、ネット署名がここ10年余りでしっかりと根づいてきたことを実感します。

 しかし、その反面で気になるのは、まだまだネット署名に対する消極性です。かつては署名といえば署名用紙に書くのが当たり前でしたし、その署名用紙といえば友人や知人などを通じて依頼されるのが普通でした。つまり、「自主的に」というより、「知人の頼みだから」という感覚が強かったのではないかと思います。友人や知人が目の前に署名用紙を差し出したなら、断るには勇気がいるでしょう。こうしてみると、紙の署名というのはかなり受動的な要素が強いのです。

 しかし、ネット署名で名前を書き込むというのは、もっと積極的な意志が必要になります。そのサイトにアクセスして趣旨説明を読み、署名フォームを開き、必要事項を書き込み、送信ボタンを押す。たったこれだけのことなのですが、実は以外とこれを実行できる人は少ないのではないかと思うようになりました。

 署名の中には基本的に匿名のものもありますが、署名すると即座にそのサイトに名前などが表示される(匿名も選択できる)サイトもあります。そのようなサイトを見ていて感じるのが、「署名したい」という気持ちがあっても、実際には行動に移せない消極的な人が多いのではないかということです。その理由はどこからくるのでしょうか?

 ひとつは、経験の少なさです。簡単に言うと「慣れ」でしょうか。私もネットの世界に慣れないときには確かに若干の抵抗感がありました。でも、何回か署名するうちに、とても気軽に意志表示をできる「優れもの」だということに気付きました。

 また、個人情報の漏えいなどが心配という方もいるかと思います。自筆ではないネット署名の場合、名前や住所のほかにメールアドレスを組み合わせることで、個人の特定が可能になりますので、普通はメールアドレスの記入が必要です。これらの個人情報が漏れてしまうことを懸念する人も多いのかもしれません。

 しかし、どうも過剰な警戒としか私には思えません。私はこれまで数々のネット署名をしてきましたが、だからといって迷惑メールが増えたということはありません。どうしても気になるのであれば、フリーメールを利用するのもひとつの方法だと思います。

 今まで、ネット署名を敬遠していた方たちには、是非、ちょっとだけ勇気を出してトライしてほしいと思います。いちどやってみると「なーんだ、簡単だ!」と感じると思いますよ。

 で、再度、これまでお知らせした署名を紹介します。

辺野古への基地建設断念と普天間基地の無条件返還を求める緊急署名(5月6日まで)

「いっせいのせ」でやめよう!! 辺野古移設と調査捕鯨!!(5月10日まで)

米海兵隊は撤収を―賛同署名(第一次集約5月20日)

Network for Okinawaによる反対署名 

八ッ場ダム事業見直しの署名(第二次締め切り6月末日)

2010/05/03

八ッ場ダム中止の署名のお願い

 「八ッ場あしたの会」が、総理大臣と国土交通大臣に対し、八ッ場ダムの中止と地元住民の生活再建の早期実現を求める署名活動を始めました。

 八ッ場ダムといえば、政権交代した民主党が中止を明言した無駄なダムの代表格のような存在です。それが、中止反対を求める勢力の動きによって、いまだに中止が決定されていません。今も税金をつかって自然が破壊されつづけています。

 八ッ場ダムの問題点は、以下のページに詳しく書かれています。

八ッ場ダム計画の問題点

 ネットでの署名も受け付けています。以下のページからお願いします。

署名にご協力ください

 かけがえのない自然を子孫に残し、税金の無駄遣いをなくすために、署名に賛同できる方は是非よろしくお願いします。また、この署名に賛同される方は、ブログやメールを通じて広めてください。

2010/05/02

辺野古への普天間基地移転に反対する緊急署名のお願い

 普天間基地の移設問題では、すでに二つの署名活動をお知らせしましたが、渡辺容子さんのブログ「暗川」で、緊急署名の呼びかけがありました。「転送・転載大歓迎」とのことですので、転載して紹介します。なお、すでにお知らせした以下の二つの署名もよろしくお願いいたします。

米海兵隊は撤収を―賛同署名

Network for Okinawaによる反対署名

**********

【転送・転載大歓迎】

● 連休中に【緊急署名・沖縄の民意に応えてください】にご賛同下さい!!

