自費出版図書館とリタイアメント情報センターの不可解な関係
図書館といえばその多くは自治体などが運営する公共施設ですが、東京には自費出版の本を集めた自費出版図書館があります。この自費出版図書館は1994年に開設されたのですが、2002年にはNPO法人自費出版ライブラリーとなりました。運営の中心になっていたのは伊藤晋さんです。
しかし、2009年になってこの自費出版図書館の運営体制が変わりました。NPO法人リタイアメント情報センターと提携したのです。
リタイアメント情報センターについては、このブログのカテゴリー「共同出版・自費出版」 で何回か話題にしていますが、簡単に説明すると以下のような不可解なことがいろいろある団体です。
副理事長である尾崎浩一氏は、ご自身が編集長をされていた「リタイアメント・ビジネス・ジャーナル」で新風舎を批判する連載記事を書きました(今はサイトがリニューアルされ、記事は削除されています)。尾崎氏は、ジャーナリストとして他にも雑誌などに新風舎を批判する記事を書き、テレビにも出演していました。また、「危ない!共同出版」という新風舎のみを批判した本も書いています。「新風舎商法を考える会」の設立や新風舎の集団提訴にも深く関わりました。ところが非常に不可解なことに、ほぼ同じ商法を行っている文芸社を批判することはありません。NPO法人リタイアメント情報センターでは「自費出版部会」を設置していますが、この部会では販売する自費出版のガイドラインを作成しました。その内容は文芸社がクリアできるものでした。そして、後に文芸社と日本文学館がそのガイドラインの賛同業者となりました。自費出版図書館を主宰していた伊藤晋さんは、その「自費出版部会」のメンバーです。
要するに、メディアを利用して大々的に新風舎批判を展開した尾崎浩一氏は、新風舎を辛辣に批判し大騒ぎをしながら、文芸社の問題は取り上げようとしません。
それでは、尾崎氏が批判しない文芸社が問題のない会社であるかといえば、とんでもありません。私がかねてからJANJANやブログで指摘している悪質商法をいまも続けています。そして、2008年7月にはJANJANに対し、私の記事が名誉棄損にあたるので削除するよう通知し、削除しなければ法的手段に訴えると脅しました。JANJANは記事を削除しませんでしたが、文芸社は訴えませんでした。都合の悪い記事を削除せよと、市民メディアを恫喝したのです。こういう会社をまったく批判しないのが尾崎浩一氏であり、自分たちのつくったガイドラインの賛同業者として認定しているのがリタイアメント情報センターです。
自費出版図書館のホームページでは「自費出版相談室」を設けているのですが、そこをクリックするとなぜか「リタイアメント情報センター」に繋がります。また「ガイドライン」と書かれたところをクリックすると、これもまた「リタイアメント情報センター」に繋がります。
以上のことから、自費出版図書館の運営にリタイアメント情報センターが乗り出したということが何を意味するのか、推して知るべしでしょう。NPO法人だからといって、頭から信用してしまうのは禁物です。
【リタイアメント情報センターの関連記事】
« 登山の商品化に思う | トップページ | ジュゴンと鯨の保護でネット署名がスタート »
「共同出版・自費出版」カテゴリの記事
- コンテスト商法と電子出版勧誘にご用心(2017.08.29)
- 日本文学館から自費出版した二人組のトラブル顚末記③(2015.04.20)
- 日本文学館から自費出版した二人組のトラブル顚末記②(追記あり)(2015.04.12)
- 日本文学館から自費出版した二人組のトラブル顚末記①(2015.04.11)
- 自費出版トラブル問題で暴かれた欺瞞(追記あり)(2015.03.08)
コメント