● メールでの署名を心から呼びかけます!!  

◆メールでの署名集約の期限は5月5日(水・休日)です。どうか、ご協力を!!

 みなさん! 普天間基地をめぐる情勢が急速に煮詰まってきました。沖縄では4月25日、普天間基地の「県内移設」に反対する県民大会に9万人もの人びとが参加し日本政府に「県民の総意」を鮮明に示しました。しかし鳩山政権は大会の成功を表向き「民意の一つ」とか「重く受け止める」としながら、「沖縄の民意」に応える気はまったくありません。

 それどころか、大会の翌日にはワシントンで日米外務・防衛実務者会議を開き、対米交渉を加速させ始めました。鳩山首相は徳之島に影響力を持つ元衆議院議員、徳田虎雄氏に会って、沖縄との県境にある徳之島が「最大1000人」の米海兵隊を受け入れることを要請しました。徳田氏は拒否しましたが、首相はなお徳之島移設を断念していません。さらに首相は連休中の5月4日に沖縄を訪問し仲井真県知事に「県内移設受け入れ」を要請します。

 鳩山首相の「腹案」は、米国政府が日本政府に強硬に履行を迫っている現行案=「キャンプ・シュワブ沿岸域案」を少し「修正」し、それを名護市民、沖縄県民に呑み込ませようというものです。その「修正」とは、くい打ち桟橋やメガフロート(鋼鉄製の箱をつなぎ合わせるもの)の上に1800メートルもの滑走路を建設することです。そうなればサンゴが群生しジュゴンの食料である海草(うみくさ)が育つ広大な海域に滑走路でフタをすることになり、海底の生態系が決定的に破壊されてしまいます。

 鳩山首相はもはや「最低でも県外」の公約を忘れたかのようです。しかし私たちはそういう姿勢を許さず、「沖縄の民意に応える」ことを強く求める必要があります。鳩山政権による新たな「琉球処分」を阻止しましょう。

 以下に改めて緊急署名の呼びかけを記します。連休中に寄せられる署名は、5月7日(金)に首相に提出されます。どうかご協力下さい。心から訴えます。

 辺野古への基地建設を許さない実行委員会(連絡先:本メール末尾)

【緊急署名 沖縄の民意に応えてください】

◆鳩山首相への要請事項◆

 1.今こそ、沖縄の民意を最優先してください。

 2.名護市辺野古への「移設計画」を断念してください。

 3.普天間基地の無条件返還を実現してください。

◆要請の趣旨◆

 沖縄の悲願は、一貫して「基地のない平和な島」の実現です。

 1995年9月、沖縄で起きた米兵によるレイプ事件に対する島ぐるみの怒りに直面して、日米両政府は96年4月、普天間飛行場の「返還」を合意しました。しかしそれは、沖縄本島東海岸沖に代替基地(海上施設)を新設することでした(同年12月、SACO最終報告)。◆96年9月の沖縄県民投票では、89%が「基地の整理・縮小」を求める意思を明確に示しました。◆さらに97年12月の名護市民投票では、過半数が「辺野古への海上ヘリ基地建設NO!」を表明しました。

 しかし、自民党政権は、沖縄の頭越しに辺野古への基地建設を強行しようと、莫大な経済振興資金をもって沖縄の人々を懐柔しようとしました。◆それに対し2008年7月、沖縄県議会は「辺野古への新基地建設に反対する」意見書を採択、日本政府、米政府、沖縄県知事に突きつけました。◆09年8月の衆院選では、沖縄県の選挙区・比例区で自民党・公明党が全敗し、◆今年1月24日の名護市長選挙では「辺野古・大浦湾の美しい海に新たな基地は造らせない」と主張した稲嶺進候補が当選しました。

 数々の世論調査でも、沖縄の世論は一貫して「普天間の県外・国外移設」が多数を示してきました。沖縄の民意が「基地の新設」にも「県内移設」にも絶対反対であることは、今や誰の目にも明らかです。私たちは、鳩山政権が「沖縄の民意」を正面から受け止め、実現すべきことを、鳩山首相に対して強く要請します。

                  辺野古への基地建設を許さない実行委員会

【メール送信による署名の方法】

◆署名は個人・団体(グループ)を問いません。

 ○ 署名していただける方は、氏名と住所をお知らせ下さい。

 ○ 団体(グループ)署名の場合は事務所の所在地ないし連絡先を記して下さい。

 ● 署名の連絡先(メールアドレス)は次の通りです。

    henoko.no-hutenma.out@mbn.nifty.com

  上記メールアドレスは署名専用です。

 ◆鳩山首相への署名提出は【5月7日(金)】ですが、賛同の期限は【5月5日(水・休日)】です。署名の集約と整理に時間がかかりますので、【5月5日(水・休日)】までにご連絡下さるようお願いします。

 【協力のお願い】署名される方にお願いします。このメールをできればみなさんの友人やお知り合いの方々に至急ご転送下さい。またご関係のメーリングリストやそれぞれのブログ、ホームページでご紹介下さい。どうか、よろしくお願いします。

 ◆〔個人情報の保護とこれまでの署名数について〕

  署名者の氏名と住所および署名団体名とその事務所の所在地や連絡先をインターネット上で公表することはありません。ただし署名の件数については、署名簿の提出後、手書きの署名数と合わせて、みなさんに報告します。

 この緊急署名運動は今年2月に始まり、これまでの首相官邸前金曜日行動で計約2万4000筆が首相に提出されました。

●辺野古への基地建設を許さない実行委員会

  090-3910-4140(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)

  Fax 03-5275-5989(市民のひろば)

  URL: http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html

2010/05/01

「美ら海」を守るための署名のお知らせ

 「自然の権利基金」より以下のお知らせがありました。先日の「普天間問題で署名をお願いします 」という記事でも署名のお願いをしましたが、以下で紹介しているNetwork for Okinawaの署名も賛同いただける方はよろしくお願いいたします。署名すると名前、居住地、国名がサイト上に表示されますが、名前は匿名も選択できます。

 ブロガ―の皆さん、この署名も広めてください。

                  **********

 私たちは、沖縄の美しい自然や人びとの生活を破壊する米軍基地問題に取り組む市民のネットワークJUCON (Japan-US Citizens for Okinawa Network) です。日米の市民・NGOが合同で「美ら海・沖縄に基地はいらない!」キャンペーンを行っています。

 キャンペーンの第1弾として取り組み、沢山の皆様からご賛同をいただきました「美ら海・沖縄に基地はいらない!」全面意見広告が、アメリカ時間の4月28日、ワシントンポスト紙朝刊のメインセクションに掲載されました。

 みなさまのご協力に、心より感謝申しあげます。

 詳細な広告の内容、日本での報道などについては、JUCONのブログ上に掲載しています。

 ニュース動画はこちらをご覧ください。

 私達の政府に、なんとしても「自然への冒涜」を思いとどまって欲しい。その気持ちを共有する皆さんにご利用いただければ、と、願っております。  また、この意見広告を一緒に出したアメリカ側のパートナー団体Network for Okinawa(NO)では、団体署名に続き、現在、個人署名も集めています。

http://salsa.democracyinaction.org/o/357/p/dia/action/public/?action_KEY=2932

 日米両方から、この世論を盛り上げていくために、引き続き、アメリカのキャンペーンなどを中心に、皆様にご報告していきたいと思っております。

 今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

フォト

twitter

2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